こんにちは。
さて、東京では早くも桜が開花してしまいました。
なんとなく地球温暖化の進行を心配してしまう今日この頃です。
地球温暖化といえば、温室効果ガス(地球温暖化の原因となる二酸化炭素などのガス)削減に着目した新しい製品・サービスの発表も相次いでいます。
その中で、マスコミでよく取り上げられているものがあります。
それは「カーボンオフセット」を取り入れた商品・サービスです。
カーボンオフセットを取り入れた商品・サービスは、それだけでニュースとなる傾向があります。
ということで、PR担当者としては注目すべきテーマです。
この記事の目次
カーボンオフセット(carbon offset)とは
そもそも「カーボンオフセット」(carbon offset)をご存じですか?
ご存じでない方のために簡単に説明しますと、それは、商品・サービスの生産過程で発生する温室効果ガスの発生をプラスマイナスゼロにする仕組みのことです。
具体的には、購買者が商品・サービスの価格に上乗せして、一定額のお金を支払います。企業はそのお金を、温室効果ガス削減の効果がある植林・森林保護や風力・太陽光発電設備の設置に投入します。
発生したのと同じ量のガスを削減することで、理論上は温室効果ガスの発生をゼロにしたことになります。カーボンオフセットは海外では数年前から導入され、定着しています。
そして日本でも、最近になったようやくカーボンオフセットが脚光を浴びるようになってきました。
カーボンオフセットを取り入れた商品・サービス
カーボンオフセットを取り入れた商品・サービスは次のような商品が発表されています。
◎カーボンオフセットの火点け役となったカーボンオフセット年賀状の発売。
◎エイベックス・マーケティングがカーボンオフセットCDを発売。
◎企業向けにカーボンオフセットを用いた商品として、三菱商事グループは営業用車両を、ダイキン工業はエアコンを販売。
このように、今後もカーボンオフセットを取り入れる企業は増えることでしょう。
カーボンオフセットのPR戦略上の課題
ただし、カーボンオフセットにもPR戦略上の課題があります。
それは何でしょうか・・・。
それは「信頼性」です。
イギリスでは、カーボンオフセットのお金を徴収して植林したものの、手入れが不十分なため枯れてしまい、温室効果ガス削減にならなかった、という事例があり、問題となったそうです。
カーボンオフセットは目に見えにくい仕組みです。
それだけに、徴収したお金をどのような活動に使い、どれだけ温室効果ガスを削減したのか。
この部分で消費者の信頼を得ることが課題となります。
それでは、その信頼はどのような方法によって獲得できるのでしょうか?
これまで信頼を得るために行われた方法について事例を二つ紹介します。
カーボンオフセットの信頼を得るために行われた方法の事例
1.第三者機関の認証によって信頼性を得る
JTBグランドツアー&サービスは、個人向け海外パッケージツアーとして、カーボンオフセット旅行を3月7日に発売しました。ユニークな点は、ツアーの参加者一人ひとりに、「自然エネルギー.コム」が発行する“グリーン電力証書”を渡すことです。
第三者機関の認証を得たものを、証書という「形」として消費者に渡すことで、信頼性と満足感を与えている事例です。
2.実績を説明して透明性を確保する
西友ではカーボンオフセット付きエコバッグ「ハチドリくん」を販売しており、2007年は合計227,599枚が販売され、利益分1,137,955円を日本政府の二酸化炭素排出権への寄付、環境NGOへの寄付、環境図書の寄贈に利用したそうです。
まとめ
カーボンオフセットの実績を分かりやすく報告した事例です。
ただ、今回調べた範囲では、カーボンオフセットの実績を「目に見える形」で報告している優れた事例は見つかりませんでした。
例えば植林について、植林本数と、削減される温室効果ガス量の試算、さらに植林されて緑が増えた土地の写真を示せば、消費者の納得感は増すのではないでしょうか。
このような説明の工夫にはまだ余地があるように思います。
目に見えにくいサービスの価値を伝えることは容易ではありません。
そのようなサービスの場合、「目に見えない価値をどう伝えるか」に知恵を絞る必要があります。
あなたなら、カーボンオフセットを用いた商品・サービスをプロモートするなら、どんなコミュニケーションによって消費者から信頼を獲得しますか?
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