「よく知らないアーティスト」のライブに連れてかれたPRマンが感じたこと

先日、友人に誘われ、とあるバンドのライブに行ってきました。
私からすれば「よく知らないバンド」という位置づけのアーティストです。曲は一曲も知りません。

しかし、何か得るものがあるのではないかと思い、ライブハウスまで足を運びました。
そこで感じたこと、考えたことについてお話します。

1.「よく知らないバンド」を見に行くことは、よく知らない広告を見ることに似ている

まず、「よく知らないバンド」のライブを見始めて思ったことですが、
「みんな盛り上がっているけど、自分は曲を知らないし、メンバーも知らないので、盛り上がれない…」

曲を知っていれば、その演奏は刺さるんだろうな、とか、メンバーについて少しでも情報があれば、そのバンドのパフォーマンスを楽しめるんだろうな、などとも思いました。

そして、これってまさに「初めて見る企業の広告」を眺める感覚に似ているな、と感じました。

ポスターやチラシで、コピーを用いながら何か凄そうなことが書いてある。
けれども、なんとなく「ふーん」としか思えない、この感覚。

仮に、前もって、その企業の商品ですとか、商品の開発物語ですとか、そういった情報が頭の中にあれば、少しは関心持ってその広告を眺めていただろうに。
改めて、PRというものの大事さを再認識しました。

2.ライブパフォーマンスはマーケティングに似ている

そのライブには、他のバンドが少しおとなしめの曲を演奏するということもあり、あまり騒がないであろうタイプのお客さんが多く来場していました。

そこで、とある激しめの曲を演奏するバンドがこういった煽り文句をライブパフォーマンス中で言い放ちました。

「なんか今日静かだなぁ!お前ら楽しむ気あるのか!大騒ぎするの大歓迎だから、もっと暴れて行こうぜ!」

いやいや、今日の客層を見れば、騒ぐ人なんてそんなにいないの分かるじゃないか…と思いました。

そして、これってマーケティングに似ているのでは…と感じたのです。

客は、どちらかと言うと静かな曲を好む人たち。
その人たちの前で、激しい曲を演奏して、さらにいくら激しい言葉で煽ったって、そのお客さんたちは大騒ぎなんてしたりはしない。

客層を理解し、客層に合った曲・セットリストを用意し、客層に合ったライブパフォーマンス・MCでなければ、お客さんたちは心動かされません。

明らかに今回は、バンド側が提供するものと客層の求めているものにミスマッチが起きていました。

やはり、お客さんを理解して、お客さんにマッチするパフォーマンスを提供しないと、バンド側としては「成功」とは言えないのではないでしょうか。
顧客を知ることは、大事なのです。

3.ただし例外もあるのでは…

ここまで「よく知らないバンド」を見に行ったPRマン(私)が感じたことを述べてきましたが、「例外もあるのでは」とも思います。
それは、バンドの曲、パフォーマンスなどが客の「インサイト」に触れた時です。

たまに、「まったく知らないアーティストだったけどめっちゃよかった!」なんて声を聞きます。
特に、多くのアーティストでごったがえしているフェスなんかで耳にします。

これは、その人のうちに潜んでいた、その人も認識していなかった需要が満たされたときに起こるのではないかなと考えています。

幼い頃、よく両親が聞いていた曲と似た、もしくはよく耳にしていたコード進行を使った曲をライブでふと耳にした時。
もしくは、普段は静かめのアーティストを見に行っていたけど、「実はライブを見てはしゃぎたい」という欲求が心の奥底に潜んでいて、たまたま激しいアーティストのライブを見た時。
など、さまざま状況は考えられると思います。

4.パフォーマンス側にとっての「正解」とは

以上、「知らないバンドを見に行った」私が考えたことを述べてみましたが、アーティスト側からしたら、「お客に媚びたくない」という人も多いでしょう。

自らのバンドの色は、そのままライブで出していきたいのが本音だと思いますので、「今日は静かめのお客さんだから静かめの曲ばかりやろう」「優しいコメントのMCにしよう」などとは、思わないのでしょう。

自分の曲が、バンドが、客層に刺さらないなと感じるときは、非常に難しいお話かも知れませんが、「いかに多くの客のインサイトに触れさせるパフォーマンスができるか」が鍵を握るのではないかと、分析します。

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株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】らめにき
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