こんにちは。
少し前の話ですが、去年の年末・年始に帰省した際に
おみくじを引きに、地元の神社にいきました。
私が子供の時から参拝している神社であり、
毎年行くのですが、心が癒される気がします。
みなさんも、幼少期に頻繁に訪れ、
良い思い出として残っている場所(良く遊びに行った商店街など)を
大人なってからも訪れたり、そこで何かを買ったりすることがあるかと思います。
過去に好意を抱いた商品・サービスは、いくら時が経っても
忘れない(好意を抱き続ける)場合が多いのかもしれません。
今回はこの話に関連した、PR施策の事例を紹介します。
その事例とは、妊婦を活用した「胎児へのPR」です。
そのPR手法について、マクドナルド、P&Gなど
世界的な企業のマーケティング活動を支援し、
タイム誌の「世界で最も影響力がある100人」にも選ばれた、
マーティン・リンストローム氏の
書籍「なぜ、それを買わずにはいられないのか」(文藝春秋)
で紹介されております。
同書籍では、母親の妊婦時の体験や行動が
「生まれた子供の消費・購買活動に大きな影響を与える」との
大学・研究機関の実験結果を複数紹介。
その結果を利用した、「胎児へのPR」について解説しております。
(長くなってしまうので、今回は1例のみを下記)
アジア地域に存在する、某大手ショッピングセンターでは、
妊婦の購買意欲の増進を目的に、様々なPR活動を展開。
そのPR活動とは、ショッピングセンター内に
妊婦の子供時代に流行った、ベビーパウダーの散布や楽曲を流すことなど。
(広告出稿・センター内でのPRイベントも実施したと考えられます)
細かい話は割愛しますが、この施策の実施から1年後、
当時妊婦で子供を出産した女性客から、
「泣き止まない赤ちゃんが、(前述の)
ショッピングセンターに入った途端におとなしくなった」
という手紙が大勢届いたというのです。
さらに、手紙を寄せた女性の6割は、
同センターと同じような環境(いい香り・いい音楽)を
提供している施設では、そんなことは起きないとのことでした。
書籍では、センター内で受けた、母親の好意的な体験が胎児に伝わり、
「その影響で胎児の気持ちが和らぎ、泣き止んだ可能性がある」
という同センターの経営陣や大学・研究機関の見解を紹介。
その赤ちゃんが成長し、最終的に「お客」となったと解説しています。
その他、世界に名だたる食品メーカーや化粧品メーカーの
同様の事例を紹介しております。
正直なところ、一般的な企業で、胎児向けにPRを実施することは、
費用・手間などを勘案すると難しそうです。
ただ、世界的な企業が、将来の見込み客の獲得を目的に、
胎児にまでPRを実施している事実については、
考慮しておいた方がよいと思います。
みなさんは、幼少期から使い続けている、
または好意を抱き続けている商品やブランドがあったりしませんか?
私自身でパッと思い当たるものとしては、シャンプーと
幼少期から始めたバスケットボールで使用する靴は、
今も同じメーカー・ブランドのものを使用しています。
もちろん、そのメーカー・ブランドが
胎児へのPR施策を実施していたかどうかはわかりませんし、
仮に実施していたとしても、
それが「今も同じものを使っている理由」に
なっているとは言い切れません。
ただ、前出のリンストローム氏や、
大学・研究機関の見解を考慮するならば、
胎児または幼少期の体験が、
現在の私たちの商品・サービスを選定する際に、
少なからず影響を与えていると考えてもよさそうです。
「胎児」とは言わないまでも、「将来的に顧客となりうる人たち」への
PR活動を考えてみるのも、良いかと思われます。