インスタ映えで話題化!ファンが育てた「#オキシ漬け」を活用した宣伝・広報展開でオキシクリーン、更なるヒットへ

シュッシュッシュッ♪
トイレ掃除とお風呂掃除だけは絶対しないという約束で結婚したのは遥か昔。トイレ掃除とキッチンのシンクやまな板の除菌は毎日の日課。ピカピカになると気持ちいい~。もちろん洗濯だって毎日やるし、布団干しだってこまめにやります。
(当たり前なのかな?仕事ばかりだった私からしたら大進歩。褒めてほしい。笑)

そんな私もお風呂掃除だけはやらずにきた。けど、近視だと細かい汚れが見えないのかな?
裸眼で遠くも近くもよく見える私は最近ちょっと汚れが気になる。。。でも、掃除は“気になる人”がするのが鉄則。どうにかするかぁ~でもやり方がよくわからない。

最初に着手したのは、Instagramのお掃除やお片付け系のアカウントのフォロー。皆、色んなテクニックを持っているし、部屋中ピカピカすぎて驚愕。そんな自分の家とはかけ離れた投稿を見ていくうちに一つの商品に目が留まった。

「オキシクリーン」だ。お家をピカピカにしている人達がみんな『オキシ漬け』とやらをしている。気になるネーミング。漬けておくだけでいいなんて。

どーん!これがオキシクリーン。

どーん!これがオキシクリーン。

私「ねぇ、オキシクリーンって知ってる?」
夫「うちにあるよ。まだ使ってないけど」
私「!?」

なんてことだ。SNSで話題なだけではなく、もう、うちにも来てくれていたとは。確かに、メイプル超合金さんを起用したCMもたくさん流れているし、使ってみたくなるよね。

InstagramやYouTubeには、一般の方が投稿した『オキシ漬け』を説明する動画や写真がたくさんある。早速、うわばきや汚れた衣類、洗面所、全部『オキシ漬け』してみた。そして、念願のお風呂のオキシ漬けにも挑戦!その間に原稿執筆を進めよう。

早速、オキシクリーンで『オキシ漬け』♪

早速、オキシクリーンで『オキシ漬け』♪

今回は、SNSでの話題化を活用した宣伝・広報展開でさらなるヒットにつなげた株式会社グラフィコの販売促進部長・田邊さんにお話を伺った。

※2020年9月24日(木)に東京証券取引所へ上場されました。おめでとうございます!
(編集部・若林)

株式会社グラフィコ・田邊さん。取材当日、おっきくオキシクリーンと書かれた真っ青なトレーナを着て登場されたので、心の中では「オキシクリーン部長」と呼ばせてもらっています。

株式会社グラフィコ・田邊さん。取材当日、おっきくオキシクリーンと書かれた真っ青なトレーナを着て登場されたので、心の中では「オキシクリーン部長」と呼ばせてもらっています。

「インスタ映え」で投稿が増加~売上もアップ

真っ青なトレーナを着て登場されたグラフィコ・田邊さん。

真っ青なトレーナを着て登場されたグラフィコ・田邊さん。

―2008年より、御社がオキシクリーンの日本国内の正規輸入販売元になったとのことですが、頻繁にプレスリリースを出したり、メディアに取り上げられるようになったのは2017年以降ですよね。この時期に何があったのか気になっています。(笑)

2017年頃にオキシクリーンの出荷数が増加傾向にあり、どうしてかを探っていったところ、Instagramの投稿数が増えていることに私の上司が気づいたのです。当時は、特にインフルエンサーを起用した宣伝・広報展開はしていませんでした。にも拘わらず、SNS上で話題になったのは、情報感度が高くInstagramなどもされているコストコユーザーさんがきっかけではないかと思っています。

その頃はInstagramのユーザー数も伸び、盛り上がっていた時期だったと思うのですが、コストコで販売しているアメリカ製のオキシクリーンを色々な方が投稿してくれました。アメリカ製は、モコモコ泡立つので画的にもよかったのか、汚れたものを入れるとキレイになると、多くの方が紹介してくださいました。

こういった方たちの投稿を見てか、2017年秋頃には、一時はコストコで品薄になるほどだったと記憶しています。コストコで品薄とか欠品になると、それ自体も話題化しますよね。その影響も大きかったと思います。さらにその後、“コストコだけではなくドラッグストアにもオキシクリーンが売っているよ”という投稿も出てくるようになりました。こういった投稿をきっかけにドラッグストアで購入できる当社のオキシクリーンにも注目が集まるようになり、店頭での演出を強化していきました。

