出版した書籍をPRする方法|新聞・テレビ・Webメディアに取り上げられる7つの施策

出版した書籍をPRする7つの施策を紹介する画像。ビジネス書、新聞、テレビカメラ、取材用マイクを配置し、新聞・テレビ・Webメディアへの書籍PR方法を解説

出版した書籍をPRする方法には、Webメディアへの寄稿・連載、新聞・雑誌の書評欄への情報提供、テレビ・ラジオへの企画提案、書店での販促、SNSなどでの継続的な発信があります。

書籍を出版したものの、「メディアに取り上げられない」「著者の知名度が低いためPRが難しい」「出版社任せでは十分に情報が広がらない」と悩んでいる著者や広報担当者もいるでしょう。

書籍のPRでは、単に「新刊が出ました」と知らせるだけでなく、その本が扱うテーマと社会の関心を結び付けることが重要です。

例えば、組織づくりに関するビジネス書なら、人材育成や離職防止などの課題と関連付けて企画を考えられます。健康に関する書籍なら、読者が疑問に感じているテーマについて、著者の専門性や根拠となる情報を紹介する方法があります。

この記事では、PR会社の実務経験をもとに、出版した書籍をメディアに紹介してもらうための7つの方法と、企画書・献本資料の作り方、発売前後の進め方を解説します。

書籍PRとは?広告・書店販促との違い

書籍PRとは、本の内容や著者の専門性、出版の背景などを社会に伝え、読者やメディアとの接点をつくる広報活動です。

書店での販売促進や広告出稿と重なる部分はありますが、活動の性質は異なります。

活動 主な内容 特徴
書籍PR 報道機関への企画提案、取材対応、寄稿など 掲載・放送の判断はメディア側が行う
広告宣伝 Web広告、新聞広告、交通広告など 掲載条件や予算に基づいて広告枠を購入する
書店販促 書店への営業、POP、フェア、店頭展開など 主に出版社・取次・書店との調整によって進める
SNS・オウンドメディア 著者や出版社による情報発信 発信内容を自ら設計できるが、拡散は保証されない

書籍の認知度や販売機会を高めるには、これらを目的に応じて組み合わせることが重要です。

出版した書籍をPRする7つの方法

ここからは、2019年公開の元記事で紹介した5つのメディア露出方法を引き継ぎ、書店販促とSNS発信も加えた7つの施策を紹介します。

出版した書籍をPRする7つの施策の図解。①Webメディアへの連載、②単発寄稿、③テレビ番組への企画提案、④ラジオ・音声メディアへの出演、⑤新聞・雑誌の書評欄への献本、⑥書店販促、⑦SNS発信を紹介

方法1:Webメディアへの連載寄稿を目指す

元記事では、書籍のPRにおいてWebメディアへの寄稿、特に連載の獲得を有効な方法として紹介しています。

連載は、書籍のテーマを複数の切り口に分けて継続的に発信できる点が特徴です。

例えば、「管理職のための人材育成」を扱う書籍なら、部下との対話、評価制度、心理的安全性、採用・定着など、読者の課題に応じたテーマを設計できます。

ただし、著書の内容をそのまま分割して提供するだけでは、媒体の読者にとって魅力的な企画になるとは限りません。

媒体ごとの読者層や編集方針を調べ、その媒体で読む価値のある独立した記事企画として提案する必要があります。

連載企画書に入れたい項目

  • 連載全体のテーマと読者への提供価値
  • なぜ今、取り上げる必要があるのか
  • 各回のタイトル案と概要
  • 著者のプロフィールと専門性
  • 根拠となる調査・取材・実務経験
  • 書籍との関係と記事の独自性

連載の掲載可否や回数は編集部の判断によります。出版社との契約や書籍本文の利用条件についても、事前に確認しておきましょう。

方法2:Webメディアへの単発寄稿を提案する

連載が難しい場合でも、単発の寄稿は有力な選択肢です。

元記事では、著者側が原稿を準備することによって、編集部が企画を検討しやすくなる可能性を説明しています。

ただし、完成原稿があれば必ず掲載されるわけではありません。媒体によっては、事前の企画提案を求めたり、編集部が取材・執筆する形式を採用したりすることもあります。

書籍の宣伝ではなく、読者の課題から企画を考える

例えば、時間管理に関する書籍なら「新刊『〇〇』発売」という情報よりも、「仕事の優先順位をつけられない管理職が見直したい3つの習慣」といった読者の課題に即したテーマの方が、編集企画として検討しやすい場合があります。

