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2008年08月05日

PR発祥の国・アメリカの書籍に学ぶ~心に残るアイディアの作り方

こんにちは。
コミュニケーションデザインの福井です。

梅雨が明けたと思ったら、もう8月!
私がこの会社に入社して1年が経とうとしています。
時間が経つのは本当に早いですね。

PRマンになって1年弱、正直まだまだだと感じています。
私が特に苦労しているのはリリースの元になるネタづくり。
メディアの方に興味を持ってもらえるネタを提供することは簡単なことではありません。
しかも1度記事にしていただいた媒体に関しては、違う切り口でアプローチしていかなくてはいけません。

そこで、アイディア作りのヒントを学ぶべく、久々に洋書を手に取ってみました。
今回はニューヨークタイムズ社のベストセラー『MADE TO STICK ~Why Some Ideas Survive and Others Die』から学んだ、人の心に残るアイディア作りのポイントをご紹介したいと思います。

人の心に残るアイディア作りのポイントを、本書では『SUCCESs』(成功する)の頭文字を用いた6つのポイントで紹介しています。

S: Simplicity (シンプルであること)
U: Unexpectedness (意外性があること)
C: Concreteness (具体的であること)
C: Credibility (信頼性があること)
E: Emotional (感情に訴えること)
S: Stories (ストーリー性があること)

本書では、多くの具体例を用いて時間が経っても多くの人の記憶に残るアイディアの特徴を、この『SUCCESs』のチェックリストを用いて解説しています。

そしてこの6つのポイントはネタ作りをするうえで、大いに効果を出しているということも実証済みです。
誰でもすぐに実践できることも、この6つのポイントの良いところの1つです。

それでは本書で紹介されている事例を一つ挙げてみましょう。

1990年代後半に、大型ファーストフード店Subwayが、『ヘルシーなファーストフード店』というブランディングを目指し『7 under 6』(脂肪分6グラム以下)とい新商品を発売しました。

新商品情報を提供するだけでは満足の得られる結果に至らなかった同社は、一人の大学生に広告塔になってもらうことにより大きな成功を収めたのです。

その大学生とは、当時大学3年生だったジャレド・フォーグル。
このキャンペーンがきっかけで、現在のアメリカではかなり有名な人物です。

当時の彼の体重は190kgで、彼が着ていたTシャツのサイズはXXXXXXL!
言うまでもなく、彼は太りすぎです。

ジャレドは医師に「太りすぎで35歳まで生きられない可能性が高い」と診断されてしまい、これをきっかけにジャレドは痩せようと決心しました。
たまたま通りかかったSubwayのお店の壁に貼ってあった『7 under 6』のポスターを見て、独自のSubwayダイエットを実行しました。

ジャレドが名付けた『Subwayダイエット』とは、ランチに6インチのターキーサンドウィッチを、夕食にはフットロング(12インチ)のベジタブルサンドウィッチを食べ、適度に運動するというものでした。

1日1万カロリーを摂取していたジャレッドがファーストフード店のサンドウィッチを食べ続けるというダイエットを1年間続けたのです。

そして、ジャレドは190kgの体重を3ヶ月で150kgまで減らし、最終的には100kgまでの減量に成功しました。Subway社はジャレドを広告塔として起用し、ジャレドのエピソードを用いて『7 under 6キャンペーン』を行ったのです。

このジャレドのダイエット成功記は新聞や雑誌で紹介され、アメリカ中にSubwayダイエット旋風を巻き起こしました。Subwayのサンドウィッチは爆発的ヒットにつながったのです。

何より、このキャンペーンを通してSubway社が得たものは売上という利益だけではなく、世界で初めて『誰かの人生を豊かにするファーストフードチェーン店』という名声を得たことではないでしょうか。

では、なぜジャレドのエピソードが加わったことで『7 under 6キャンペーン』が人々の心に残り、サンドウィッチを食べてもらうことができたのでしょうか。
『SUCCESs』チェックリストにならって検証してみたいと思います。

S: Simplicity:Subwayのサンドウィッチを食べ、減量する
U: Unexpectedness:ファーストフードを食べることによって減量する
C: Concreteness:ジャレドの体重、服のサイズ、具体的なダイエットメニュー
C: Credibility:100kgの減量に成功した男からダイエットアドバイスをもらえる
E: Emotional:大衆ではなく、特定の個人の実話に焦点を当てた
S: Stories:ジャレドが偉業を達成したことによって、その他大勢に同じことを
  するよう奮起させた

そしてジャレドはこのエピソードのキーメッセージとなる「Eat Subway, lose weight, change your life」というメッセージを残しています。

Subway社が配信したジャレドのエピソードやメッセージが具体的でわかりやすく、面白く、説得力があり、そして「この人のようにダイエットを成功させたい!」と人々に思わせることで、多くの人がSubwayのサンドウィッチでダイエットを試みたのです。

ジャレドのエピソードなしに『7 under 6』のメニューを発売し、プロモーションをした場合、おそらく「low-fatサンドウィッチ新発売」という宣伝をしただけの話で、シンプルではありますが、誰の心にも残らず商品もあまり売れなかったでしょう。

世間の興味を惹き人々の共感を得て、PRを成功させることは容易ではありません。私もこの仕事をしている以上、PRさせていただいている商品やサービスが一時的なブームで終わることなく、永く人々の心に残るアイディアを作りだし、どこかで誰かに幸せになってもらいたいと強く思っています。

この『SUCCESs』チェックリストは、PRの仕事をするうえで大きなヒントになっています。
皆さんも、是非『SUCCESs』の6つのポイントを参考にしてみてください。
PRだけではなく、ビジネスの様々な場面で役に立つと思います。

参考書籍
『MADE TO STICK ~Why Some Ideas Survive and Others Die』
By Chip Heath & Dan Heath
2007年1月発売


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