こうしてSNSで話題化したことにより、売上も順調に伸びてきました。ちなみに、アメリカ製のものはモコモコ泡立つのですが、当社が扱っている日本市場向けのオキシクリーンは、界面活性剤を使用しておらず、洗剤のような泡立ちはしません。

SNSでの話題化をきっかけに、本格的な宣伝・広報活動を開始

オキシクリーンは2008年から正規輸入販売元となりました。当時から固定のファンがいて、優等生な商品でした。

オキシクリーンは2008年から正規輸入販売元となりました。当時から固定のファンがいて、優等生な商品でした。

―2017年頃までは、大々的な宣伝や広報活動はされていなかったのでしょうか。

日本での販売当初は、テレビ通販をしていました。実はオキシクリーンは当社が日本国内の正規輸入販売元になるよりも前に、日本に入ってきています。20年前くらいですね。元々、我々はオキシクリーンのマーケティング支援をしていました。そのご縁で2008年から正規輸入販売元となりました。当時からオキシクリーンには、固定のファンがいまして、一定の売上を保っていられる優等生な商品でした。
しかし、2017年秋頃を境にSNSで話題になり始め、そこから宣伝・広報活動に注力するようになりました。

―具体的には、どういった宣伝・広報展開をしていったのでしょうか。

Instagramからこれだけ情報が拡散されたと分析していたので、Instagram内でコミュニケーションを厚くしたいと思い、インフルエンサー(インスタグラマー)にオキシクリーンを使用してもらうという取り組みを行いました。また、日本テレビ「得する人損する人」に出演されていて、早い段階でオキシクリーン好きを公言してくださっていた“家事えもん”こと松橋周大呂さんを2年半ほどイメージキャラクターに起用させていただきました。

最初はSNSでのコミュニケーションから始まり、徐々にマスコミでの情報発信や広告展開にも注力するようになりました。

ユーザーの心をがっちり掴む「One to One」を意識したInstagram運用

―オキシクリーンカラーで統一されたInstagramを展開されていますね。写真ではなくワードで攻めるInstagramですがどういった戦略で運営されているのでしょうか。

カッコいい答えはないのですが。Instagramを運用しているのが私なので、フォトジェニックなものにはならなくて。どうしても昭和のサラリーマン感がでちゃっているなとは思っているのですが(笑)2017年からInstagramを始め、今、アカウントでは3つの活動をしています。

1.正しい利用方法の啓蒙
オキシクリーンは取り扱いで注意いただきたい点もある商品です。例えば、“詰め替え時に、密閉容器に入れないでください”、“金属製品には使わないでください”などです。エゴサーチをして、SNSでこういった誤った使い方をしている方を見かけたら、このアカウントから正しい使い方をお伝えしています。
また、“今日初めてオキシクリーンを買った”といった投稿を見かけたら、“こういった使い方をしたらいいですよ!”とコメントを送ったりもしています。

2.能動的な情報発信
オキシクリーンの使用上の注意や活用方法などを積極的に発信しています。

3.One to Oneの対応
InstagramのDM(ダイレクトメッセージ)で、一般消費者から結構質問をいただきます。
例えば“私は●●市に住んでいるんですが、近くだとどこにオキシクリーン売っていますか?”というお問い合わせもあり、私がどこに売っているかを調べてお返事しています。こういったコールセンターのような役割も担っています。

先日も、“高級スニーカーをオキシ漬けしていいか”というメッセージをいただきまして。こういうご質問って“メーカーさんに聞いてください”と言われてしまうことも多いと思うんですが、自分がそう言われると嫌なので、私からメーカーにどんな素材でできているのかなどを問い合わせてお客様に返答したりと、意外と手間と時間をかけて運用しています。もはや趣味かもしれません(笑)でも、喜んでもらえるので嬉しいですよね。

適正な使い方をしてもらえれば、便利な商品なので、こういったちょっとしたやり取りを通して、もっとオキシクリーンのファンになってくれたらいいなと思っています。ユーザーさんやフォロワーさんから距離の近いアカウントと感じてもらえるようですが、それはOne to One を意識してInstagramを運用しているからかもしれません。

―これまで宣伝・広報活動において、大変だったことはありますか?

