CMにかわる広報手段

こんにちは。
今週は、最近日本でも新しいマーケティングの手法として注目が集まり出している、「プロダクトプレイスメント」を取り上げてみたいと思います。


このプロダクトプレイスメントは、映画やテレビ番組などで意図的に商品を登場させ、しかし、見る側にはさりげない印象で頭に刷りこむという宣伝手法です。

映画やテレビだけでなく、スポーツイベント、あるいは各種コンテンツの文脈中に自然なかたちでブランドの商品や特徴を露出する場合もあります。
このプロダクトプレイスメントは、すでに欧米では盛んに行われています。米国では1970年代後半から使われ始め、プロダクトプレイスメント市場は、2004年の時点で34億ドル以上(約4000億円)にまでのぼっています。
プロダクトプレイスメントは、以下のような映画で使われたことが代表的です。
◎マイノリティレポート・・・トヨタのレクサス
◎マトリックス・・・ノキアの携帯
◎コードギアス・・・ピザハット
ご覧になった方は、言われてみて「そう言えば…」と、各商品が登場したシーンが脳裏に浮かんできませんか?
米ニールセンメディアリサーチ社によるプロダクトプレイスメントの効果測定レポートでも、“使える手法”であることが実証されています。
テレビ番組中で、視聴者を著しく惹き付けるシーンに採用されたプロダクトプレイスメントは、高いブランド認知を得るという結果が出ているのです。
具体的には、
・ブランド認知は、エンタテイメント性の高い番組におけるプロダクトプレイスメントで29%、スポットCMで21%、両方の組み合わせで5%増加。
・ブランドに対する一般消費者の好感度は、プロダクトプレイスメントで85%、スポットCMで75%、エンタテイメント性の高い番組におけるキャンペーンとの連携で68%増加。
・購買意欲は、プロダクトプレイスメントによって145%、スポットCMで120%、両方の露出で97%増加。
となっていました。
(参考:米ニールセンメディアリサーチ社による効果測定レポート)2007年12月10日
http://www.nielsenmedia.com/nc/portal/site/Public/menuitem.55dc65b4a7d5adff3f65936147a062a0/?vgnextoid=edfe7c7dee9c6110VgnVCM100000ac0a260aRCRD
では、プロダクトプレイスメントの日本の状況について見ていきましょう。
従来日本ではあまり積極的に採用される傾向になかったプロダクトプレイスメントですが、最近は少々事情が変わってきたようです。
要因のひとつには、VHSビデオデッキやハードディスクレコーダーの普及があげられます。
ビデオ等の録画システムが一般家庭に浸透したことで、視聴者がCMをスキップできるようになりました。そのため、テレビCMの閲覧頻度が大きく下がってきているのです。
また、もう一つの要因として、インターネットやSNSの発達があげられます。CM以外から商品やサービスの情報を入手する手段が増えただけではなく、企業側から一方的に発せられる情報以外に消費者・利用者からの評価も得ることができるようになりました。
そこで、CMではなく、番組本体に意図的に商品を登場させる動きが日本でも活発になってきています。つまり、プロダクトプレイスメントが脚光を浴びつつあるのです。
例えば、『GOOD LUCK』や『アテンションプリーズ』、『CAとお呼び!』といったパイロットやCAが主人公のドラマ。
ドラマの衣装や撮影現場、背景に航空会社の制服やロゴ、飛行機が幾度にもわたり出てきます。
商品やロゴの露出のみならず、ドラマのストーリーによっては安全への意識や企業理念などが反映され企業イメージのアップにつながります。
これも、プロダクトプレイスメントといえると思います。
また、例えば、CX系列の『はねるのとびら』の人気コーナー「ほぼ100円ショップ」。番組内に登場する数々の100円商品の中に高額商品が何点か混ざっており、その中から100円商品だけを当てていくという趣向の内容です。
ここに、100円ショップのダイソー商品が必ず入っています。バラエティー番組ということもあり、「自然に露出」とは少し違いますが、スポンサーにダイソーが入っていないことから、プロダクトプレイスメントの可能性があります。
ダイソーにとってこのコーナーに商品が露出されることのメリットは・・・
1.『はねるのとびら』自体が、幅広い層から人気のある番組だということから、ダイソー商品、並びにダイソーというブランドを幅広く認知させることができる。
2.商品ラインナップの多さを打ち出せるというメリットもある。
3.ダイソー商品が高額商品と並んでも引けをとらないということを自然と証明する機会にもなっている。
このように、番組中に商品を登場させることで、たとえYouTubeなどでCMをカットし、アップロードされても宣伝としての機能が維持されるわけです。
プロダクトプレイスメントの対象とするコンテンツは、映画やテレビ番組が一般的でした。しかし、最近では日本も含め、それだけでなく、アニメやゲームにも使われるようになってきました。
ゲームの主人公の武器に実在の商品が使われていたり、スポーツアニメの主人公が使用するスポーツグッズが全て同じ会社の製品であったりと、方法は様々です。
ただ、ここで注意したいのは、プロダクトプレイスメントをあてはめるコンテンツの見極めです。ただ、闇雲に出せば良いというものではありません。商品のターゲットとなる顧客層にあった、視聴者を有するコンテンツを選ぶことが重要でしょう。
また、視聴者が不快感を感じないよう「わざとらしい」露出はさけなくてはいけません。
ご参考までに、ここまでのお話しでプロダクトプレイスメントに興味をお持ちいただけた方に、実際のどうすればよいのか一部ご紹介します。
1.番組を手がける制作会社に打診してみる
2.プロダクトプレイスメントを手がけているPR会社に相談する
3.衣料ならスタイリスト、小物なら小道具レンタル会社がプロダクトプレイスメントを行っている場合もあるので話をしてみる。

プロダクトプレイスメントという広報手段はすぐに実践できる簡単な広報手段ではありません。しかし、CMに代わる広報手段が日本でも使われ始めたことを知った上でドラマや映画、アニメ、ゲームを見て各社の広報スタイルを研究するのもよいのではないでしょうか。

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