広報塾

キー・オピニオン・リーダー(KOL)を活用したPR・コンテンツ開発

早いもので12月に入りましたね。既に年末年始進行になっているメディアも多く、PR業務に携わる方は、いつも以上にカレンダーを意識しながら仕事を進めていると思います。また今年は、インフルエンザが例年よりも早いタイミングで流行し始めてるようです。体調管理にも十分に気を付けたい時期ですね。

さて、インフルエンザのような「健康・医療情報」にまつわる案件のPR・マーケティング手法では、その分野の専門家で世の中への影響力が高い「キー・オピニオン・リーダー(KOL)」を活用した情報発信が多くみられます。このようなマーケティング手法を手掛ける際の基本的な活動ポイントを、PR(広報)戦略の観点から見て、何点か述べたいと思います。

①キー・オピニオン・リーダーを選定する


キー・オピニオン・リーダー(KOL) とは、医師や研究者や評論家など、その分野の専門家や権威として論調を牽引する人物を指します。特に健康情報や医療情報など、高度な専門分野における情報発信では、キー・オピニオン・リーダーがわかりやすい言葉で解説、説明することが、一般の理解を深め、信頼を醸成することにつながります。そのため、製品やサービスと関係が深い分野のキー・オピニオン・リーダーと協力関係を保ち、ポジティブに情報発信を行うことで幅広く共感を得られるよう、働きかけます。

その候補となる人物の選定においては、論文や著者情報、学会・研究会の情報などから業界内の影響力を鑑みて候補を選定、リストアップすることがスタンダードです。そして、自社のマーケティング(広報、PR)活動に協力いただけるか否か、依頼要素を整えた上でアプローチを行います。あくまでも、主導権はキー・オピニオン・リーダーにあるので、具体的な条件を示し、何をどこまで協力いただけるのか議論を交わし、交渉を進める必要があります。

このようなプロモーション施策は当たり前のように実施されていますが、何を目的として協働するのか、何をしてもらいたいのか、その効果はどの程度あるのかなど十分考慮した上で協働依頼をかけなければなりません。

PR視点で外せない要素としては、イベントやセミナー、シンポジウムへの出演、リリース作成やファクトシートの監修、メディア露出の際に専門家として協力いただけることなどが挙げられます。「影響力」を存分に活用し、自社の事業領域のマーケティング活動において協働することで、PR成果を上げることを目指します。

②エビデンスを準備、整理する


キー・オピニオン・リーダーを活用したPR活動では、エビデンスの準備が必要になります。この場合のエビデンスとは、臨床結果や科学的な裏付け根拠、といったニュアンスを指します。(製品開発の段階から、キー・オピニオン・リーダーとなりうるドクターなどと協働し共同開発をすすめる場合もありますが、今回は既存のエビデンス情報を基にPR戦略を考えるケースを想定します)

選定したキー・オピニオン・リーダーとの交渉時には、事前に整理したエビデンス情報を用意し依頼内容の相談を行います。特に、健康・医療・美容などのビジネスでは薬機法(旧薬事法)の様々な規制に則した表現方法が求められます。十分に対策を練った上で、間違いのないエビデンスを用意しましょう。

当然ですが、メディアは誤った情報を発信するわけにはいきませんので、健康・医療情報をアプローチする際には、しっかりとした裏付けされたエビデンス情報があることに加え、キー・オピニオン・リーダーがその情報を代弁してくれることが、重要になります。

③専門性の高いニュースとして発信する


キー・オピニオン・リーダーの協力を得てエビデンスの情報整理が出来たら、いよいよ情報を発信する段階となります。イベントやセミナーなどで発信する他、新たな情報であればプレスリリースとして発信することも可能です。また、メディア向けのファクトシートとして情報をまとめた資料を作成しプロモート活動に活用することも十分に有効です。

もし新規のニュース性に乏しい場合には、その分野に関連した「アンケート調査」を実施し、調査結果をプレスリリースにまとめ、ニュースとして公表することで情報拡散することも可能です。その場合、アンケート調査の結果内容に、キー・オピニオン・リーダーの監修を添えることで、より専門性の高いニュース情報として発信することが可能になります。

以上、3点のポイントを列記しましたが、キー・オピニオン・リーダーの活用はPR活動に欠かせないマーケティング手法ですので、是非積極的に新たなコンテンツ開発を進めていただければと思います。

参考事例です。

メディアにもよく取り上げられる話題だが競合も多い場合の解決策を提示した「キー・オピニオン・リーダー(KOL)」がよくわかる事例です。

【参考事例】病気の啓蒙によるクリニックのPR
https://www.cd-j.net/work/clinicpr/