「広く、多く」に加えて、「狭く、濃く」情報発信するPRも大切!

企業のPR媒体は、テレビ、新聞、雑誌、Web媒体に加え、
数年前からSNSやFacebookやTwitterによる情報発信が
盛んになっていることは皆さん、ご存じの通りです。
中でも、最近、話題となっているのがTwitterのNHK広報局公式アカウント「NHK_PR」です。


「NHK_PR」がつぶやき始めたのは2009年からで、
当時の広報担当者が「ようし、やっちゃえ!」と、
上司などには知らせず独断でスタートさせたのだそうです。
開始1カ月は26人のフォロワーと散々な数字だったが、
公共放送であるNHKのイメージを変えることを目的にしていたため、
担当者は気にせず「普通の会話」を心がけたとの事です。
NHKという三文字を背負った公式アカウントにもかかわらず、
TBSのTwitterの黒ブタキャラ(BooBo)が「冷房がきいてるとこでひと休み」とつぶやけば、
「冷しゃぶの準備ですね」と放送局の枠を超えてツッこむ。
さらに、エイプリルフールには、「本日、NHKと全ての民放が合併して国営放送になりました」
と過激な嘘ネタをつぶやいて、謝罪騒動にまで発展したのは記憶に新しいところです。
「あのお堅いNHKが“こんなこと”をつぶやいている!」という衝撃と新鮮さが受けて、急激にフォロワー数を増やし、
12月4日現在、51万4,049という驚異的な数を誇っています。
また、企業の広報アカウントの使命である“みんなに好かれないといけない”という鉄則を捨て、
「ツイート(つぶやき)が合わない」という人には「アンフォロー」を決断しているのも特徴のひとつです。
「企業(放送局)とお客様(視聴者)」の関係ではなく、
「友達どうしのような関係になるためのTwitter」を目指したい…。
その思いこそが、“独自の路線”を築くこととフォロアー数の増加につながったのでしょう。
今や広報は、マスメディアを利用した「広く、多く」に加えて、
SNSやFacebookやTwitterによる「狭く、濃く」情報発信することも重要となっています。
そんなTwitterですが、PRのほかにも新たな活用法の動きがあります。
番組の「視聴率」を出しているビデオリサーチ社は、
テレビ番組に対する反応をTwitter上のツイート数などから測定する指標の整備に取り組むと発表しました。
なぜならば、既存の視聴率では「視聴質」がわからないのと、
すでにテレビ番組のほとんどが公式Twitterを開設しているからです。
まず、最初の取り組みとして、番組別に1分当たりのツイート数と、
その前4週平均を算出し、番組全体を「量的」にとらえるもので、
テレビ番組がTwitter上でどれだけ話題になったのかを網羅的に簡単に確認でき、
過去の放送や他の番組と比較することが可能になるそうです。
テレビ番組に対する視聴者の反応は、①発言数や発言人数による「量的な視点」と、
②発言内容や発言者の定性的な分析による「質的な視点」の2つの方向性があり、
第1弾では、番組全体をとらえる量的視点の指標作りに取り組み、
今後は波及効果(質的な視点)についての指標開発も研究する予定だそうです。