素晴らしい“巻き込み力”

こんにちは。
東日本大震災から2カ月が経ちました。
岩手県出身の私にとって
この2ヶ月は、本当にいろいろな事を考えさせられる日々でした。
これから厳しい復興の道が続きますが
1日も早く、笑顔があふれる土地に戻ることができますよう
心よりお祈り申し上げます。
この震災の後、
企業のコミュニケーション活動は
さまざまな形を成していました。
御社も、企業としてどんなコミュニケーションを行うべきか
悩まれたのではないかと思います。
今日は、震災直後に
素晴らしい“巻き込み力”を感じたコミュニケーションについて
ご紹介したいと思います。
数億円の寄付やチャリティイベントのような活動ではありません。
個人対個人のコミュニケーションが
多くの人間を巻き込み、波となり・・・
多くの人を救ったお話。


私がご紹介したいお話の主人公は、
あるメーカーの女社長。
女性に大人気の商品を扱う企業の創業社長です。
彼女は日頃からtwitterを活用しており
プライベートなことから仕事のこと、
自社の商品のことまで、毎日つぶやいています。
震災が起きた直後
彼女はすぐに行動を起こしました。
企業の活動としてではなく、一個人の活動として
自らレンタカーを借り、物資を詰め込み、被災地に向かったのです。
その後彼女は、twitter上で物資の募集を始めました。
専用アカウントを開設し
「何か提供できるものがある人は、このアカウントをフォローし、つぶやいてほしい。
集荷場所は東京都港区。自分で持ってこられる方に限る。
連絡先は、ダイレクトメッセージで送る。」と。
すると、そのアカウント宛には
個人から大量の物資提供ツイートが寄せられました。
「未使用のブーツと、古着はどうですか」
「オムツ1箱だけでも、良いですか」・・・
集荷場所はあっというまに物で溢れ返ったそうです。
彼女の行動はしだいに、多くの企業や著名人の心をも動かします。
たくさんのメーカーから物資提供を申し出が届き、
著名なミュージシャンからは「自分も連れて行ってほしい」と志願され、
共に被災地に向かいました。
政治家も数名、「一緒に行きたい」「応援させてほしい」と彼女の元に訪れ
実際にトラックの荷台に乗って、東北に向かった方もいたそうです。
実は、彼女の会社の仙台支社も被災し
システムがダウンするなどの問題が起こっていたのですが、
社長の行動に誇りに思っていた社員たちは、懸命に会社を支えました。
震災から約1か月の間に、
彼女の東北―東京往復は、10回以上にものぼりました。
きっと彼女は、
自分や自社の名を売ろうなど、カケラも考えていなかったでしょう。
ただ自分にできることを行ったのだと思います。
しかし結果的に
彼女の行動をtwitterなどのWEB上で知った多くの人々は
その凄まじい“巻き込み力”に心を揺さぶられ
経営者である彼女を支える会社自体にも、
好感を持ったのではないでしょうか。
震災から2か月。
彼女の会社の新商品展示会は予定通り開催され、
芸能人なども多数訪れる、華々しいものになりました。
自社のWEBショップも、リニューアルオープンを成功させています。
どんなコミュニケーション活動においても
発信する企画の面白さや商品力は重要な要素です。
しかしターゲットの心に残るコミュニケーションがしたいのなら、
巻き込み力が必要不可欠ではないでしょうか。
たくさんの人を“巻き込む”には
その目的や想いがまっすぐに伝えわってくることが重要です。
揺るぎない愛情や情熱があることは必須条件です。
ひとりよがりな情報発信は、ターゲットの印象に残りません。
個人個人のコミュニケーション領域が際限なく広がっている今の時代に
多くの人を巻き込み、心を震わせ
「巻き込まれたい!」と思っていただけるようなPRを
私もしていきたいと思います。

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