高市首相の若者支持率はなぜ高いのか!?支持率から紐解くPR広報の秘訣とは?

若年層の支持を強く集める高市早苗首相。若者を惹きつける魅力とは一体なんなのでしょうか?
その答えは「ブレない人物像」を作るパーソナルブランディングと、SNS中心の若者メディア接触に最適化した発信設計にありました。
本コラムでは、支持率の構造を読み解きながら、政治に限らず“若者の心を動かすPR広報”の勝ち筋を探ります。

高市首相の若年層からの支持率の高さの秘訣とは?

近年、政治家の支持率調査において、若年層(18歳~30代前半)と中高年層で乖離が見られるケースが増えています。
特に高市早苗首相の場合、全世代平均の支持率と比較して、若年層からの支持率が際立って高いという特異な傾向が確認されています。
これは単なる一時的なブームではなく、彼女が成功させている広報戦略の賜物とも分析できます。

従来の政治家への支持は、主に所属政党のイデオロギーや、有権者の生活に直結する政策の実現度合いによって左右されてきました。
しかし、若年層においては、それらに加えて、政治家個人の「パーソナリティ」や「情報発信の方法」が、支持するか否かを決定づける重要な要素となっています。

高市首相の若者支持率の高さの秘訣は、大きく分けて2つの核心的な要因に集約されます。
1つは、若年層の価値観に響く「パーソナルブランディング」の成功。
そしてもう1つは、若年層特有の「メディア接触率の違い」を捉えた情報発信の最適化です。
この2つの要素が、従来の政治家が取りこぼしがちであった若年層の心を見事に掴んでいるのです。

若年層に支持されるパーソナルブランディングの成功

高市首相のパーソナルブランディングは、特に若年層に強く訴求する要素を内包しています。
彼女は、単なる政策論者としてだけでなく、「ブレない姿勢」と「実務能力の高さ」という2つの強力な軸を確立しています。
若年層は、表層的な人気取りや、時勢によって意見を変える政治家に対し、非常に冷めた目を向けがちです。むしろ、「一貫性」に対して、強い信頼と魅力を感じます。
生活の安全保障と物価高対策として、家計支援を充実させるなど、信頼性を高めています。
この実行力の高さは、複雑な政治状況の中で「指針」を求める若年層にとって魅力的なのです。

さらに、彼女のSNS戦略、特に若年層が主要な情報源とするプラットフォームでの発信や若者に親近感を持たせる発言は、従来の政治家像を打ち破っています。

硬い公務の報告だけでなく、時には趣味や日常を垣間見せる投稿や反応は、政治家と有権者の間の壁を低くし、「人間味」を感じさせます。
例えば、韓国コスメが好き、ドラムが叩ける、野球観戦が趣味といった趣味の自己開示は若者に親近感を持たせ、「サナ」という愛称で親しまれています。
若年層は、一方的な情報発信ではなく、双方向のコミュニケーションを重視するため、この親近感の創出はパーソナルブランディングの成功に不可欠な要素となっています。

若年層と中・高年層のメディア接触率の違い

高市首相の若者支持率の高さのもう一つの重要な鍵は、世代間のメディア接触率の根本的な違いを巧みに利用している点にあります。

伝統的に、日本の政治報道はテレビのニュース番組や新聞が主要な役割を担ってきました。
中高年層は、これらのマスメディアを通じて提供される情報を「客観的で信頼できるもの」として受け入れる傾向が強くあります。
彼らにとって、主要な情報源はテレビや新聞であり、接触頻度も高く、情報の信頼性も高いと認識されています。
これらのメディアでは、高市首相の政治的スタンスに対して、時に批判的または慎重な論調が展開されることも少なくありません。
そのため、中高年層においては、彼女のパーソナリティよりも、伝統的な政治力学の中での立ち位置や、論争の的となる政策が中心的な評価軸となりがちです。

対照的に、若年層の主要な情報源はX(旧Twitter)、Instagram、TikTok、YouTube、そして各種のネットニュースやキュレーションメディアに完全にシフトしています。
彼らは、テレビや新聞への接触頻度が低く、そこに提供される情報への取捨選択が非常に厳しいのが特徴です。
その代わりに、SNS(X、TikTokなど)が主要な情報源となり、政治家個人との直接的な接触の場となっています。ま
た、YouTubeも政策解説や長尺の議論、パーソナルコンテンツの消費の場として重要視されています。
若年層は、「誰が発信しているか」を重視する傾向があり、マスメディアが「加工」した情報よりも、政治家本人が直接発信する「一次情報」や、インフルエンサーなどの「信頼できる個人」が咀嚼した情報に重きを置きます。
高市首相がSNSやYouTubeチャンネルなどで、自身の言葉で直接、政策の背景や考えを論理的に説明するスタイルは、この「一次情報志向」の若年層のニーズに完璧に応えています。

また、SNSのアルゴリズムの作用により、若年層は自分が関心を持つ政治家の情報に触れる機会が自動的に増えるため、既存の支持者や関心層が固定化され、高市首相の「ポジティブな側面」が繰り返し強化されやすい構造も、支持率の底上げに寄与していると言えます。
若年層にとって、中高年層で懸念されがちなSNSのフェイクニュース問題よりも、政治家個人との距離の近さが重要視されているのです。

パーソナルブランディング成功から見る今後の選挙戦の鍵とは?

高市首相の若者支持率の高さが示すPR広報の秘訣は、今後の選挙戦におけるすべての政治家や政党にとって、非常に示唆に富むものです。
鍵は、「ターゲットとなる層の情報の届け先」にあります。

今後は、若年層向けの「ブレない軸と専門性」を強調したデジタル・パーソナルブランディングと、中高年層向けの「安定感と実績」を強調した伝統的メディア戦略を並行して展開する「デュアル・ブランディング」が不可欠となります。

デジタル世代の有権者を獲得するためには、テレビCMや新聞広告よりも、YouTubeでの政策解説、Xでの議論、TikTokでのショートクリップといった、彼らの接触しやすいプラットフォームでの情報発信が必須です。
従来のメディアでは伝えきれない、政治家個人の熱意や論理的な思考を、デジタルチャネルを通じて積極的に届けることが求められます。

そのため、選挙戦を勝ち抜くPR広報の秘訣は、情報を「マスメディア任せ」にするのではなく、政治家自身が「一次情報の発信源」となり、SNSを通じて有権者との双方向のコミュニケーションを絶やさないことです。
これにより、政治家はメディアによる「フィルター」を通さずに、自分の言葉で直接有権者に訴えかけることができ、結果として「真実味」と「親近感」が増し、パーソナルブランディングの強化に繋がります。

コメントや質問に丁寧に答える姿勢は、従来の政治にはなかった透明性を生み出し、若年層の政治への関心を高める効果も期待できます。

高市首相の若者支持率の成功事例は、日本の政治PRが「大衆から個人へ」「テレビからネットへ」とパラダイムシフトしていることを明確に示しています。
今後の選挙戦は、いかにこの新しい情報流通の構造を理解し、ターゲット世代に最適化されたメッセージとメディアでアプローチできるかが、勝敗を分ける鍵となるでしょう。

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株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】はる
【これまで担当した業界】出版など
【趣味】カフェ巡りと漫画を読むのが好きです
【プチ自慢】 美味しいご飯屋さんを探し当てる確率が高いこと!

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