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【元新聞記者が語る】 写真が良いと記事になりやすいワケ

こんにちは。

最近雨の日が続きますが、ときおりのぞく秋晴れの空にカメラを向けたくなる人も多いのではないでしょうか。
初めての投稿なので自己紹介をさせていただくと、私は以前、地方の新聞社で記者をしていました。

取材や撮影、原稿執筆だけでなく、長年紙面のレイアウトを担当していたので、記事の内容はもちろんのこと、写真が良いといかに紙面の扱いに影響するかをお伝えしたいと思います。

紙面の構成を考えるとき、まず最初に出稿メモと呼ばれるもので当日の原稿のメニューや内容、予定の行数を確認します。どの記事をトップに置いて、どの記事とどの記事を近くに配置して…。
それぞれの面積を考えながら1ページをバランスよく配置します。

このとき重要なのが、写真が良さそうな原稿をトップか中央の位置に置き、写真を目立たせてメリハリを付けること。

写真だけ先に出稿されている場合は、それらをチェックしながら何を何番手にするかを考えます。
写真の大きさにメリハリがなくなると、読者はどこから読めばいいかわかりづらく、また文字ばかりだと読む気が失せてしまいますよね。

では、新聞の紙面にとって「良い写真」とはどんなものだと思いますか?

・子どもや動物が写りかわいらしいもの
・人が大勢写っていたり、動きや表情、活気、躍動感が伝わるもの
・インパクトや意外性があるもの
・季節や気候が伝わるスケッチと呼ばれるもの
・企業の宣伝色がなく社会性のあるもの…

例えば出稿メモを見て、

「男子高校生がシンクロナイズドスイミングを披露した話題は、きっと躍動感のある楽しい写真だろうからトップにしよう」

「中秋の名月を前に菓子メーカーが地元園児に月見団子を配った記事は、季節感があるし子どもの表情にほっこりできるから中央に置こう」

といった具合に決めていきます。

このとき明らかに会議写真しか出てこなさそうな話題や、テープカットシーンしかなさそうな施設オープンの記事は掲載の優先順位が低くなり、写真も没になる可能性が高くなります。

イベントの予告記事なら開催場所で準備に汗を流す市民の表情を、書籍を出版するというニュースなら本を持っているだけのポーズ写真ではなく、本の内容や人柄が分かるような場面づくりを、といった工夫で驚くほど掲載される確率はアップします。

単なる資料やイメージ図、人が全く写っていないものは掲載されたとしても扱いは小さくなるでしょう。
もちろん実際に出稿された写真を見て、レイアウトを変えることもよくあります。

つまり記事を出稿する側の記者は、写真が良くないとせっかく書いた自分の記事の扱いが小さくなるので、なるべく写真映えがするような話題を探しているのです。

ですので、プレスリリースの段階で取材時のビジュアルイメージや提供できる写真を伝えることは、取材を決めるときの大きなポイントになります。

以前、クロマグロの完全養殖を成功させた近畿大学が豊田通商との提携関係を拡大し、大量生産を始めるという記者会見を行いました。

このとき会場で記者たちが養殖と天然のマグロを食べ比べて記事が書けるようセッティングしただけでなく、大人の体より大きなマグロの模型を置いて目を引くしかけを作りました。

結果、参加したマスコミ関係者は100人以上。

東北から九州の地方紙を中心に、模型と一緒に豊田通商の社長らが並ぶ写真が掲載されました(※NHKや民放のニュース、ワイドショーでも映像が流れたそうです)。

通常はただ産学両者のトップが握手するような場面ばかりで、原稿のみの掲載になることが多いなかでビジュアル面を工夫し実った一例だと思います。

どのような場面をつくると記者が取材に来てくれるのか。
もしお困りの際はお気軽に弊社にご相談ください。

※参考「なぜ関西のローカル大学『近大』が、志願者数日本一になったのか」(光文社)