こんにちは。「徹夜で本作っても売れねーじゃん!」と自分の努力不足は棚に上げて出版界を後にしたエイミーです。あれはかれこれ7年近く前……。

そんな私が、今ではクライアント様の半分が出版社さんか著者さんです。因果なものです。だからこそ、「何とかしたい!」という思いも人一倍持てるものです。

■出版業界、本当のところどうなの?


「本が売れない!」という話を、みなさん一度は耳にしたことがあると思います。実際どうなんでしょうか?
実際に業界はシュリンクしています。公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究の発表によると、「書籍」は1996年をピークに減少。一部のメガヒット本に業界全体が支えられている状態です。

2016年の紙の出版物の推定販売額は、前年比3.4%減の1兆4709億円で、なんと12年連続で前年実績を下回ったそうです。私が現役時代、「出版不況だ! 2兆円産業を割ってしまうかも!?」と大騒ぎしていたのに(2009年頃)、たった数年でずいぶん下がってしまいました。

■じゃあ、電子書籍はどうなの!? 出版不況を救わないの!?

みなさんの中にも、電子書籍を使っている方が多いと思います。実際、通勤電車の風景は、ここ数年で劇的に変わったと思いませんか? 私が新卒だった頃は、通勤電車の中で広げなれない新聞不器用に折りたたみながら、ちょっと大人になった気分を味わっていました。

しかし2017年の世の中は、都心の込み合った通勤電車で紙の新聞なぞ広げようものなら迷惑顔。タブレットや携帯で電子コンテンツを見る方が主流になっています。実際電子書籍の市場は伸びていて、2016年の電子書籍市場は前年比27.1%増の1909億円(公益社団法人 全国出版協会・出版科学研究調べ)。

しかし、紙の書籍の衰退を広げるにはまだまだといったところです。電子書籍のユーザーが都心のビジネスパーソンや若年層中心ということと、紙の本に比べて価格が低いことなどが、金額的に伸びない理由かと思います。

■それでも本を売りたいなら、どうする?

弊社はPR業界の中で、おそらく最も書籍の企画・PRを多く行ってきた会社だと思います。そんな弊社には、今でもたくさんの出版社や著者さんからPRのご相談や企画のご相談をいただきます。

出版業界がシュリンクしてはいますが、書籍というコンテンツが持つ力や憧れは絶大です。「オレ、本書いたことあるんだぜ!」と言われたら、居酒屋で管を巻いていた酔っ払いすら大先生に見えてきます。
いろいろな書籍を見ていると、やっぱりやり方によって、今でも十分本は売れると思います。特に思うのは、企画の時点から本の良し悪しだけでなく、「この本は世の中で話題になるか」が考えられているかです。

少し前だとキングコング・西野亮廣さんが「えんとつ町のプペル」を発表し、2016年10月に出版後、絵本としては異例の28万部(2017年4月時点)を記録しています。著名人の本というのもありますし、クオリティの高さもありますが、西野さんが仕掛けた「炎上マーケティング」は話題になりました。
また最近では、ある漢字ドリルがものすごい勢いで売れていますが、あれも差別化がしにくい「漢字ドリル」という分野において、子供が好きなあるワードに徹底してこだわった結果、子供は喜ぶし、大人はぎょっとして書店で目を止めるし、メディアは面白がって取り上げるしで、ものすごい話題になりました。

冒頭に、「一部のメガヒット本に業界全体が支えられている状態」と書きましたが、一度火が付くとものすごく売れるのが今の時代です。それは、口コミが圧倒的にチカラを持つようになったからだと思います。

本の良し悪しは大前提ですが、それ以上に「ねー、あれ見た!? めっちゃウケない~?」と、思わず人に伝えたくなる内容が最初から戦略的に考えられているか、この辺りを意識しながら本を作ると、不況をものともしないヒット本が生まれるのかもしれません。

【ニックネーム】 エイミー
【これまで担当した業界】 医療・IT・建設・出版・コンサルティング業界、他多数
【趣味】 国内外問わず、旅。将来の夢は「稼げる旅人」!
【プチ自慢】 クライアント愛は、たぶん誰にも負けません。