苦労とはまた少し違うかもしれませんが、使い方の情報発信はお客様から常に求められていたので、社内でどう発信すべきか検討はしていました。ネットでオキシクリーンと検索すると皆さん「使い方」の情報を求めていることがわかるんですね。なので、ユーザーさんの多いInstagramなどのSNSを活用して情報発信を始めたというのもありますね。広告宣伝のように大きな費用もかかりませんし。

でも、正直大変なんですよね。だから、今、私一人で担当しているのですが。先ほど挙げた3つの活動をしているだけでも結構な時間を要するんです。部のスタッフがやってくれていた時期もあるのですが、日々の業務が回らなくなってしまうので、取り敢えず自分がやろうかなという流れで今に至ります。性に合っているというのもあると思いますが。(笑)

―今でこそ文字だけの投稿も増えていますが、フォトジェニックでなんぼの世界だった2017年当時のInstagramで、写真という選択を捨てて文字だけで勝負したというのはすごいですよね。

実は私は元々コピーライターなんですよね。それもあるかもしれません。写真のセンスが全然なくて、わかりやすさや伝わりやすさを追求した結果、文字だけになったんですよね。ちょっと後付けの理由かもしれないですけど。

(同席してくださったプロモーショングループの合原さん曰く…)

「その当時、部長がなんか始めたなって感じだったんですけど。(笑)Instagramは“映え”てなんぼで、オキシクリーンもInstagramで話題になったんだから、もっと映え写真とかをアップした方がいいと思う、っていう意見も社員からは出ていたんですよね。そういった反対意見も出ていたりしたんですけど、今は文字だけのアカウントも増えているので、結果オーライだったなと。(笑)」

ユーザーから生まれたコンテンツには、メーカーでは出せない“リアリティ”がある

田邊さん「メーカーからの発信よりもユーザーさん発信の情報のほうが強いんじゃないかなと思っています。」

田邊さん「メーカーからの発信よりもユーザーさん発信の情報のほうが強いんじゃないかなと思っています。」

―「オキシ漬け」というワードはすごくいいですよね。ユーザーさんから生まれた言葉ということでしたが、それまでもHPなどで漬けおき洗いについては情報を出していたのですか?

そうですね、“漬けおき洗い”という言い方で、HPやパッケージには書いてありました。今は、ユーザーさんが生み出してくれた「オキシ漬け」というワードで紹介しています。

―YouTubeで「オキシ漬け」の方法等をアップしてくれているユーザーさんが多いですね。オキシクリーンの動画投稿が増えたことで、オキシクリーンの公式チャンネルを作られたのですか?

いえ、公式チャンネルは、動画広告のプラットフォームとして立ち上げました。今後は、公式チャンネルとして、HOWTO動画をアップしたほうがいいのかなと考えることもあるのですが、ユーザーさんがアップされる動画のほうがリアリティがありますし、皆さんクオリティの高い動画をアップされていますからね。また、情報としての強さも物を売るメーカーからの発信よりもユーザーさん発信の情報のほうが強いんじゃないかなと思っています。

―InstagramにしてもYouTubeにしても、たくさんのユーザーさんがオキシクリーンの投稿をしてくれていますが、その方たちをサポートしたり、その流れに乗った新たな仕掛けをするといったことはしていますか?

「女子プロ ハート研究所」というサイト内に「【公認】オキシクリーンファンクラブ」というサークルがありまして、オキシクリーン好きの方々がアンバサダーになってくれています。(コロナ前は)リアルな場でファンミーティングを開催したり、新商品ができた際はお送りし、感想をいただくといった活動を通し、コミュニティづくりをしています。

女子プロ ハート研究所

https://www.joshipro.com/feature/oxi/

―ママ向け動画メディアmama+(ママタス)のユーザー投票で、「ママを本当に助けたモノ・コト・ヒト」の家事部門でオキシクリーンは選ばれていましたね。

ありがたいことに、ママメディアや生活情報誌などからの取材依頼は多いです。
そもそも洗剤のような日用品は“低関与商材”と言われていて、愛着もそれほどなく、汚れが落ちればなんでもいいと思っている方も多いカテゴリーの商品なんです。そういった中でオキシクリーンはコアなファンの方々に支えられているなと感じます。

理由は色々あると思うのですが、個人的には、誰もが知っている超大手企業と違い、グラフィコという中小企業が出しているという点も要因の一つかなと思っています。“知る人ぞ知るブランド”を知っているという感覚を味わっていただけるというか。(笑)

