ボジョレー・ヌーボーのキャッチコピー

12月も後半に差し掛かり、ようやく冬らしい寒い日が増えました。
2013年も残りわずかとなり、忘年会の予定が増える時期ですね。
年末から年始にかけて、お酒を飲む機会が増える方も多いかと思いますが、
くれぐれも飲みすぎて体調を崩したりしないようお気をつけくださいね(笑)。
お酒といえば、先月になりますが、ボジョレー・ヌーボーの解禁がありました。
毎年11月の第三木曜日が解禁日ですが、解禁イベントとして、
0時を回った瞬間にボトルを開封してその年のワインの出来栄えをチェックする、
というのが世界の恒例行事になっています。
時差の関係で日本が世界で一番早く解禁されるそうで、毎年注目を集めています。
近年ではスーパーやコンビニエンスストアの店頭にも
数多く並び手軽に入手できるので、
皆さんの中にも解禁日に早速飲まれたという方も多いのではないでしょうか?
ところでボジョレー・ヌーボーというと、
なんとなく毎年当たり年と言われている印象はありませんか?


この評価がどのように決まっているかを調べてみると、
毎年10月下旬頃に「ボジョレーワイン委員会」が試飲会を開き、
その評価をフランス食品振興会(SOPIXE)がプレスリリースとして
発表しているのだそうです。
日本では、その発表をもとに各メーカーで売り文句や表現を工夫しているようです。
「評価」といっても、ボジョレー・ヌーボーをたくさん売りたい人たちが決めているものなので、
客観的な「評価」というよりは、「キャッチコピー」に近いんですね。
そのために、毎年良い仕上がりという印象を与える評価がついているのも納得です。
過去の評価を見てみると、1998年は「10年に1度の当たり年」、
2001年にも「ここ10年で最高」とされており、
さらに2002年には「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」、
2003年は「100年に1度のでき、近年にない良い出来」となっています。
さらに、2005年は「ここ数年で最高」、2009年「50年に1度の出来栄え」と続きます。
もはや、いつのものが最高なのかわかりません(笑)
近年では、品質に関するアピールも加わるようになり、
2011年「2009年より果実味に富んだリッチなワイン」、
2012年「糖度と酸度のバランスが良く、軽やかでフルーティーな仕上がり」、
そして今年2013年は「みずみずしさが感じられる素晴らしい品質」でした。
ボジョレー・ヌーボー解禁は毎年恒例の行事になりましたが、
キャッチコピーをつけることで、
メディアが「解禁」のニュースと共に評価(キャッチコピー)を記事の中に
盛り込むため、それが話題になります。
実際に2013年も日本経済新聞や毎日新聞、
産経新聞などで味の評価も含めて記事にされています。
それを目にした人は、思わず「今年も飲んでみないと!」という気持ちになりますよね。
キャッチコピーがあることで、共通のキーワードをメディアに登場させ、
消費者に共通の商品の印象を抱かせるという上手な事例だと思います。
評価の話題性を狙うボジョレー・ヌーボーの戦略を、
貴社の商品・サービスのPRの参考にされてみてはいかがでしょうか?