TOKYO2020が延期に!広報担当者が知るべき大会の変更点とアンブッシュマーケティング

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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を受け、東京オリンピックの1年延期が3月に決まりました。

オリンピック・パラリンピック大会の延期は史上初です。また、6月には大会の簡素化方針が発表されるなど、今までとは違った形・ムードの中で開催されることは間違いないでしょう。

コスト削減やコロナ対策、関連イベントの再検討など、大会組織委員会が頭を悩ます一方、オリンピックに向けた事業戦略を大きく方向転換した企業も多いのではないでしょうか。

オリンピックに関連する情報を発信する際に、気を付けなければいけないのが「アンブッシュマーケティング」です。今回は大会の変更点と共に、五輪に“便乗”する落とし穴をご紹介します。

※本記事は、2019年10月29日にアップされた記事をリライトしたものです。

大会の変更点(2020年6月現在)

「アンブッシュマーケティング」を説明する前に、まずは広報担当者が知るべき大会の変更点をまとめます。

①東京オリンピックの日程

予定通りならば、東京五輪は2020年7月24日に開会式を迎えるはずでした。
しかし、その約4カ月前に1年程度の延期が決定。3月30日に行われたIOC臨時理事会にて、2021年7月23日に開会式を行うことが承認されました。

<2021年の日程>
7月23日(金) オリンピック開会式
8月8日(日) オリンピック閉会式
8月24日(火) パラリンピック開会式
9月5日(日) パラリンピック閉会式

②東京オリンピックの名称

21年開催となりますが、「Tokyo 2020」「東京2020」などの名称は引き続き使われるそうです。
そもそも販促や広報目的に「オリンピック」という言葉は使わないほうが良いんですけどね。

「アンブッシュ・マーケティング」とは?

ところで、なぜ「オリンピック」という言葉を使ってはいけないのでしょうか。
それはオリンピックには、名称利用に関する厳しいルールがあるからです。

「アンブッシュ・マーケティング」という言葉をご存じでしょうか。

オリンピックやワールドカップをはじめとする大規模なイベントをチャンスととらえて、公式スポンサーではない企業が関連商品の宣伝や販売を行う便乗商法を意味します。

オリンピックでは、各スポンサーに「知的財産」の使用が独占的に与えられており、その使用には厳しいレギュレーションが定められています。故意であるか否かは問わず、オリンピック関連用語などを無断で使用すると、法律で罰せられてしまいます。

それでは、「アンブッシュ・マーケティング」の具体例を見ていきましょう。
主に下記3つのパターンが当てはまります。

①名称や関連マークなどの無断使用・流用

グッズにオリンピックの正式名称やマークなどを使用すると、関連グッズなのかと勘違いされ、購入される可能性が高まります。

「オリンピックを応援します!」「がんばれ!ニッポン応援キャンペーン」など、大会と関連性があるように見せたり、広告やキャンペーンで銘打ったりすることも「アンブッシュ・マーケティング」に該当します。

オリンピック関連ワードを使っていいのはスポンサーだけです。
もちろん企業の広報・PRツールであるプレスリリースでの流用もいけません。

②虚偽のスポンサー表示

スポンサー以外の企業がスポンサーであるように虚偽の表示することも禁止されています。

スポンサーは高額なスポンサー料を払って、大会の公式なパートナーになっています。
言い換えるならば、それくらい払ってでも知的財産の商業的利用件が欲しいですし、オリンピックを応援したいと思っています。

しかし、実際には許可なくスポンサーのふりをする企業・団体が存在するのも事実です。まず、虚偽の表示をしている時点で法律違反なので、絶対にやめましょう。

③イベント付近での広告出稿・サンプル配布

会場の近くで広告活動を行ったり、イベントに向かうお客様にサンプルを配ったりする手法もあります。

大勢の人が集まっているので、かなりのプロモーション効果があるように思えますが、不正競争防止法違反になる可能性もありますので注意しましょう。

このような「アンブッシュ・マーケティング」は、IOC、IPCなどの知的財産権を侵害するばかりでなく、スポンサーなどからの協賛金等の減収を招き、ひいては大会の運営や選手強化にも重大な支障をきたす可能性があります。

オリンピック・パラリンピックに関する主な知的財産

では、何が法律で保護されているのでしょうか?

東京オリンピックを例に挙げると、まず「東京オリンピック」や「Tokyo 2020」といった名称は自由に使用することができません。

また、「がんばれ!ニッポン!」のスローガンも保護対象となります。用語以外には、五輪マークや大会の画像・映像、マスコットキャラクター、ピクトグラムなどが大会組織委員会の知的財産となります。

東京オリンピックの主な知的財産

※一部抜粋

<用語>
・オリンピック
・TOKYO 2020
・第32回オリンピック競技大会
・オリンピック日本代表団選手
・聖火
・がんばれ!ニッポン!

<その他>
・オリンピックの五輪マーク
・東京2020オリンピック、パラリンピックのエンブレム
・大会マスコット
・ピクトグラム
・大会画像
・スローガン

スポンサー料を払わずに「オリンピック」を使う方法

ここまで「アンブッシュ・マーケティング」についてご説明しました。
要するに協賛のふりは許されず、巨額なスポンサー料なしには基本的に「オリンピック」という言葉を使えないということがお分かりいただけたと思います。

ただ、お金を払わなくても「オリンピック」を自由に使える団体があります。

知的財産の使用が認められる組織/団体/事業

1. 東京 2020 大会スポンサー、RHB(大会放送権者)
2. 開催都市・各府省、および開催会場となる自治体
3. 新聞、テレビ、雑誌等の報道機関(報道目的に限る)
4. 日本オリンピック委員会、日本パラリンピック委員会
5. 地方自治体(使用できる権利、品目は組織委員会が許諾したものに限る)
6. その他組織委員会が使用を適当と認める組織/団体/事業

お気づきでしょうか?
報道目的においては全くの制約を受けないのです。「報道の自由」はここでも適用されます。

つまり、広報担当のみなさま。今がチャンスです!

メディアも2021年に向けたトピックスは喉から手が出るほど欲しいと考えています。記者がオリンピックに関連付くニュースになると判断すれば、取り上げる確率がぐっと高まります。

2021年は「東京五輪×コロナ」の情報にニーズあり?

東京五輪はもともと“震災からの復興”を象徴する大会になるはずでした。

しかし、新型コロナウイルスの感染・そして大会の延期により、“パンデミックを乗り越えて迎える大会”としての意味合いが強くなることが予想されます。

つまり情報を発信する際に、オリンピックに加えてコロナに絡めることがメディア露出への近道なのです。

例えば、このような切り口でしょうか?

・“密”を避けた移動手段
・“コロナ対策”を考えた観光施設のおもてなし
・猛暑対策“マスク”
・“オンライン”和文化体験
・“巣ごもり”観戦グッズ

キーワードから想像できるストーリーを無作為に並べてみましたが、オリンピックとコロナに紐づくモノ・サービスを、しっかりとストーリー設計して発信すれば、あとは記者が上手に組み立ててくれます。

コロナに対しての解決策を提示できる場合は、言葉のチョイスに慎重になりながらも積極的に発信してはいかがでしょうか?むしろそのような切り口を自ら作り出すことをおすすめします!

※参考文献
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 大会ブランド保護基準
https://tokyo2020.org/jp/copyright/data/brand-protection-JP.pdf

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