このとき、記事には著者自身の専門知識、調査結果、具体的な事例などを盛り込みましょう。

寄稿媒体の選定では、アクセス規模だけでなく、読者層、テーマとの相性、編集方針、掲載条件を確認することが重要です。

方法3:テレビ番組へ書籍のテーマを提案する

テレビ番組で書籍や著者が紹介されることは、書籍の認知を広げる機会になり得ます。

ただし、テレビに出演するためには一定の販売部数を超えなければならない、という一律の基準があるわけではありません。

元記事では、ベストセラーになることでテレビ出演の機会が広がるという考え方を紹介していました。この点は参考になりますが、実際には番組の企画内容や著者の専門性、社会的な話題性なども重要です。

テレビ向け企画で意識するポイント

  • 視聴者の生活に関係するテーマか
  • なぜ今取り上げる必要があるか
  • 実演や現場取材など映像で伝えられる要素があるか
  • 著者が分かりやすく説明できるか
  • 発言やデータの裏付けを示せるか

例えば、掃除や料理の実用書であれば、番組内で方法を実演できる場合があります。経営書であれば、著者の理論だけでなく、現場の事例を通じて企画を考える方法があります。

著書の表紙を紹介してもらうことだけを目的にせず、番組の企画として価値があるかを検討しましょう。

方法4:ラジオ番組や音声メディアに情報提供する

ラジオは、著者が考えを自分の言葉で説明できる媒体です。

元記事でも、番組の趣旨やパーソナリティーの特徴を分析し、適切な担当者に情報提供する重要性を紹介していました。

書籍の内容について長く話せることに加え、地域性や専門分野に応じた番組を選べることも利点です。

近年はラジオ放送に加え、番組の公式配信やポッドキャストなども、音声による情報発信の選択肢となっています。

ただし、番組ごとに企画募集の方法や出演条件は異なります。公式の情報提供窓口などを確認してください。

ラジオ向けの企画例

  • 著者の専門分野を生かした生活情報
  • 出版の背景にある社会課題
  • 書籍では紹介しきれなかったエピソード
  • 地域に関係する話題や活動
  • リスナーの質問に答える専門家企画

出演した場合も、番組音声の無断転載は避け、二次利用には権利者の許諾や利用条件の確認が必要です。

方法5:新聞・雑誌の書評欄や新刊紹介欄へ情報提供する

新聞や雑誌の書評欄、新刊紹介欄への情報提供は、書籍PRの基本的な方法です。

元記事では、単に「担当者様」宛てに献本するのではなく、担当者やコーナーの特性を調べ、資料を添えて送る重要性を強調しています。

現在も、媒体の担当者が短時間で本の特徴を把握できるようにするという考え方は有効です。

ただし、献本先の氏名を把握するために必ず事前訪問をする必要はありません。媒体の公式窓口や送付ルールを確認し、適切な方法で情報提供しましょう。

献本時に添えたい書籍紹介資料

  • 書名・著者名・出版社名
  • 発売日・定価・ISBN
  • 書籍の概要
  • 想定読者と読者が得られる価値
  • 最も伝えたい主張・独自性
  • 目次や主な内容
  • 著者のプロフィールと専門分野
  • 関連する調査データや事例
  • 取材可能なテーマと問い合わせ先

献本資料は、書籍を読まなくても概要を理解できるよう、要点を簡潔にまとめることが重要です。

なお、書評欄への掲載や書評内容は編集部の判断によります。献本したことを理由に、掲載や肯定的な評価を求めないようにしましょう。

方法6:出版社と連携して書店販促を行う

書籍PRでは、メディアへの情報提供と書店での販売促進を分けて考える必要があります。

書店でのフェアやPOP、著者イベントなどは、読者との接点をつくる方法です。

ただし、書店への営業活動や店頭展開には出版社・取次・書店それぞれの業務や判断が関係します。

著者が独自に書店を訪問して販促物を設置するのではなく、まず出版社の営業担当者と相談しましょう。

書店販促の例

  • 書店向け紹介資料の作成
  • 著者によるトークイベント
  • 関連ジャンルでのフェア提案
  • 出版社と調整したPOPや販促物の活用
  • 地域にゆかりのある著者・書籍の紹介

