最近さまざまなメディアで話題になっている『介護脱毛』や『キッズ脱毛』についてご存知でしょうか?「脱毛」といえば20代女性のイメージがありますが、実はいま小学生や中高年など、これまでと異なる新たな層が医療機関やエステサロンで脱毛をしているといいます。なぜいま幅広い層に脱毛広がっているのでしょうか?脱毛業界の最新事情について調べてみました。

中高年の希望者が急増「介護脱毛」

介護脱毛

介護脱毛とは

皆さんは『介護脱毛』というワードからどんな事柄をイメージするでしょうか?「入浴やトイレなど介護が必要になったご老人が介護の手間を少なくするために脱毛をする…」と思った方、そうではありません。実は将来自分が介護を受ける時に備え、事前にアンダーヘアやワキの永久脱毛を済ませる中高年女性が増えているそうなんです。

30~40代女性の6割以上が『介護脱毛』を希望

全国19か所に展開する大手の医療脱毛専門院「リゼクリニック」(新宿区)が30~40代の男女220人にアンケートを取ったところ、6割以上の女性が「介護脱毛をしたい」と回答。また「両親の介護の際に妨げになりそうなことは?」との質問に6割以上の男女が「局部のムダ毛」と回答し、最多となりました。

■【全国の30~40代男女に聞く】「介護とムダ毛」に関する市場調査
Q.将来の介護に備え「介護脱毛」をしておきたいと思いますか?
<女性>
「必ずしたい/脱毛済み」(11.8%)
「できればしたい」(51.8%)
「いいえ」(36.4%)

<男性>
「必ずしたい/脱毛済み」(5.5%)
「できればしたい」(29.1%)
「いいえ」(65.5%)

Q.将来、両親の介護の際に「スムーズな介護の妨げになりそうなこと」は何ですか?
①「局部のムダ毛」(62.7%)
②「増えすぎた体重」(30.5%)
③「入浴時や清拭時の体毛」(27.7%)
④「伸びすぎた爪」(21.8%)
⑤「ボサボサな髪の毛」(17.7%)

Q.脱毛していたら「介護が楽になる」と感じる部位はどこですか?
①「肛門部位」(72.3%)
②「Iライン」(29.5%)
③「ビキニライン」(22.3%)
④「ワキ」(15.9%)
⑤「胸・背中」(9.5%)
⑥「足・太もも」(6.4%)

(2017年8月17日付 リゼクリニック調べ)

介護の不安「経済的な不安」を上回り、「排泄の介助」が1位に!

リゼクリニックのアンケート調査によると自身が介護をする際に、一番不安に感じること最多に「排泄の介助」、時点の「経済的な負担」を上回る結果に。

■【全国の30~50代男女に聞く】老後と介護(介護脱毛)に関するアンケート調査
Q.自身が介護をする際、何が一番不安に感じますか?
①「排泄の介助」(63.0%)
②「経済的な負担」(57.5%)
③「入浴の介助や清拭」(43.7%)
④「自由な時間がとられること」(42.2%)
⑤「食事の介助」(33.1%)
⑥「コミュニケーション」(31.0%)
⑥「仕事との両立」(31.0%)

(2018年8月7日付 リゼクリニック調べ)

介護の不安に関するグラフ

脱毛クリニックでは中高年の利用者が10.49倍に

リゼクリニックでは2010年の開院時と比べ、45歳以上の利用者が7年間で10.49倍に伸びており、中高年層の脱毛需要が年々高まっていることがわかっています。
脱毛に関するグラフ

脱毛できるのは毛が黒いうちだけ

永久脱毛の施術に使用されるレーザーは毛母細胞の黒い色素に反応するため、白い毛には反応せず毛が残ってしまいます。そのため脱毛は40~50代のうちに受ける方が適しているそうです。

「介護脱毛」が増えている背景は?

今なぜ中高年層の利用者が増えているのでしょうか?
リゼクリニック東京新宿院の大地まさ代院長にお話を伺いました。

リゼクリニック東京新宿院の大地まさ代院長「実際に親の介護を体験した方が、おむつ交換の時などに手間がかかった経験があり、自分が介護を受ける時には迷惑をかけたくない、と思っている方が多いようです。またお嫁さんや若い介護士の方に汚いと思われたくないと考える方も少なくありません。近年、脱毛が身近になったことや子育てが終わり、自分にお金をかけられるようになったことも中高年の利用者が増えている理由に挙げられると思います」

2012年に「美魔女」がブームになりましたが、近年の中高年女性の「美」に対する意識の高まりや実際に自分が介護を行った経験が「介護脱毛」の急増につながっているようですね。

オシャレの低年齢化!「キッズ脱毛」

キッズ脱毛

小学校低学年や未就学児の「キッズ脱毛」

最近テレビやネットでも話題になっているのが、小学校低学年や未就学児の「キッズ脱毛」です。今の子どもたちはオシャレへの意識が高く、周りと比べて体毛が濃いことに悩んでいたり、体毛が濃いと学校でいじめらるケースも少なくないようです。

親世代の意識の変化が増加の原因に

今の小学生の親世代は自分も若い頃に脱毛機関に通った経験があったり、脱毛に慣れ親しんでいる世代です。そのため自分の子どもに脱毛を受けさせることに抵抗が少ないようです。また脱毛機関が増えたことで以前に比べ料金が低くなっていることも要因の一つと考えられます。

子どもの体への影響は?