あとは、(界面活性剤不使用タイプは)漂白剤成分のみの非常にシンプルな成分でできているので、ナチュラル志向の方に支持されているのではないかと思っています。

誰もが知るタレントの起用で購買層も変化~CMで得た「認知」と「信頼」

田邊さん「CMを見て“一度、買ってみようかしら”と感じて購入してくださったというのは少なからずあったと思います。」

田邊さん「CMを見て“一度、買ってみようかしら”と感じて購入してくださったというのは少なからずあったと思います。」

―CMでメイプル超合金を起用したことも認知拡大の大きな要因なのではないでしょうか。

そうかもしれないですね。最初はInstagramやTwitterというSNSを中心にプロモーションを始めていたのですが、頭打ちを感じる時期がありました。そうなった際に、お昼の情報番組をみているような主婦層などにも幅広く認知を拡大する必要があるよね、という話になり、メイプル超合金さんにお願いすることになりました。起用した際の期待通り、今まで購入につながっていなかった50~60代の女性の購入が増えているという実感は得られています。

今の50~60代というのは、ネットリテラシーも高く、Instagramや家事えもんさんを通しオキシクリーンは知っているけど購入には至っていないという方もいらっしゃったと思います。そういう方々がCMを見て“一度、買ってみようかしら”と感じて購入してくださったというのは少なからずあったと思います。

プレケア商品にも注力し、漂白剤市場全体の拡大を図る

田邊さん「粉のオキシクリーンだけではなく、衣類のシミ・汚れにピンポイントに使用するプレケア商品の販促にも力を入れていきたいと思っています。」

田邊さん「粉のオキシクリーンだけではなく、衣類のシミ・汚れにピンポイントに使用するプレケア商品の販促にも力を入れていきたいと思っています。」

―新型コロナで「おうち時間」も増えましたが、何か変化はありましたか?

売上という面では、お掃除需要拡大で伸長がありました。広報活動という面では、広報の横のつながりが結構あるので、5月頃に3社合同で“コロナにより需要が伸びた商品”を集めたニュースレターを作成し、メディアに情報提供をするといったこともしていました。

―今後の目標をお聞かせください。

オキシクリーンをまだ使ったことがない方はたくさんいらっしゃると思います。ご年配の方やそもそも酸素系漂白剤を使ったことのない方、洗濯洗剤の性能も良くなっているので、それだけでも十分と思っている若い方も多いと思います。そういった方に1回でも使っていただき、効果を実感してもらい、漂白剤全体の市場も伸ばしていきたいと思っています。

メイプル超合金さんを起用したテレビCMにより新たなお客様の開拓に成功しましたが、やはりこういった商品は、定期的にマス広告を打っていき、より多くの方に知ってもらい覚えてもらうことも必要だと考えています。また、粉のオキシクリーンだけではなく、衣類のシミ・汚れにピンポイントに使用する「プレケア商品」の販促にも力を入れていきたいと思っています。

オキシクリーンについて

オキシクリーン

オキシクリーン

衣類のシミ・汚れを漂白・消臭する酸素系漂白剤。衣類の汚れだけではなく、 キッチン・お風呂場・トイレ・洗面所・リビングなど、様々なお掃除で使用できる。SNSから「オキシ漬け(50℃前後のお湯でオキシクリーンを溶かして汚れを落としたいものを漬ける方法)」という愛称が誕生。

2019年からは、ホワイトデーの(白)と漂白の(白)を掛け合わせ、3月14日を「オキシ漬けの日」「オキシクリーンの日」として一般社団法人日本記念日協会に記念日登録申請を行い、正式に登録された。

オキシクリーン広報担当者プロフィール

株式会社グラフィコ販売促進部長 田邊謙司さん

株式会社グラフィコ販売促進部長 田邊謙司さん

株式会社グラフィコ 企画本部 販売促進部長
田邊 謙司 (たなべ・けんじ)さん

広告代理店(コピーライター、プランナー)や子供番組のプロデューサーなど広告コミュニケーションの仕事を経て、2014年に株式会社グラフィコへ入社し、販売促進部へ配属。Instagramオキシクリーンアカウントの中の人。部長として、全アイテムの販売促進に携わる。

株式会社グラフィコ(https://www.graphico.co.jp/

1996年にデザイン・企画会社として設立。大手化粧品メーカー、食品メーカーなどの商品企画、プロモーション企画、パッケージデザイン、広告コミュニケーションにて培ったノウハウを武器に、2004年に自社商品を発売し、メーカーへと業態を転換。以降、女性向け商品を中心に多くのヒット商品を市場へ送り出す。2008年より、オキシクリーンの日本国内の正規輸入販売元に。2020 年9 月24 日に東京証券取引所へ上場。

■わが社のヒット商品・サービスについて情報を提供したいという方は下記から