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「戦略的PR」という考え方

こんにちは、PR会社コミュニケーションデザインの玉木剛です。
最近、いろんな経営者の方とお会いする機会がありますが、以前に比べて「戦略的PR」というキーワードに関心を持たれている方が増えていると感じています。特に、多くの急成長しているベンチャー企業の経営者は早くから気づいて取り入れていることです。

そこで、今回は普段の仕事現場から、「戦略的PR」にフォーカスを当ててお話ししてみたいと思います。

まず、皆さんは戦略的PRという発想をお持ちでしょうか?
あらゆる企業のマーケティング活動において、この発想は不可欠になってきつつあります。

これまでの企業のマーケティングは広告を中心に展開されてきました。しかし、マス広告の影響力低下やインターネットの普及に伴い、そのやり方だけでは限界がきています。マス広告、特にTV-CMはある意味で、「こっちを向いてー!」と大声で叫ぶようなものです。このやり方でみんなを振り向かせることで認知度は高めることができますが、以前のように売れることには直結しなくなりました。

その結果、当社によく頂く中堅~大手企業からのご相談内容はたとえばこのようなものです。

「年間数十億円の広告費を使うことで、認知度は90%になりました。しかし、一定以上売れなくなったんです。何か良い解決策はありますか?」

この言葉からわかることは、「認知度≠売上」ということです。
以前はマス広告で何百万人にリーチすれば、大体何%の人が買ってくれてその結果売上はいくらぐらいになると予測が立てられたものですが、今はそういう時代ではなくなったのです。やはり、企業からの一方的なメッセージでは消費者は動かなくなったということでしょう。

上記の例の多くはBtoCビジネスですが、法人サービスのビジネス現場でも同じです。
電話帳をもとに片っ端から何百件も電話をかけたり、エリアを決めた飛び込み営業など、全般的に非常に厳しい状況です。その結果、成果を出せずに次々に社員が辞めてしまうことが問題になっています。

そこで、BtoC、BtoB問わず、あらゆるビジネスで重要なのは、「認知度(知らせる)」そのものより、「信頼性」「「共感・感動」という要素です。言いかえれば、あらゆるものに対象者の関心を惹きつける「ブランド力」が必要になっていると言えます。ブランド力はラグジュアリー商品に限らず、あらゆるものに必要な時代が到来しているのです。

それでは、ブランド力はどうすれば高められるのでしょうか?
その答えが「戦略的PR」なのです。
戦略的PRは「誰に(WHO)」「どのようなメッセージ内容(WHAT)」を「どのような方法(HOW)」で訴求すれば、ターゲットの信頼性や共感、感動などにつながるかというコミュニケーション戦略を立案するのです。その立案で重要なのは、「第三者」「社会を巻き込む」という視点です。

一番シンプルなコミュニケーション活動は、影響力のある第三者、マスコミや著名人、専門家などを巻き込み(共感していただき協力を得る)、マスコミやインターネットを通して商品・サービスを広めるというアプローチです。

それがもう少し高度なアプローチになると、自分の商品をダイレクトに売り込むのではなく、その商品の背景にある社会問題(イシュー)を啓蒙するというようなやり方(イシューブランディング)になります。

そして、その問題が記事やテレビ番組、インターネットなどで広まれば広まるほど人の関心事は解決策に移ります。そのときにきちんと解決策として、その商品の強みとの道筋がつながっていれば、売上は必然的に伸びていきます。

あるいは、商品情報に社会性のあるメッセージを結びつけて発信することで、共感性を広めることも考えられます。「高校生のストレスからの解放」というアプローチを行った「キットカット」などはその好例でしょう。キットカットは「高校の卒業式ライブ」「商店街を巻き込んだ受験生の応援活動」など、社会的関心を引く活動を次々に仕掛けていくことでブランド力を高め、カテゴリー1位に輝く結果を得ました。

このように、戦略的なコミュニケーション活動には発想次第によって無限の可能性があり、私たちの仕事の醍醐味と言えます。場合によっては億単位の広告効果に匹敵するような成果を出せることも珍しくありません。

とはいえ、いつも発想をゼロベースで考えるわけにはいかないので、当社ではPR戦略7つの発想法という思考のフレームワークに則って考える習慣を身につけています。(その内容は「影響力」という本で紹介しています)

ここで気をつけなければならないことがあります。それは話題をつくることと売上は必ずしもイコールではないということです。PR会社が陥りがちなのは、マスコミ露出量を獲得することに必死になるあまり、その目的を見失ってしまうのです。その結果、確かにマスコミ露出はしたけど、ビジネス的に何も意味がなかったという結果になってしまう恐れがあります。

ですから、「共感や感動」を得る活動とその商品・サービスの提供する価値がつながっているかどうかを十分に検討したうえでコミュニケーション活動を実行することです。

こうした緻密なコミュニケーション活動によって、初めて商品やサービスのブランド力強化につながり、結果として売り上げにつながります。

また、「戦略的PR」に連動させ、既存の広告展開や販促活動を行うことで、相乗効果によって売上はさらに伸ばしていくことができるのです。ブランド力が向上すれば、広告やDMなどの反響効果も確実にアップするからです。

このように、マーケティングの現場は、今までの「広告中心のマーケティング」から「戦略的PR中心のマーケティング」へと確実に変わってきているのです。私たちの会社では、このような「戦略的PR」を立案するだけでなく、成果が出るまで実行していくのです。

少し大雑把な部分もありますが、私たちの仕事の一端が伝われば幸いです。
なお、広告展開や販促活動についても方法論がありますので、また別の機会に書きたいと思います。

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