広報塾

目に見えない思いを社会に伝え、ブームを巻き起こすには

こんにちは。
遅ればせながら、なのですが、
話題の単行本、『余命1ヶ月の花嫁』(マガジンハウス刊)をようやく拝読しました。


「余命は1ヶ月」と宣告された長島千恵さんの、
“物語”ではない、“現実の記録”が、この『余命1ヶ月の花嫁』です。
ドラマとしても放映されています。
http://www.tbs.co.jp/hanayomecaravan/tv/prgm.html
主人公となる長島さんは、23歳になって間もなく乳癌だと診断されました。
それから約1年後、乳房を切除。施術の翌年、癌は肺、骨への転移が判明。
「みなさんに明日が来ることは奇跡です。
それを知っているだけで、
日常はしあわせなことだらけで、溢れています」
この一文は、そんな長島さんが、
亡くなる1ヶ月前にmixiの日記に書き込んだメッセージです。
彼女のページは削除されることなく、現在もmixiに存在し、
亡くなるまでの約1ヶ月間の生きざまは、
ニュースの特集やドキュメンタリー番組としても、何度か放送されています。
そして番組を見て、書籍を読んで、彼女の生涯に共感した人々が、
個人ブログやSNS上、またamazonなどでの書評他で、
感じたことを思うままに発信するようになりました。
口コミが口コミを、輪となってブームを呼び、話題を集めています。
20代前半の女性の、癌という恐ろしい病との闘病生活に、
多くの人々が共感したから、こんなにも多くの方が、感動し、
口コミが生まれたのでしょうか?
答えは、「No」でしょう。
私がなぜそう考えたのか、今週の告知のあとで聞いてください。
『余命1ヶ月の花嫁』は、
ただ単に、一人の女性の闘病生活を著したものではありません。
この1冊の本の制作は、
「若年性乳がんについてもっと知って欲しい。
若い人には自分と同じ思いを味わって欲しくない。
がんとの闘病中の思いを、同じ若い人に伝えたい」
という、長島千恵さんの気持ちを、
彼女の一人の友人が、TBS報道記者へ訴えたところから始まっています。
しかし出版されてみると、本書は「闘病生活に悩む若者」への伝達だけはなく、
「健康に毎日生きている世間一般の多くの人々」の心をも動かしました。
筆舌に尽くしがたい痛みの中、長島千恵さんは、周囲の人々へ、
「毎日、感謝、感謝」
「感謝しきれない“感謝”」
「ありがたい」と、表現し続けたことを、この本は伝えています。
亡くなる1ヶ月前、mixi上に本人が書いた日記の最後の一文は、
「幸せです」で、締めくくられていました。
特別なことがなにひとつない、普通の1日であったとしても、
実は、“明日が来ることが奇跡”だということを
本書によって私たちは気付かされます。
心を動かす出来事や、感動を周囲に伝えたいというメッセージは、
人のココロを動かし、共感させます。
ブランドイメージをターゲットへ届ける、マーケティング活動においても、
この作用は重要視すべきだと、PRマンとして気付かされました。。
この1冊がきっかけで、“感謝の気持ち”の大切さだけではなく、
ピンクリボン活動(乳がんで悲しむ人をなくす運動)を知り、
啓蒙活動に共感する方々も増えています。
http://www.j-posh.com/
実際に、わたしが扱うPR案件に、ヒトでもなく、モノでもない、
“(クライアントの)メッセージ”の発信というオーダーがありました。
そして、「ありがとう」を誰かに送るキャンペーンを張り、
大成功を収めることができました。
目に見えない思いを、ターゲット(社会)に共感してもらい、
口コミの展開、ブーム巻き起こすには、
『余命1ヶ月の花嫁』のように、感動を共有させるような要素が
必須であると、今感じています。
最後に、
長島千恵さんの勇気や、病気の中でも、父親や彼氏、家族の方や友人に対し、
「日々、感謝、感謝」と笑顔で語る、凛とした彼女の姿勢に敬意を表しつつ、
ご冥福を心からお祈りしたいと思います。

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