広報・PRの世界も「倍返し」!?

先週の20日、年末恒例の「2013ユーキャン新語・流行語大賞」
(現代用語の基礎知識選)の候補50語が発表されました。
「今でしょ」「じぇじぇじぇ」「お・も・て・な・し」「PM2.5」のほか、
今世紀の連続ドラマで最高の平均視聴率42.2%(最終回)を記録した
TBSドラマ「半沢直樹」の「倍返し」もノミネートされました。
ドラマでは「恨みを晴らす」意味で使われていますが、
「恩返しをする」場合の言葉でもあります。
私がその昔、今から約30年前に働いていた当時、
NHK番組制作局音楽芸能部には「3倍返し」という言葉がありました。
自分が下っ端の時に一緒に仕事をしたタレントが、
指示通りに対応してくれて番組が成功した時には、
将来、自分がチーフディレクターやチーフプロデューサーになった時には、
番組で起用して恩返しをするという意味でした。
広報マンや広報ウーマンの心がけや対応によって、
メディアからの「倍返し」は、果たして、あるのでしょうか?


対メディアの心構えとして、まず重要なのは「取材依頼は基本的には断らない」です。
メディアの希望を聞いて、何が出来るか、何が出来ないかを
関係部署に打診・調整して、メディアに返事をします。
それを受けて、メディアから「それならば、こんなことは出来ますか?」
という再依頼が来るのが普通です。
つまり、最初の依頼で「NO」の返事をするのではなく、先方とのやりとりの結果、
どうしても無理な時にのみ、その理由を伝えてお断りします。
次に、取材対応では、記者や編集者はディレクターも人の子、
「自分がやってもたったら嬉しいことを相手にも行うこと」です。
取材に来た担当者が若い人の場合には、より以上に「お・も・て・な・し」の
心で懇切丁寧な対応を心がけるのです。
取材者は「この会社は、自分のような者にとても親切にしてくれた」と強く印象に残り、
「また、この会社を取材したいなぁ」と思わせたらしめたものです。
さらに、その取材者が新聞社の記者やテレビ局員ディレクターならば、
いずれは決定権のある上のポストにつく可能性があるからです。
また、記者や編集者が転勤や担当を外れた時には、
後任の方を紹介していただくということは、皆さん、すでに実践していると思います。
さらに、可能であれば、異動した記者やディレクターとも継続して
連絡がとれるようにしておくことも大切です。
いつまた担当に戻るかも知れないし、異動した部署で力になってもらえるかも
知れないからです。
「一度、リレーションを築けた担当者との人間関係の継続は力なり」です。
最後に、対メディアへの心がまえとして大切なのは、
皆さんもご存じの通り「クイックレスポンス」です。
担当者との良好なリレーションを構築して、
メディアからの「倍返し」が来るような広報・PRを、常に実践したいものです。