株価が上がる会社の広報・PRは何が違う? 日経平均急騰の事例から学ぶ“投資家に刺さる”発信設計

日経平均株価の変動は、企業の業績だけでなく、広報という存在も市場評価に影響する時代に入ってきています。
そして、株価が伸びる企業の情報発信を見ていくと、広報・PRの設計そのものに明確な違いが見えてきます。
本稿では、投資家に評価される発信の共通点を整理し、広報担当者が押さえるべき視点を解説します。

1月の上旬から中旬にかけての日経平均急騰が示した「企業評価」の変化

1月の上旬から中旬にかけての日経平均株価の急騰は、広報・PR担当者にとっても見過ごせない出来事でした。

株価というと、海外投資家の動きや為替などのマクロ要因が注目されがちですが、個別企業の株価を見ると、同じ市場環境でも評価に大きな差が出ていたからです。
この差は、単純に「業績が良いか悪いか」だけで生まれたものではありません。

もちろん、先ほどの要因も大きく影響していますが、それとは別に、市場や投資家に対して、企業が自社の将来をどのように伝えてきたか、その積み重ねが影響しているケースも多く見られました。

ここで重要なのは、企業評価の土台に「情報発信」が含まれるようになってきているという点です。
これまで広報・PRは、認知向上やブランドイメージづくりを主な役割としてきました。

しかし現在は、それに加えて「企業をどう理解してもらうか」という機能が強く求められています。
市場が企業を評価する際の視点が変わりつつあることを、広報担当者も認知しなくてはならないのです。

株価が伸びる企業に共通する広報・PRの特徴

株価が伸びた企業の情報発信を見ていくと、広報・PRの設計にいくつかの共通点があることが分かります。

まず大きな特徴は、「事実を並べるだけで終わっていない」ことです。
プレスリリースや発表資料では、どうしても「新商品」「新技術」「業績数字」といった事実の説明に力が入りがちです。
しかし、評価されている企業は、その事実が「なぜ重要なのか」「将来にどうつながるのか」を必ず補足しています。
広報の役割が、情報の提示から意味づけへと進化しているのです。

さらに、経営メッセージと広報・IRの内容が一致していることも重要なポイントです。
トップの発言やプレスリリース、取材で言っていることが同じ方向を向いている企業は、市場から「理解しやすい企業」として評価されやすくなります。
私が広報支援を担当している上場済みの医療系企業に関しても、事業取材を受ける時、プレスリリースを出す時、社長PRを行う時、IRに関する情報を開示する時全てが同じ方向を向いています。

もちろん、広報部門とIR部門の連携が必須となってきますが、企業全体で意見を揃え、ブレない情報を提供し続けることは、投資家たちにとって一種の安心材料となるのです。
このように、株価が伸びる企業の広報・PRは、場当たり的ではなく、経営と連動した設計になっているのです。

投資家に刺さる発信設計とは何か

では、広報担当者は何を意識して発信を設計すればよいのでしょうか。

投資家に刺さる発信で最も重要なのは、「その情報が企業価値にどう関係するか」を明確にすることです。
技術力やサービスの優位性を詳しく説明しても、それが売上や成長につながる道筋が見えなければ、投資家からの評価には結びつきません。

投資家が知りたいのは、「この会社は、これからどう成長していくのか」という一点です。
そのためには、数字とストーリーをセットで伝える必要があります。

広報担当者がIR担当者と同じように動くのではなく、IR部門と連携をして自社がどの立ち位置で、どのような戦略を取っているのかを広報担当者自身も理解し、それらを広報の言葉で整理して世間に示すことが重要です。

そして、広報担当者がもう一つ意識すべきなのがタイミングです。
情報を出すタイミングを時には小出しにし、待つ事も必要です。
その理由は、市場の関心とずれた発信は、内容が良くても評価されにくくなるからです。
相場が動いた局面こそ、自社の中長期的な方向性を改めて整理し、投資家の関心とつなげるチャンスでもあります。

広報・PRは「企業価値を翻訳する役割」へ

日経平均急騰を通じて見えてきたのは、広報・PRの役割が確実に変わってきているという現実です。
単に露出を増やすだけでは、企業評価にはつながりません。

今、広報に求められているのは、企業価値を世間に「翻訳」する役割です。
広報・PRは、それを分かりやすく整理し、適切なタイミングで外部に届ける役割を担っています。
言い換えれば、経営に影響を与えるIR部門と市場をつなぐ橋渡し役です。
株価が上がる企業は、広報・PRを単なる発信担当ではなく、経営戦略の一部として位置づけています。
IR部門や事業部と連携しながら、一貫したメッセージを設計しているのです。

これからの広報担当者には、「どう見せるか」だけでなく、「どう理解してもらうか」を考える視点が欠かせません。
企業価値をどう語り、どう伝えるのか。その設計力が、企業評価に影響を与える時代は、すでに始まっています。

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株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】はる
【これまで担当した業界】出版など
【趣味】カフェ巡りと漫画を読むのが好きです
【プチ自慢】 美味しいご飯屋さんを探し当てる確率が高いこと!

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