アプローチすべきメディア担当者の絞り方
皆さまはメディアにアプローチする際、相手をどのように決めますか?
初めてコンタクトを行う=連絡先が分からない相手なら、新聞、雑誌、WEB媒体問わず、おそらく以下のようなプロセスが発生するのではないでしょうか。
1、提案したいテーマに近いテーマを扱った記事を探す
2、記事を書いた記者の名前を調べる
3、電話またはメールで編集部にアプローチする
4、記者に取り次いでもらう
5、PRしたいものを提案しつつ、記者の連絡先を教えてもらう
ここで問題となるのは、③と④です。
③は媒体にもよりますが、誌面に電話番号やメールアドレスといった連絡先を載せていなければ、そもそもアプローチ自体が難しいです。④は、②の該当記事が記名ではなかった場合、相手を特定できません。
③は月刊メディア・データやマスコミ電話帳といった、媒体の連絡先が網羅されている資料を使えば解決しますが、④を解決することはなかなか難しいです。おそらく、以下のような問い合わせを行うハメになります。
「○月○日に掲載されていた、○○という記事のご担当者様にお取次ぎいただけないでしょうか?」
もし、これで繋いでもらえれば問題は解決しますが、それは相当ラッキーなケースと言えます。
なぜなら、他の記者の記事を事細かに覚えている記者は少ないためです。
皆さまも、同じフロアで仕事している人に対し、「あの人、どんな仕事をしているんだろう?」と思ったことはありませんか? その感覚と同じです。
よって、多くの場合、「すいません。ちょっと担当者は分からないですね…」といった応対をされることでしょう。ここで引き下がり、記者の名前を調べ直すという手もありますが、時間を無駄にしたくなければ次のお願いをしてみましょう。
「それでは、○○副編集長をお願いいたします」
副編集長は、総合的な判断を行う編集長と、現場の記者を取り持つ立場の人です。つまり、ここに繋がると、掲載の決定権を持つ編集長と、ネタを欲する記者両方に紹介してもらえる可能性が高くなります。媒体によっては、たとえば人数が少ない編集部は副編集長を置いていないケースもあるので、そうした場合は編集長に直接提案する方が早い、なんてこともあります。
では、このようなキーパーソンを特定するにはどうすればいいのでしょうか?
答えはシンプル。媒体の奥付を見ればいいのです。
奥付をアプローチの資料として活用する
奥付とは、雑誌や書籍に記載されるスタッフクレジットのことです。
発行人:○○○○、編集人:××××などと書かれているアレです。
雑誌は定位置が決まっていないためバラバラなところにあります。一方、書籍はほとんど末尾に置かれているため、皆さんもイメージしやすいのではないでしょうか。ビジネス雑誌の場合、編集長以外にも多くの役職が記載されています。また、WEB版のスタッフが併記されているケースも少なくありません。
これらを確認して、どのくらいの人数で作られているのか、どの人が本誌とWEB版両方に関わっているのか、といった様々なデータを分析・蓄積することで、アプローチの確度を高めることができます。
また、奥付で名前を知ることで、後で記事を調べる時にも、
「○○記者は、この分野とこの分野の記事が多いな…ということは、こういうネタにも興味を持つかも?」
といった予測もしやすくなります。
逆に書籍は、編集部の電話番号が記載されていることが多い反面、担当編集の名前が載っていないケースが見受けられます。
しかし、新聞や雑誌と比べて関わっている人数が少ない=編集部内で特定が容易なため、編集部に電話さえできれば、「書籍名+担当者いますか?」で取り次いでもらえる可能性が高いです。
※ちなみに豆知識ですが、よく目にする「発行人」とは、その本の責任者のことであり、実作業を進める編集者ではありません。
まとめ
このように、奥付はメディアアプローチする上で、キーパーソンを探し出すのに役立つ「名簿」として活躍するのです。
また、雑誌なら人事異動による編集部の変化を教えてくれたり、書籍ならライターや、監修を担当した専門家が分かるなど、新たな外部協力者を知る資料にもなります。
そこからまた新たなリレーションが生まれる可能性がありますので、ぜひ注目してみてください。