こんにちは。
さて! いよいよ上陸です!
何がですかって!?
もちろんアップルブランドの携帯電話、iPhone(http://www.apple.com/jp/)です。
日本の店頭に並ぶのは、今日から10日後の7月11日。
すでに新聞、テレビ、雑誌には、連日iPhoneの話題が踊っています。
注目が集まっているのは、デザインのスタイリッシュさもさることながら、音楽や動画の視聴に特化しているエンタテインメント性。
iPhoneはまずはソフトバンクモバイルのキャリアから発売となることからか、対抗するドコモもauも、目下、動画や音楽配信にフォーカスしたキャンペーンを展開中です。
また、今年6月、米ネットワーク機器最大手のシスコシステムズは、オンラインビデオ(ウェブ動画)が世界のデータ通信の最大のけん引役となり、インターネットのトラフィック量が2007年から2012年の間に6倍増加すると予測したと発表しています。
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/media/djCFJ7896.html
昨年末、YouTubeやニコニコ動画が大旋風を巻き起こし、PCベースのインターネットはすでに静止画から動画の世界に突入しています。
そして、iPhone上陸で、PCのみならず携帯電話のインターネットコンテンツも、
いよいよウェブ動画が当たり前となることは間違いありません。
つまり、今インターネットマーケティングが大きく変革の機を迎えているのです。
動画や音声がフィーチャーされた、インターネットマーケティング。私たちPRマンにとって、この新しいインターネットマーケティングをどのようにして商品やサービスのプロモーションに反映させるかについて把握することが急務です。何がこれから変わっていくのでしょうか?
静止画と動画の違いは、マーケティング的に目を向ければ、まず、SEO、SEMの影響力です。
静止画のウェブコンテンツでは、マーケティングといえばSEOとSEMがメインテーマと言っても過言ではありません。しかし、ウェブ動画コンテンツにはSEOやSEMの概念が通用しづらくなることは、明白でしょう。
もちろん、動画や音声のコンテンツにも何らかのタイトルや説明文は添えられます。
しかし、テレビ番組の内容が番組表の解説だけでは想像しきれないように、動画の本編には、タイトルや説明文からは推し量れない情報量が詰まっています。
また、動画コンテンツでは、静止画以上に見た目そのもの(表記されている文言等)よりも視聴者の心に響いた何かが話題として大きくなってしまうことが、少なくありません。
静止画がSEMやSEOによるロジックありきに対して、動画は感性勝負なのです。
たとえば、こんなエピソードがあります。
Amazonで、ある日突然玩具のハシゴ車が売れ出しました。それまで、全然売れそうになかったハシゴ車が突然、Amazonの売れ線である、CDや書籍に混ざってランキングに入ってきたのです。
買った人々の動線を辿ってみれば、なんとニコニコ動画に行き着きました。動画共有サイトのニコニコ動画です。同サイトに猫が食器棚から降りられなくなって困っている動画が投稿されていたのです。
そしてその横には、玩具のハシゴ車の商品広告が掲載されていました。
偶然のめぐり合わせでした。動画を見て猫をかわいそうに思った視聴者たちは、「食器棚から降りられない猫に、ハシゴ車を!」という思いから、玩具のハシゴ車に購買意欲をかき立てられ、ハシゴ車が売れに売れた…という嘘のような本当の話です。
ニコニコ動画は、各動画コンテンツに対して視聴者がチャット形式でコメントを付けられるのですが、この機能が口コミ効果を誘引し、ハシゴ車の馬鹿売れ現象につながったようです。
こんな展開には、SEOもSEMも対処のしようがありません。
このように、動画コンテンツには、俗にバイラルと呼ばれる口コミ効果が非常に大きな影響を与えるようです。これは、『明日の広告』(アスキーメディアワークス刊)の著者である佐藤尚之氏によれば、「ネオ(現代)茶の間現象」によるものだとか。
つまり、インターネットが普及する以前の茶の間ではテレビを中心に家族全員が集まって、番組談義を楽しんだ…それが、一旦ライフスタイルの多様化でバラバラになって崩壊する。
今、動画共有サイトや携帯サイトの動画を、家族ではなく不特定多数の仲間とあーだこうだと意見交換する「ネオ茶の間現象」となって戻ってきた…と。
では、そのバイラルされやすい動画コンテンツを制作するコツとは、どんなことなのでしょうか?
いろいろありますが、以下のようなことが考えられます…。
1.SMO(Social Media Optimization)、つまりSNS等のソーシャルメディアに対するアクセス向上対策の実施。口コミに強いメディアの積極的な利用ということ。
2.自社サイトだけでなく、動画共有サイトも利用する。視聴者数の増大化を狙い、バイラルの可能性を高める。
3.コンテンツは、瞬間芸的な短い尺のものを、連続的にまとめて公開する。短時間で完結するコンテンツのほうが、インパクトが強く、話題になりやすい。連続性があることで、視聴が習慣化される。
また、こうした流れを汲んでか、インターネット広告にも、アドワーズ、オーバーチュアに代表される検索エンジン連動型以外の新しいシステムが登場しています。
たとえば、携帯電話用広告の新しいサービスとして、広告の内容に応じてコンバージョン率の高いサイトを分析し、自動的に広告を配信するというタイプのアドパワープラス(http://adpp.com)がリリースされています。
グーグルはアドセンス・フォー・ビデオという、まさに動画のための広告サービスをアメリカ国内向けに開始しています。
iPhoneとともに、本格的に動きだしそうなウェブ動画マーケティング。ほんの少しだけご紹介しましたが、従来のインターネットマーケティングとは大きく変わっていきそうなことを、感じていただけたでしょうか?
長くなりましたが、7月2日にウェブ動画マーケティングに関する解説書、
『心に響くウェブ動画マーケティング。』(インプレスジャパン)
http://www.amazon.co.jp/dp/4844325841/
が発売されます。
続きは、こちらをご覧ください!
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