「キッズ脱毛」で気になるのが体への影響ですが、脱毛の光・レーザーは皮膚のごく浅い部分までしか届かず、子どもの成長や発育に影響はないそうです。ただし、そもそも脱毛は光やレーザーの熱によって細胞にダメージを与えることで効果が得られるため、年齢に関わらずある程度皮膚にダメージを受けることになり、施術後赤くなるケースもあるようです。

キッズ脱毛の必要性は賛否分かれると思いますが、実際に悩んでいる子どもたちにとっては深刻な問題ですし、脱毛させてあげたい親心もよくわかります。コンプレックスを親のお金で解決して良いのかという意見もありますが、少しでも前向きになれるのであれば「キッズ脱毛」の選択肢もアリなのではないでしょうか。

デキる男の象徴!?「メンズ脱毛」

メンズ脱毛
もともと経営者や営業マンなど特定の層に需要があった男性の脱毛ですが、最近は「ジェンダーレス男子」や「ハイジ男子」という言葉が流行るなど、美意識の高い若い男性利用者も増えているそうです。

20~30代男性の約9割が「ムダ毛のない男性に憧れる」と回答

男性向け医療脱毛専門院「メンズリゼクリニック」(新宿区)が20~30代の男性220人にアンケートを取ったところ、約9割の男性が「毛深い男性よりムダ毛がない男性」に憧れると回答。また約4割の方が「専門機関で脱毛をやってみたい」と回答しました。

■【20~30代男性】9割「ムダ毛がない同性に憧れ」を持ち、4割「同性のムダ毛が気になる」と回答
Q.自分だったらどちらの男性に憧れますか?
「ムダ毛がない男性」(88.6%)
「毛深い男性」(11.4%)

Q.専門機関での「脱毛」をやってみたいですか?
「はい」(33.7%)
「いいえ」(62.3%)

Q.脱毛したいと思った理由は何ですか?
①「毎日の手入れが面倒、邪魔、日々の利便性を考えて」(66.3%)
②「衛生的でいたい、清潔感を求めて」(59.0%)
③「身だしなみとして」(42.2%)
④「異性の目を意識して」(27.7%)
「毛深いと恥ずかしい、格好悪いと思うから」(27.7%)

(2017年3月13日付 メンズリゼクリニック調べ)

またメンズリゼクリニックの別のアンケートでは、20~30代男女440人のうち約半数が「デキるオトコにヒゲは不要」と回答しています。

■【20~30代男女】9割以上「デキるオトコに無精ヒゲは不要」
Q.ヒゲについて「デキるオトコ」にふさわしいのは?
①「デキるオトコにヒゲは不要」(48.0%)
②「形・長さともに整えられたヒゲ」(28.0%)
③「形を整えたヒゲ」(11.8%)
④「無精ヒゲ」(6.4%)
⑤「長さを整えたヒゲ」(5.9%)

Q.「デキるオトコ」と聞いて思い浮かぶことは?
①「清潔感がある」(62.7%)
②「気遣いができる」(60,2%)
③「マナーがいい」(55.0%)
④「モラルがある」(45.0%)
⑤「レディーファースト」(40.0%)
⑥「年収が高い」(33.6%)
⑦「話し方が論理的」(25.7%)
⑧「友達が多く慕われている」(23.6%)

(2017年11月21日付 メンズリゼクリニック調べ)

男性には「デザイン脱毛」が人気

男性の場合は女性の脱毛と異なり、完全に毛を無くすのではなく、毛量を薄くしたり必要な部分を残して整える「デザイン脱毛」が主流のようです。

男性の「デザイン脱毛」
眉  : 眉毛の上のムダ毛を整えてシャープに見せる
顔  : 頬のムダ毛を脱毛し、肌をきれいに見せる
ヒゲ : 不要な部分のムダ毛を整えて清潔感を出す
脚・腕: 完全に脱毛する場合は複数回施術を受ける必要があるが、施術回数を減らす
ことで毛量を少なくする
<ヒゲのデザイン脱毛>
ヒゲのデザイン脱毛
施術前         施術後

「医療脱毛」と「エステ脱毛」の違い


脱毛施術を受けられる専門機関には「医療機関(=医療脱毛)」と「エステサロン(=エステ脱毛)」があり、それぞれ特徴が異なります。

【医療脱毛の特徴】
・照射パワーが強いレーザー脱毛機の使用が認められており、効率よく脱毛効果を得ることができる
・脱毛完了までに必要な施術回数が少ない(医療脱毛…約5回、エステ脱毛…約18回)
・医師が常駐しているため、しっかりしたカウンセリングが受けられ、万が一肌トラブルがあった場合でも迅速に診断・治療を受けることができる
【エステ脱毛の特徴】
・脱毛効果が高いレーザー脱毛機は使用できないが、痛みや肌へのダメージが少ない
・初回割引や格安キャンペーンなどを実施していることが多く、初期費用が抑えられる

6割の女性が「医療脱毛」を希望

リゼクリニックが全国13大学の「ミス・コンテスト」ファイナリスト69名に「脱毛するなら(したのは)どちらの施設か」アンケートを取ったところ、6割以上が「医療脱毛」と回答しており、高い脱毛効果や医師が常駐している安心感を求める方が多いようです。

■全国13大学「ミス・キャンパスコンテスト」ファイナリスト69名に聞く
Q.脱毛するなら(したのは)どちらの施設ですか?
①「医療レーザー脱毛」(60.3%)
②「エステ脱毛」(39.7%)

(2017年8月31日付 リゼクリニック調べ)

今回は「介護脱毛」「キッズ脱毛」「メンズ脱毛」と3つの最新脱毛トレンドをご紹介しました。脱毛する理由は様々ですが、脱毛が幅広い層に広がり、より身近なものになってきていることは確かなようです。