プレスリリースをしっかり配信しているのに、継続的にメディアに取り上げられる企業と、そうでない企業に分かれてしまう。そんな歯がゆい状況を感じたことはありませんか?同じように情報を発信しているはずなのに、なぜそんな差が生まれるのでしょうか。実はその背景には、「コンテンツの出来栄え」だけでは説明しきれない要因が隠れているのです。
情報発信のハードルがグッと下がり、一定水準の内容なら誰でも発信できるようになったいま、広報間の差はまったく別のところで生まれています。今回は、その本質である「メディアとの関係づくり」にスポットを当て、広報実務のリアルな視点からお伝えします。
この記事の目次
メディアに取り上げられる企業とそうでない企業は、どこで差がつくのか
最近は、プレスリリースの作成や配信のハードルが随分と下がりました。AIの活用により、決まった構成や表現を使えば、短時間でキレイな情報を発信できる環境が整っているので、「それなりに良い情報」を届けること自体は難しくありません。その一方で、メディアへの掲載結果を見てみると、企業ごとの差はくっきりと現れています。
同じようにリリースを出しているのに、何度も取り上げられる企業と、ほとんど反応がない企業。この違いは一体どこから来るのでしょうか。
現場の実感として言えるのは、メディア側が見ているポイントは「情報の内容」だけではない、ということ。もちろん、情報の目新しさや社会への影響などは前提として必須です。しかしそれと同時に、「どの企業から届いた情報か」「これまでどんなやり取りをしてきたか」といった“今までの背景やストーリー”が、掲載するかどうかの判断に大きく影響しています。
世の中に情報があふれ返っている今、記者やディレクターが一つひとつの情報をじっくり確認する時間は限られています。そんな状況の中では、過去にやり取りがあって、ある程度の信頼関係ができている企業や広報担当者からの情報は、「確認の手間が省ける」「期待している内容が来そう」といった理由から、優先的に目を通してもらいやすくなります。
つまり、メディア露出の差は単なるコンテンツの差ではなく、「関係性があるかどうか、そしてその質」によって生まれているとも言えます。
掲載される企業は何をしているのか。メディアを理解した情報設計
では、継続的にメディアに取り上げられる企業は、具体的にどのような工夫をしているのでしょうか。共通しているのは、「情報を発信する前の準備」にしっかりと時間をかけているという点です。ただ単にリリースを書くのではなく、メディアごとに「どうすれば情報が届くか」を細かく設計しているのです。
大切にしているのが、媒体ごとの編集方針や読者層を深く理解すること。同じテーマでも、ビジネス系のメディアと業界専門のメディア、あるいは一般向けのメディアでは求められる切り口が大きく変わります。掲載を勝ち取っている企業は、過去の記事をしっかり読み込み、「この媒体はどんな文脈で情報を扱っているのか」という点を把握した上で、企画を練り上げています。
さらに一歩踏み込んで、記者やディレクター個人の関心領域までリサーチすることもあります。たとえば、同じ媒体でも、担当者によって得意なテーマや問題意識は違います。よって、「媒体宛てに送る」という感覚ではなく、「この担当者にとって価値のある情報になっているか」という視点で内容を細かく調整する手間と準備がうまくいくポイントなのです。
実際に、同じ企業の同じ取り組みでも、切り口を変えることで複数の媒体に掲載されるケースは珍しくありません。弊社のクライアントでも、ある媒体では「市場トレンドの最新事例」として、別の媒体では「経営戦略のユニークな一環」として取り上げられるケースも多くあります。情報の見せ方ひとつでメディアからの反応は大きく変わるのです。
大事なのは、「ただ良い情報を出す」ことではなく、「その媒体にとって意味のある形にわかりやすく翻訳する」こと。このひと手間をかけて初めて、情報は“掲載されるかもしれない状態”にステップアップするのです。
関係づくりはどう進むのか。メディアリレーションの実際について
メディアとの関係づくりは、「一度名刺交換してつながればそれで終わり」というものではありません。むしろ大切なのは、最初の出会いをきっかけにして、どうやって関係を続け、信頼をコツコツと積み上げていくか、というプロセスそのものです。
最初の接点についてですが、多くの企業が「リリースを送ること=接点」と考えがちです。しかし実際は、それだけで関係がスタートすることは、ほぼありません。記者やディレクターのもとには毎日多くの情報が届いており、その中に埋もれてしまうのが現実です。
だからこそ、メディアに選ばれる広報担当者の多くは、接点の“作り方”から工夫を凝らしています。
たとえば、イベントやセミナーの現場で直接ご挨拶したり、新商品説明会やメディア向け勉強会を開催したり、すでに繋がりがある方から紹介してもらう。また、過去の記事に対して「とても参考になりました」と具体的なコメントを添えてアプローチするなど、「相手の文脈にスッと入り込む接点」を作っているケースが見られます。
さらに重要なのが接点を持ったあとのフォローです。一度やり取りをしただけで関係が定着することはありません。もし掲載につながらなかった場合でも「ご検討ありがとうございました」とお礼を伝え、関連しそうな新しい情報があれば「こんな情報もありますよ」と追加で情報提供する。こうした小さなコミュニケーションの積み重ねが、信頼関係の土台になっていきます。
実際に、アプローチしてすぐに掲載が決まるケースはまれです。むしろ、地道に情報提供を続けた結果、「あ、このテーマならあの企業の人に聞いてみよう」と思い出してもらえ、そこから取材につながるケースが多いのです。関係づくりというのは、何か特別な魔法のテクニックではなく、丁寧な接点を作り、コツコツと信頼を積み上げていく地道な活動そのものなのです。
なぜ関係づくりが続かないのか、、、多くの企業がつまずく理由
関係づくりの大切さはわかっていても、それを継続できている企業はそこまで多くありません。理由としては、成果が出るまでにどうしても時間がかかってしまうことや、特定の担当者や社員に頼りがちになってしまうこと、ノウハウが社内にうまく蓄積されにくいことにあります。
その結果、メディアとの関係づくりは「大事だとわかっているけど、日々の業務に追われて後回しになってしまう施策」になりがちです。しかし本来は、広報活動のしっかりとした地盤として、継続して取り組むべきものです。 だからこそ、個人の能力に頼るのではなく、チームの「仕組み」としてしっかり設計し、無理なく続けられる体制を整えることが大事になります。
メディア露出の差は、情報の質だけではなく、日々の「関係づくり」によって大きく変わります。継続的な関係構築こそが、広報の成果を左右する一番の鍵です。“メディアに選ばれる広報”へとシフトするよう社内の取り組みを変えること、それが確かな成果につながる分かれ道になります。
【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、
医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
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