ここ数年、有名人が続々と脱毛サロンをオープンさせています。また、家庭用脱毛器もヒットするなど、脱毛業界のトレンドは目まぐるしく変化しており、世はまさに脱毛戦国時代を迎えております。

選択肢が増えた今だからこそ、しっかりと考えて自分に相応しい脱毛方法を選ぶことが必要です。しかし、「とりあえず脱毛をやってみよう!」と何も調べないまま脱毛サロンに足を運び、注意事項もしっかり読まずに始めた結果、「脱毛が終わらない」「お金と時間だけがかかる」と嘆く人がいます。脱毛に関する情報など、探せばすぐに検索できる時代。しかし、自分で調べようとしない、もしくはネットを活用できない、いわば“情報弱者”たちは煌びやかな広告文句につられて、失敗してしまうのです。

コミュニケーションデザイン総合研究所(以下 コミデザ総研)の調査では、脱毛を効果より安さで選ぶ人が多いという結果が出ました。しかし、本当にそれで良いのでしょうか?今回は医療脱毛とエステ脱毛の違いや、事前に知りたい3つのポイントなどから、自分に合った脱毛を選ぶ方法をご紹介します。

脱毛クリニック・サロンを選ぶ基準、“効果”よりも“安さ”で選ぶ人が多数

脱毛クリニック・サロンを選ぶ基準

脱毛クリニック・サロンを選ぶ基準

脱毛クリニック・サロンを選ぶ基準を調査したところ、 「施術の効果」 を上回り、「料金の安さ」がトップとなりました。
また、男女で比較したところ、女性はより「施術の効果」を求め、男性は「安全性」を気にしていることが明らかとなりました。

脱毛クリニック・サロンを選ぶ基準

脱毛クリニック・サロンを選ぶ基準

世間の7割が知らない医療脱毛とエステ脱毛の違い

医療脱毛とエステ脱毛の比較医療脱毛とエステ脱毛の比較

医療脱毛とエステ脱毛の比較

自己処理以外の脱毛方法には大きく分けて、医療脱毛・エステ脱毛の2種類があります。その違いをしっかり把握すれば、自分に適した脱毛方法が見えてきます。しかし、「理解している」人は30.5%にとどまり、 「理解していない」人が41.3%でした。
また「考えたこともない」人が28.2%もおり、全体で7割近くの人が医療脱毛とエステ脱毛の違いを理解しないまま施術を受けているといえます。

脱毛を始める前に知っておきたい3つのポイント

① 永久脱毛は「永久に毛が生えてこない」という意味ではない!・・・「知らなかった」 が50.5%

今回の調査では、全体の半数以上が知らないという結果に。特に男性は6割近くが「知らなかった」と回答しました。
「永久脱毛」とは、永久に毛が生えてこないという意味ではありません。施術を行っても毛が生えてくる可能性はあります。

アメリカ食品医薬品局(FDA)によると、永久脱毛の定義は、『一定の脱毛施術を行った後に再発毛する本数が、長期間において減少し、その状態が長期間に渡って維持されること』とされており、その定義に当てはまるものは「医療レーザー脱毛」と「針脱毛」のみ。一方、エステサロンで行える「光脱毛」は毛根にダメージを与えることしかできず、毛根細胞を破壊することができません。そのため、ダメージを受けた毛根は一時的に毛が生えてこなくなるだけで、しばらくするとまた必ず生えてきます。

② 脱毛は1回では終わらない!・・・「1回だと思っていた」 19.1%

こちらは知っている人が多いという結果でしたが、いまだに女性で1割強、男性で3割弱が1回の脱毛で終わると思っていました。

まず、脱毛が1回の施術で完了することはありません。体毛には毛周期と呼ばれるサイクルがあり、一定の周期で常に生え変わっています。レーザー脱毛は成長期の脱毛にしか効果がなく、1回目のレーザー脱毛を受けたあと、退行期・休止期が過ぎるのを待ち、成長期になってから施術を受ける必要があります。毛周期は人それぞれですが、医療脱毛では最低2ヶ月程度の照射間隔を設け、最低5回程度の施術を行うクリニックが多いようです。産毛まで完璧にツルツルにしたいということならば、さらに回数・期間をかけることとなります。

③ 脱毛する理由は「美容」だけではない!・・・「介護脱毛」 認知度 11.4%/「アスリート脱毛」 10.0%

脱毛する人のほとんどが、「キレイになりたい」「ツルツルになりたい」と思っていますが、それ以外の理由で脱毛を行う人もいます。最近では介護に備えてVIOの毛を処理する「介護脱毛」や、アスリートがパフォーマンスを上げるために行う「アスリート脱毛」など、従来とは異なる理由で脱毛を始める人も増えています。

「情弱」が騙されるズルい手口

1.パッと見安いサロンに騙される!

「3ヶ月無料」や「100円で脱毛し放題」といった脱毛サロンの激安キャンペーンは多くあります。しかし、価格重視の感覚だけで選んでしまうと、パッと見だけが安いサロンの落とし穴にはまってしまいます。

まず、安いサロンは一回の来店で処理してくれるのが、体のほんの一部分。「全身脱毛」とうたっているにもかかわらず、全身を一回り処理するだけでも1年近くかかってしまいます。いつまでも脱毛が終わらないので解約したり、別の脱毛クリニック・サロンに乗り換えることもしばしば。時間もお金も無駄になってしまうケースが多くあります。また、少ない回数や短い期間で区切られているサービスをよく目にしますが、全身脱毛はすぐに終わるものではありません。勧められる回数で必ずしもツルツルになれるというわけではないので、注意が必要です。

2.派手な広告表現に騙される!

すべての広告には「景品表示法」が適用されており、使用できる表現は限られています。脱毛業界も同様で、実際よりも優れているように示したり、競合サービスよりも優れているように見せる表現は禁止されています。
特に「業界No.1」「満足度100%」などの数字には必ず裏付けが必須。アンケート結果や調査データなどを併せて表示する必要があります。また、「最新」「業界初」「効果バツグン」「最安値」「唯一」などの表現も要注意。客観的根拠が含まれているか、小さく書かれた注意事項までしっかり確認することをおすすめします。

3.エステティシャンの白衣に騙される!

医療脱毛とエステ脱毛の大きな違いの一つに、脱毛資格の有無があります。脱毛クリニックでは照射パワーの強いレーザーで毛根細胞を破壊する施術を、医師や看護師といった「有資格者」が行っています。一方、エステサロンでは「無資格」のエステティシャンが施術を行っています。強い照射パワーでの施術は行えないため、痛みは軽減されますが、脱毛効果はその分薄まります。
エステサロンに医師はいません。それにもかかわらず、施術者が白衣をまとうエステサロンがあります。もちろんそこで行われているのは細胞を破壊する脱毛施術ではなく、毛の成長を一時的に減毛する制毛処理サービスです。

脱「情弱」で正しい脱毛選びを

知識があれば、自分にあった脱毛方法を選べるはず。華やかな広告やCMだけで脱毛機関を選ぶのではなく、しっかりと自分で調べた上で脱毛を始めましょう。

<正しい脱毛選びのポイント>
・基準を決めて、医療脱毛かエステ脱毛かを選択する。
・脱毛の正しい知識を得て、きちんと理解したうえで脱毛を始める。