PRマンが興味を寄せる、アイドルなどのファン大多数が行う”あの行動”

アイドルの現場や、アーティストのライブに行くと、「これってPRでは」と思う瞬間にいくつか出会います。

そのうちの一つとして、ファンの大多数が行う「グッズを身につける」という行動があります。
グッズを身につけるということは、私はこのアイドルの、アーティストの、もしくはグループ（以後、「グループ」とまとめます）のファンです、と自己表現していることに他ならないかと思います。

ではその表現は、周りにどのような影響を及ぼしうるのでしょうか。こちらについて考えてみました。

① 影響その1：グループの知名度を上げる

これは想像しやすいかもしれません。
グループのグッズを身につけて街なかを闊歩していれば、すれ違う人の目にはそのグッズが映ります。

もしもグッズにグループの名前が入っていれば、「こういった名前のグループがあるんだ」と、知る人が増えることになります。そこから、実際にそのグループについて調べる、という作業に移る人もいるかもしれません。

したがって、「グループ名の入ったグッズを多く売り出す」というのは、まだ名が世の中に知れ渡ってはいないが、熱狂的なファンがついているようなグループにとっては非常に効果的ではないでしょうか。

② 影響その2：自分はそのグループのファンであるという認識を固定する

グループのグッズを身に着けることによって、「自分はこのグループのファンである」ことを無意識に再認識しているようにも思います。
「このグループのファンではないな」という思いがどこか心の中にあれば、そのグループのグッズを進んで身に着けることはしないでしょう。

また、ライブなどにて同じグループのグッズを身に着けた人たちと一緒になることによって、「一体感」を生みます。この一体感が心地よさを生み、さらにそのグループのファンで居続けようと思うこともあるのではないでしょうか。

③ 影響その3：グループの信頼度を上げる

例えば、あなたがフェスに行ったとしましょう。そこでは、多くのグループがステージにあがることになっており、その各々のグループにはファンがいます。さて、フェスの会場に着いたあなたは、どのようにして「どのグループが人気があるか」を知るでしょうか？

これは経験があれば、非常に簡単な質問かもしれません。
「会場に着いたときにどれだけそのグループのグッズを身に着けている人を見かけるか」で、判断する人は多いでしょう。

Aというグループのグッズを身に着けている人が大勢いるのであれば、「Aというグループは多くの人に愛されているんだな」と認識することとなります。
これにより、Aに対する信頼度は上がり、もしかしたら、時間が空いたあなたはふらっとAがライブするステージに足を運ぶかもしれません。

もし、Bというグループがフェスに出ているにもかかわらず、フェスでまったくグッズを身に着けている人を見かけなかったら、どう感じるでしょうか？
「ファンはそこまで多くないのかもしれない」と感じるでしょう。
このように、グッズを身に着ける人が多いことは、そのグループの信頼度を上げることにも繋がるのです。

また、いろいろな人が「惹かれるグッズを作る」ことは「グッズを買ってもらえる」ことに繋がり、さらに「グッズを身に着けてもらう」ことにも繋がり、最終的にステージへの動員を生むことになり得ます。
したがって、グッズ販売でさまざまなラインナップを揃えることは、新規ファンの獲得をも可能にするのではないでしょうか。

④ PRとの関係性は？

例えば、とあるグループがCMで「新曲のCD発売！」と視聴者に伝えたとします。しかし、そのグループへの信頼が無ければ、「よし、聞こう」とはならないのではないでしょうか？

もしCMを見た人が、過去にフェス、もしくは街なかでそのグループのグッズを身に着けている人を見かける機会が多かったとします。すると、「このグループ、多くの人に認知されているグループだよな…よし、聞いてみるか」となるかもしれません。

これこそ上述の『影響3：グループの信頼度を上げる』が、まさに効果を持った瞬間です。（ただ、影響3は、多くのファンがグッズを身に着けてこそ大きな効果を発揮するものですので、影響1、影響2も無視できません。）

つまり、ものを売り出したい時、その名前ばかりをガンガンと打ち出していてはあまり効果が無く、そのものに対する信頼があってこそ、人はそれに興味を持ち始める。
広告だけではだめで、広報・PRが大事というのはまさにこのことではないかと考えます。

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