長い残暑も終わり、ようやく涼しくなってきました。こんな季節の移り変わりは読書がはかどりますね。読書といえば書籍ですが、個人・企業問わず、PRのアイテムとして極めて有効なことはご存知でしょうか。
多くの場合、書籍はその人や会社のスキル・設備といった「強み」や「ポリシー」を、エピソードとともに紹介することができます。これにより、読者=見込み客との距離を縮められたり、「書籍を出している」という信頼感から媒体に取り上げられる可能性がアップします。
そんな便利なPRツールとなる書籍ですが、実は編集者がいなくても、企画をある程度立てることは可能です。その企画が良くできたものならば、仮に採用されなくとも、あなたの名刺代わりとなり、出版社からお声が掛かる可能性がアップします。
今回は、そんな出版社の目に留まる書籍企画を立てるポイントをご紹介します。
この記事の目次
まずは「カテゴリー」を決める
最初にイメージしなくてはならないことは、「カテゴリー」です。もちろん、「こんな本を作りたい」という考えから入るのは楽しいのですが、出版社の人から見て、ある程度売れると見込める企画でなければ採用されません。
これは、以下のチェック項目を満たしていれば問題ありません。
「書きたいこと」が一定以上の人たちに響くテーマであるか
興味を持つ人=潜在的読者がどれくらいいるのか予想が立てられるエビデンス(関連イベントの参加人数、類書の売り上げ部数といった根拠)がある。
読んでもらいたい人と書店のどの棚に置かれるのかイメージできる
これがはっきりしていないと、出版社はどのくらい売れるのか予想が立てられません。また、カテゴリーが分からない本は書店でのプッシュも受けにくくなります。(カテゴリー例:経営、経済、営業、お金、自己啓発、健康、料理 など)
注意点として、専門書(その業界の人しか読まない本や、本格的な図鑑など)でもない限り、読者層は広すぎても狭すぎても売行きが見込めないということが挙げられます。
広すぎれば内容が無難になって面白くなくなり、狭すぎれば興味を持ってくれる人が少なくなります。言い換えれば、尖ったテーマなら興味がない人にも響くフックを、ありきたりなテーマなら同様のテーマを扱う本との差別化が必要になるというわけです。
「方向性」を考える
「カテゴリー」をイメージできたら、次は以下の3つを考えます。
①テーマに対する切り口
同じカレーの本でも、「全国の美味しいスパイスカレー集」なら大人向けのグルメ本に、「おうちで作れる!かんたんカレーレシピ」なら主婦か親子向けのレシピ本、というように全く別物になります。読んでもらいたい層を意識することで、自然とアイデアは絞れて最終形が考えやすくなるのです。
②本のスタイル
単行本、文庫、新書、漫画、図鑑…本には色々な種類があります。
よくあるビジネス書にしたければ単行本、子供たちに読ませたいなら漫画というように、目的やターゲットに合わせてスタイルを選ぶことはとても大切です。
ブランディングを考えている場合、著者の考えを文章で伝えられる読み物系の方が適するように思われがちですが、最終的に読者が満足しなければ、まったく意味がありません。
また、一概に読み物といっても、文章が続くスタイルもあれば、適度に節を区切るスタイルもありますので、読者ターゲットや切り口と併せて考えるのがベターです。
③自分ができること・できないことを知る
原稿を書くのが苦手ならライターが必要ですし、イラストを入れたいならイラストレーターに発注しなければなりません。つまり、ある程度やりたいこと(内容)を決めた上で、その作業が自分でできるのか否かを検証するのです。
これをやっておくと編集者に協力をお願いする部分があぶり出せるので、その後の打ち合わせがスムーズに進むはずです。
まとめ
出版不況が続き、WEBやSNSで誰もが発信できるようになったこの時代に、それでも出版したいと思っている未来の著者はたくさんいます。それだけ本のPR力は高いのです。だからこそ、企画の内容には読者と編集者の目を引くスパイスが必要となります。
今回ご紹介したチェックポイントを活かして、本を作る上でのご自身の考えや「やりたいこと」を整理してみてはいかがでしょうか。
【これまで担当した業界】税理士、弁理士、経営コンサルタント、産業医、ソムリエ、子育てアドバイザーなど
【趣味】水泳、殺陣(ヒーローショーの経験あり)、模型制作(主にロボット系と自動車)、映画鑑賞(ジャンル問いませんが、爆破があると嬉しい)
【プチ自慢】メディア提案用の企画をいろいろな切り口で素早く作ることが得意です