今年は新型コロナウイルスの流行に伴い、家で過ごす時間が増えたことで、野菜中心の食生活や、健康的でヘルシーな食事に興味を持つ消費者が増えたと言われています。その流れに乗って特に顕著に表れたのが、大豆ミートをはじめとするプラントベースフード(植物性代替食品)の広がりです。動物性食品よりもカロリーや脂質が少なくヘルシーな点にも注目され、TVや雑誌でも取り上げられる機会が増えたことで、一気に認知度が上がった印象を受けます。
弊社でも最近、食関連の企業からお問い合わせをいただくことが多くなり、食業界の動向を調べる機会も多くなりました。なので今回は、PRコンサルタントの私が気になった『食のトレンド2020』をお伝えします。
1.2020年は大豆ミートを中心とした代替食品ブームが到来
今年は日本において「大豆ミート元年」と呼んでも過言ではないくらい、各企業がこぞって大豆ミート市場に進出した年だったと言えます。
例えば、ドトールコーヒーやフレッシュネスバーガーなど大手チェーン店でも、大豆ミートを使ったハンバーガーやサンドの提供が開始されました。また大塚食品の「ゼロミート」シリーズなど、家庭用の大豆ミート商品が登場したり、ナチュラルローソン等のコンビニでもお弁当やお惣菜に大豆ミートを使用した商品が発売されるなど、植物性代替食品が身近な存在だと実感できるくらいの広がりを見せています。
こうした代替食品がメディアで多く取り上げられる機会が増えた背景として、世界的に「サステナブル志向」が高まっていることが考えられます。
最近メディアを訪問した中でも、ファッションや雑貨、日用品など幅広いジャンルのモノにおいて、環境への負荷を減らした素材が採用されたり、そうした商品を進んで手に取る消費者も増えてきている、というお話を聞く機会がありました。
食の分野においても、世界的な人口爆発による食糧危機問題や、家畜の飼育に伴う温室効果ガス排出などの環境問題を解決していこうとする流れがあるため、日本においても徐々に、環境に配慮した商品や、サステナブルな商品に注目が集まるようになったのではないかと考えられます。
そんな代替食品ですが、大豆ミートなどお肉の代替食品だけではなく様々な種類の商品が登場していますので、次からいくつかご紹介していきます。
2.最近注目されている代替食品3選
①代替シーフード
健康を考えたときに出てくる食の選択肢として、植物性の代替シーフードにも注目が集まっています。なぜなら、代替シーフードを取り入れることで、マイクロプラスチック汚染や水銀汚染などの問題が疑われる食用魚を摂取する心配がないため、健康面で安心と言われているためです。
アメリカの食品企業「グッドキャッチ」はそんなシーフード業界の状況と、植物性代替食品ブームに対応し、そら豆やひよこ豆でできたツナやシーフードパティなどを商品化しています。また、今年の8月には「ネスレ」が植物由来のマグロを発売すると発表したこともあり、代替シーフードもブームの兆しを見せています。
②代替卵
植物性材料のみで作ったマヨネーズやランチドレッシングを販売する、アメリカのスタートアップ企業「イート・ジャスト」が発売した、完全植物性卵の「ジャストエッグ」が話題となっています。ボトルに入っている黄色い液状の卵は緑豆(りょくとう)を使って作られているもので、動物性成分は一切使用していません。
見た目はクレープ生地に近く、フライパンで炒めると簡単にスクランブルエッグができるそうです。高たんぱくで低カロリー、しかもコレステロールもゼロという、健康志向の方にも嬉しい要素が多いことに加え、鶏卵を食べないヴィーガンの方でも食べられる卵として、幅広く人気を集めている代替食品と言えます。
③昆虫食(コオロギフード)
重さの6~7割がたんぱく質と言われており、「高たんぱくかつサステナブルな食品」として注目されつつあるのがコオロギです。無印良品から発売された「コオロギせんべい」はエビのような風味で食べやすいとSNSを中心に話題になりました。
また、レストラン「ANTICICADA」では昆虫食のコース料理を提供しており、従来のマイナスイメージを覆すような高級感あふれるメニューが人気を集めています。
最近ではベンチャー企業が開発したコオロギのパウダーなども販売され、大手食品メーカーとの取引も始まっているとのことなので、コオロギ入りの食品がスーパーに並ぶ日も近いかもしれません。
3.まとめ
今年は大豆ミートを筆頭に植物性の代替食品がブームとなり、健康や環境を意識した商品が多く登場したことで、食の選択肢が増えた一年だったと言えます。
2021年もどんな食のトレンドが出てくるのか今から楽しみですね!
【これまで担当した業界】 証券・スポーツ・メーカー・ウエディング
【趣味】 建築めぐり、美術館めぐり、登山、水泳
【プチ自慢】虫歯が一本もないこと