オフィスもPRツール。地方サテライトオフィスの増加

年末年始はいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は東日本大震災以降、東北の復興支援活動に関わっていて、
年末は1週間ほど岩手と福島にいました。
福島では、最近まで立ち入れなかった沿岸の地域の様子も
見に行き、復興がまだまだ遠いことを実感しました。
さて、震災以降、地方回帰に流れが強まっています。
震災が地域との絆を見直すきっかけになったり、自然災害を
前に、これまでの資本主義社会に疑問を持つようになったりと、
理由は様々だと思います。


2014年に内閣府から発表された「農山漁村に関する世論調査」によると
「田舎に移住したい」と考える人は31.6%となり、この9年で11%も
増加しているそうです。
それも、年齢別で見ると20代がもっとも高く約38.7%の人が、
移住願望があると答えていて、もっとも低かったのは70歳以上の
22.5%。若い世代の移住願望が強いことがわかります。
この現象と比例するように、地方に本社やサテライトオフィスを
作る企業が徐々に増加しています。
有名な事例のひとつが、徳島県神山町の移住推進でしょう。
人口6,000人程度の町に、ここ数年でITベンチャーなど10社が移住。
自治体がインターネット環境を整備することで仕事に不便はなく、
通勤ラッシュもない。静かで自然あふれる環境で仕事に集中し、
取れたての食材を食べ、週末は海や山で遊ぶ。
最高の労働環境です。
また、地方にオフィスを持つことでメディアの目も引きます。
名刺管理サービスでおなじみのSansan株式会社さんは、
本業に関する露出の他に、神山町にサテライトオフィスを
持つことそのものが取材の対象になっています。
実際に、創業以来のTV露出のうちの1/3が神山町の
サテライトオフィスに関する内容でした(日経テレコン調べ)。
オフィス移転や不動産仲介、移住支援を行うベンチャー企業・
株式会社ヒトカラメディアさんも、職場環境の改善や作業効率の
向上の他に、企業PRとしての効果も期待されるといいます。
実際にPR効果を期待して地方オフィスを導入する企業も
出始めているとのこと。
日本政府が地方再生に本腰を入れてきた今、この地方回帰の
風潮は少なくとも数年は続くと思われます。
もし、オフィスの移転や増設を検討している企業さんは、
思い切って地方進出という手もあるかもしれません。