書店での取り組みをメディア向け企画と連携させる場合は、イベントの社会性や地域性、読者にとっての情報価値を整理することが重要です。

方法7:SNS・著者サイト・既存のメディア掲載を活用する

出版社やメディアへの情報提供と並行して、著者自身が情報を発信することも重要です。

例えば、X、Instagram、YouTube、note、公式サイトなどを通じて、書籍で扱うテーマや執筆の背景を紹介できます。

ただし、書影や購入リンクを繰り返し投稿するだけでは、継続的に読者の関心を得られるとは限りません。

書籍のテーマに関連する疑問への回答、事例の解説、著者の考えなど、読者にとって役立つ情報を発信しましょう。

メディア掲載情報を自社サイトへ整理する

メディアに掲載された場合は、著者の公式サイトや出版社の案内ページなどで、媒体名、掲載日、紹介内容、掲載元のリンクを整理する方法があります。

新聞紙面やテレビ映像などを転載する場合は、著作権や利用条件の確認が必要です。

また、メディア掲載を自社サイトに整理することは、読者が著者の活動を確認できるようにする取り組みですが、それだけで検索順位やAI検索での引用が保証されるわけではありません。

書籍PRで最も重要なのは「本の紹介」ではなく「企画の切り口」

書籍のPRでは、本そのものの紹介だけを企画の中心にすると、媒体の読者や視聴者にとっての価値が伝わりにくい場合があります。

例えば、組織改革について書いたビジネス書なら、「著者が新刊を発売した」という情報に加え、働き方や人材育成に関する社会課題を示す方法があります。

書籍テーマ メディア向け企画の切り口例
人材育成・組織改革 社員が主体的に行動する組織の共通点
健康・生活習慣 専門家が解説する日常生活の疑問と注意点
家計・資産形成 家計管理で見直したい基本的な考え方
教育・子育て 家庭や学校で生じやすい課題と対応方法
経営・事業承継 中小企業が直面する経営課題と対応事例

書籍の内容から社会性のあるテーマを抽出し、読者にどのような価値を届けられるかを考えることが重要です。

また、専門家による主張については、個人の経験、独自の理論、調査で裏付けられた事実を区別して説明しましょう。

書籍PRの企画書・プレスリリースに必要な情報

書籍をメディアに提案する際は、編集部が企画の価値を判断しやすいように情報を整理します。

基本情報

  • 書名・副題
  • 著者名・出版社名
  • 発売日・価格・ISBN
  • 書籍の概要と目次
  • 著者の肩書・専門性・実績

企画としての情報

  • 今取り上げる理由
  • 読者・視聴者が抱える課題
  • 書籍で示す独自の見解
  • 根拠となるデータや事例
  • 取材・寄稿・出演が可能なテーマ
  • 写真・図解・取材先などの提供可能素材

これらを1〜2枚程度の企画書にまとめる方法もありますが、媒体や提案内容に応じて形式を調整してください。

著者の経歴や書籍の販売実績を記載する際は、確認できる事実に限定します。ランキングを示す場合は、集計元、対象期間、部門などを明確にしましょう。

書籍PRはいつから始める?発売前後のスケジュール例

書籍PRは、発売後に始めることも可能ですが、発売前から準備できれば、取材や寄稿などの企画調整に時間を確保しやすくなります。

以下は一般的な進行例であり、媒体の編集スケジュールや出版社の販売計画によって異なります。

時期 主な作業
発売2〜3か月前 PR目的の整理、媒体調査、企画テーマの検討
発売1〜2か月前 著者プロフィール・書籍資料の準備、媒体への企画提案
発売前後 取材対応、寄稿・イベント、SNSでの情報発信
発売1〜3か月後 書評・新刊紹介の確認、追加企画の提案、実績の整理
発売後の継続期間 社会的な話題や季節のテーマに合わせた再提案

