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「タピオカミルクティー」大流行に見るブームの法則

皆さんはここ数年、ティーン世代を中心に「タピオカ」がブームになっていることをご存知でしょうか。

テレビ番組の特集コーナーで行列を作る若者たちの様子が映し出されたり、ティーンの聖地である原宿、表参道エリアには30店舗以上のタピオカ屋さんがオープンしています。それだけでなく最近では業務スーパーや、コンビニの新商品でタピオカ入りドリンクが並ぶこともあり、誰でも手軽にタピオカを味わうことができます。

そんな爆発的に市場が拡大している「タピオカ」について、歴史的背景や戦略面から、若者に刺さるブームの法則をまとめました。

そもそも「タピオカ」とは

タピオカの原料は「キャッサバ」という芋の一種で、モチモチ食感はでんぷん質でできています。実はこの原料のキャッサバは生の状態だと有毒な成分が含まれており、加工品以外は国内に輸入することを禁じられています。

そのキャッサバから取ったでんぷん質を水で溶き、加熱し、粒状にして乾かしたものがみなさんのよく知る「タピオカ」になります。昨今のイメージのあるミルクティーに入っているブラックタピオカは、これにカラメル色素や黒糖などを加えているそうです。

女性人気の高い「タピオカ」ですが、実はカロリーが高いこともご存知でしょうか。乾燥状態のタピオカ100gあたりのカロリーは約351kcalだそうで、ごはん100gあたりのカロリーが約168kcalなため、比較するとタピオカがいかに高カロリーであることが分かります。

なぜ「タピオカミルクティー」は流行ったのか

「タピオカミルクティー」の流行を見て、ただ、インスタ映えするからと思っている方も多いかもしれません。もちろんそれも一つ要因と考えられますが、それだけが原因ではないと考えます。

そこでブームの理由を勝手ながら分析しました。

1、歴史から紐解くタピオカブーム

日本でのタピオカの歴史
(第一次タピオカブーム)
・1992年 エスニック料理ブームに乗り「タピオカココナッツミルク」が話題に

(第二次タピオカブーム)
・2003年 日本初のタピオカショップ「パールレディ」が誕生
・2009年 台湾タピオカティーブランドが続々日本出店

(第三次タピオカブーム)
・2013年 「春水堂」が日本初出店
・2015年 「ゴンチャ」が日本初出店
・2017年 「THE ALLEY」が日本初出店

タピオカミルクティーが本格的に日本に上陸したのは、2013年といわれております。台湾で人気のある春水堂の初出店がきっかけです。

実は現在のタピオカブームは第三次と言われており、第一次は1990年代初め。当時は、ココナツミルクに白いタピオカが入ったものが人気となっていたそうです。その後、2003年日本初のタピオカ屋さんパールレディの誕生や、台湾のタピオカドリンク店が日本に上陸をして第二次ブームを巻き起こしました。

そこから現在進行形のタピオカブームが第三次タピオカブームと言われており、加速させた火付け役として「春水堂」「ゴンチャ」「THE ALLEY」の3社が中心と言われております。その他にも数々のタピオカ屋さんが全国各地に出店しています。

流行は繰り返されるとはよく言いますが、その通りに5~10年程度のペースで「タピオカブーム」も繰り返されていることがわかります。

2、「ティーンのアイコン」としてSNSや若者との親和性が高い

第二次タピオカブームとの大きな違いはSNSの浸透です。SNSネイティブな若い世代は、常に新しい発信できるものを求めています。「○○ちゃんの投稿をみたから行ってみた」という投稿をし、感覚を共有することを非常に好みます。
そこで500円~700円程度でその体験や共有ができる「タピオカミルクティー」は非常に重宝されているのではないでしょうか。

2018年の『JC・JK流行語大賞』のコトバ部門の1位に「タピる」がランクインしています。主にタピオカティーを飲むときや飲みたいときに使用されているそうで、今やタピオカは若い子たちには当たり前のワードとして認知されています。
この言葉は恐らく自然発生的にできた言葉だと思いますが「タピりたい」「タピった」など動詞として“会話のなかで使用できる”というのも流行が生まれる重要なファクターの内の一つでしょう。

また、タピオカに並ぶのはティーン世代の女性が中心です。その行列の中をスーツ姿の男性が並ぶことはまず難しいでしょう。この限定的なターゲティングもタピオカ人気を支えている要因の一つと考えられます。このおかげでティーンの流行という世界観が持続し、電車に乗ってでも行きたいホットスポットとして、タピオカミルクティーは生きてられているのです。

3、ただの「タピオカ屋さん」ではなく「ティースタンド」として計算された戦略

第三次タピオカブームの特徴の一つとして、「ただのタピオカ屋さん」としてではなく、ミルクティーにこだわり、より香りがよく味わい深い「ティーカフェ」「ティースタンド」として出店していることも挙げられるでしょう。今まで飲んだことないくらい美味しいミルクティーが500円~700円というコスパの良さで飲めるのも特徴です。

日本ではあまり馴染みはないかもしれませんが、台湾では学生のみならず、おじいちゃんおばあちゃんも利用しており、幅広い世代に人気を誇っているそうです。
また、台湾のタピオカ人気店「ゴンチャ」の日本法人社長 葛目良輔さんもインタビューでこう答えています。

「大ヒットは狙わない考えで、ブームを起こしたくなかったんです。なぜならブームには必ず終わりが来るから。ブームではなくずっと長く続くスタイルを作ろうと考えました。…(中略)
お茶を使ったカフェ、ティーカフェですと言うことにしました。なぜそうしたのかというと、たとえばスターバックス。高校・大学生はスターバックスが大好きです。でもOLになったらスタバなんてもう子供だよねってならないですよね。スターバックスは広くいうとカフェです。カフェというのは流行り廃りというよりも、もはやスタイルとして受け入れられている。」

参考:https://markezine.jp/article/detail/30036

今は、一過性のブームのようにとらえられている第三次タピオカブームですが、このまま一過性のブームで終わるのか、それとも「ティースタンド」、「ティーカフェ」として長く日本に浸透し続けるのか今後の同行に注目してみると面白いかもしれませんね。

流行リサーチから見た、ブームの法則

・若者へのアプローチは、安価で体験ができ、SNSで体験を共有できるものがよい
・過去のブームと同じ商材でも、別の切り口で「当たり前」として認識させる努力
・突発的なブームを起こすのでなく、「一貫した戦略」を考える