こんにちは。
近年「情報」のあり方が大きく変わっています。
この背景的理由としては、
①お茶の間や井戸端に象徴される場の消滅によって
マスメディアが提供していたような共通情報の役割が希薄になったこと、
②インターネットメディアの普及によって情報が量的に質的に増大・多様化し、
時間的にも物理的にも情報入手の制約要因が減少したこと、
などがよく挙げられます。
このことによって示唆される重要なことは、
ライフスタイルの目的に応じて
必要十分な情報を“私たち”が入手できるようになったことで、
従来の情報価値の自明性はもはや問題ではなくなり、
情報価値を決定するのはあくまで“私たち”になったということです。
このような情報環境の中では
情報供給の主役であったマスメディアから提供される情報が
ダイレクトに情報の受け手である“私たち”に響くという、
従来の効果は薄れて行かざるを得ません。
ではこういった時代にあってどのようなPRを実施していけばいいのでしょうか?
結論から述べるとPRは単なる「情報」ではなく
「人生のシーン(関係性の履歴)」を提供していくべきです。
上述したように情報価値の重み付けは送り手であるメディアから
受け手である“私たち”へと移行しています。
ですからただ情報を提供するだけでは
受け手である“私たち”の共感を得ることは難しいといえます。
忘れさられるか飽きられるかして、すぐにそっぽを向かれてしまうことは
目に見えています。
この点「人生のシーン」を提供して成功を収めているPR事例があります。
今では大変有名になったキットカットのPRです。
キットカットは、ただのチョコレートとしてではなく、
直筆メッセージで受験・恋愛・スポーツの応援や、大切な人への
感謝の気持ちなど、各人生のシーンを伝える場を提案しました。
その結果、キットカットのPRは人生の大切なシーンそのものとして
認知されPRは大成功を収めています。
情報価値の自明性が希薄となり情報価値の重み付けが
“メディア”から“私たち”へと移行した現代では、
「あれがあったから、これがあったから今の私たちがある」
そんな「人生のシーン」の提供がPRにも求められていると
いえるのではないでしょうか。
それでは、また来週。
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