書籍のジャンルや媒体によっては、さらに長い準備期間が必要な場合があります。

また、発売後も、関連する社会問題が注目されたときや、著者の研究・活動に新たな展開があったときには、別の切り口で企画を提案できる可能性があります。

出版社・著者・PR会社の役割分担

書籍PRを円滑に進めるには、誰が何を担当するのかを明確にすることが重要です。

担当 主な役割の例
出版社 書誌情報の管理、販売・書店営業、販促計画、書籍の権利確認
著者 専門情報の提供、取材・寄稿への対応、SNSなどでの情報発信
PR会社 媒体調査、企画立案、メディアへの情報提供、取材調整、成果の整理

実際の分担は契約や体制によって異なります。出版社の広報部門がメディア対応まで担当する場合もあります。

出版社とPR会社が重複して同じ編集部に提案したり、異なる説明を行ったりしないよう、活動状況を共有しましょう。

書籍PRの成果をどう測定する?

書籍PRの成果は、メディアへの掲載件数だけで判断するものではありません。

例えば、次のような指標を目的に応じて確認します。

評価の視点 指標の例
情報提供活動 企画提案件数、取材依頼への反応
メディア露出 掲載・出演件数、媒体とテーマの適合性
情報の伝達 書籍の主張や著者の専門性が紹介されたか
読者の行動 公式サイトへの流入、イベント申込、問い合わせ
販売への影響 販売動向や追加注文など確認可能な情報

ただし、書籍の売上には書店展開、広告、口コミ、季節要因など複数の要素が影響するため、メディア掲載だけの効果を正確に切り分けることは簡単ではありません。

また、広告換算額はPR活動の価値や投資対効果を直接示す指標ではありません。露出した事実に加え、伝えたい内容が届いたか、読者の行動につながったかを確認しましょう。

書籍PRに関するよくある質問

Q1. 無名の著者でもメディアに取り上げられますか?

可能性はあります。著者の知名度だけでなく、テーマの社会性、専門知識、独自の調査、読者や視聴者にとっての価値などが企画の判断材料になります。ただし、掲載・出演が保証されるものではありません。

Q2. 出版後でもPR活動を始められますか?

はい。発売後でも、社会的な話題との関連、著者の新しい活動、書籍で扱うテーマの継続的な重要性などを切り口に、情報提供することができます。

Q3. 献本すれば書評を書いてもらえますか?

献本だけで書評が掲載されるわけではありません。編集部の方針や関心に合うかどうかが重要です。送付ルールを確認し、書籍の概要や特徴を分かりやすく伝える資料を添えるとよいでしょう。

Q4. 書籍PRではテレビとWebメディアのどちらを優先すべきですか?

書籍のテーマ、対象読者、著者の専門性、PRの目的によって異なります。専門的なテーマを詳しく解説できるWebメディアが適する場合もあれば、映像で伝えられる実用的なテーマがテレビに向いている場合もあります。

Q5. 出版社以外にPR会社へ依頼する意味はありますか?

出版社の販売・宣伝活動を補完し、書籍のテーマを社会的な企画に変換して幅広いメディアへ情報提供する役割が考えられます。ただし、具体的な業務範囲や成果指標は事前に合意する必要があります。

Q6. 書籍がメディア掲載されたら自社サイトに紹介してよいですか?

媒体名、掲載日、紹介内容などを正確に記載する方法があります。ただし、新聞記事の本文、雑誌の紙面、番組映像、メディアのロゴなどを転載する場合は、権利や利用条件を確認してください。

まとめ|書籍PRは著者の専門性を社会の関心と結び付ける

出版した書籍をPRするには、Webメディアへの連載・単発寄稿、テレビ・ラジオへの企画提案、新聞・雑誌の書評欄への情報提供、書店販促、SNSでの発信などを組み合わせる方法があります。

重要なのは、書籍の宣伝だけを目的にするのではなく、読者や視聴者にとって価値のあるテーマを明確にすることです。

元記事で紹介した5つのメディア露出の考え方は、現在でも参考になります。一方、具体的な媒体の選び方、企画内容、送付方法などは、現在の編集方針や媒体環境に合わせて検討する必要があります。

書籍PRの中心は、著者の知名度だけではありません。その書籍だからこそ伝えられる情報を、適切なメディアと読者へ届けることです。

出版前後の情報発信を計画し、メディアPRと書店販促、SNSでの活動を連携させながら、継続的に書籍の価値を伝えていきましょう。

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