広報・PRに必ず使える文章術

「いきなり会社のオウンドメディアの記事、書けっていわれても。。。」

東京の輸入食品メーカーに転職、広報部に配属された入社間もないA君25歳、男性の話です。前職では、営業職の経験しかなく、これまで学生時代を含めて、特に文章について勉強や訓練してきた経験も少ないため、転職後、なぜか広報部に来て、いきなり、レポート、企画書、プレゼン資料、議事録などに加え、社内ブログ、社内メルマガ、会社のFACEBOOK記事、そしてプレスリリース作成など文章を書かなくてはいけない機会が非常に増えてしまい、とても戸惑っています。

ところが、実は、ビジネスで使う文章は「文才」などが求められているわけではなく、広報PRにおいて使う文章においても「文章そのものの魅力」ではなく、勤務先やクライアント、そしてメディアにとって「役に立つ内容」「わかりやすい内容」の文章であれば、それで十分なのです。

こういった悩みについて、とてもわかりやすく解説しているビジネス書を見つけました。

上阪徹著 「10倍速く書ける 超スピード文章術」
(ダイヤモンド社、2017年8月23日刊)
https://www.amazon.co.jp/dp/B074FXZQX6/

著者は、フリーランスのブックライターとして、経営、金融、ベンチャー、就職などのテーマで、雑誌、書籍、webメディアなどで幅広く執筆やインタビューなどを手掛けている方です。

しかし、上阪氏は、著書の中で、もともと文章を読むのも書くのも大の苦手で、今も、「文章は得意」ではなく、決して飛び抜けて「美文・名文」を書くライターでもないと、著者本人がそう言い切っています。
その割り切りのせいでしょうか、とてもシンプル、明快で、読みやすいばかりか、これでもかとばかりに、ビジネスで使えるノウハウが満載の書籍です。私も最近ちょっとないくらい多くのページに付箋をつけてしまいました。

その一部をPICK UPして、紹介します。

「10倍速く書ける 超スピード文章術」

1)文章は、「素材」だ

■「どう書くか」より「何を書くか」に集中せよ
■文章はゼロから作らず、まず「素材」を用意せよ。
■新聞記者は「取材」による「素材」が集められているから、一瞬で文章が書ける。
■企画書は、実は、「素材」だけで書ける。

2)コメント力をUPする方法

■糸井重里が20年間毎日コラムを書けるのは、その日その日の「雑感」だけを書いているから。毎日この「雑感」を書き留めて続けると、「コメント力」が高くなる

3)「形容詞」を使わないと決めた瞬間、文章はうまくなる。

■形容詞の「中身」を書かなくてはならないことに気づけると、幼稚な文章から脱出できることがある。

例)「今日はすごく寒い」
→「今朝、温度計は零下5度を指しています」。
→「今朝は、手ぶくろをしても手がかじかむくらいだ」。
→「今朝、窓の外を見ると軒下からツララが20センチほどの長さになっている」。

4)「Yahoo!ニュース」で、文章の“相場感”をつかめ

■誰にも読まれない「サムい文章」を避ける方法の一つに、「Yahoo!ニュース」で関連記事を探して、書こうとする記事の方向のおおよその“相場感”をつかむ方法がある。

■2,000字の文章が50個書ければ10万字の本(=通常のビジネス書の文字数)が書けるetc…

本当にたくさんの役に立つ文章術が、掲載されています。

いろんな文章の書き方についての書籍はたくさんありますが、この書籍ほどいい意味で文章を書くということに対して敷居を下げるノウハウも珍しく、かなり驚きました。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

もしこの本に書かれていることが実践できれば、「文章について苦手意識がとれない」、「構えすぎて苦労している」「書き直しばかり言われていつもプレッシャーがある」といった広報PR担当者にとっても、大きく何かを変えるきっかけになるかもしれない貴重な書籍だと思い紹介させていただきました。それでも、やはり「文章作成は、難しい・・。」とお考えの方は、編集力が高いとご評価いただいている弊社までお気軽にご相談ください。