話題の『ChatGPT』広報業務でどう活用する?

チャットGPT画面のスマートフォン

『ChatGPT』が大きな注目を集めています。
基本的にPCやスマートフォンで、無料でも使えるサービスで、質問や相談事項を入力するとAIが瞬時に答えてくれる人工知能ツールです。
オープンAIのアカウント登録を行えば誰でも使用できるので、爆発的に利活用が増えています。

この話題のAIチャットボットを広報活動に活かすには、どのような方法があるのか、その活用法を考えてみたいと思います。

産経新聞社が先月実施したアンケート(主要118社を対象)によると、対話型AIの『ChatGPT』について、5割超の企業が「業務での活用を検討している」と回答しています。
一方で、“ルール作りを整えている段階“という企業も多く見られ、「利用のための規則を定めたガイドラインを策定済み、または策定を検討している」という企業は7割に上りました。これから同ツールの利活用が本格化されていくのではないかと推測されます。

では、広報活動で活用するにはどのような使い方があるのでしょうか。
まずは“実際にChatGPTに質問した回答”の一部を下記に記します。

『ChatGPTで広報活動』の質問に対する一部回答例

「プレスリリースの作成」に対する回答例

プレスリリースは、新製品やイベントの発表、重要なニュースなどをメディアや一般の人々に伝えるための文書です。
ChatGPTを使用して、プレスリリースの作成や校正を行うことができます。重要な情報を明確に伝え、メディアや読者の関心を引くための魅力的な文章を作成するサポートを提供します。

「ソーシャルメディアの投稿」に対する回答例

ソーシャルメディアは広報活動やPR活動において非常に重要です。
ChatGPTを使用して、ソーシャルメディアの投稿やキャンペーンのコンテンツ作成を補完することができます。適切なトーンやスタイルで効果的なメッセージを作成し、ターゲットオーディエンスにリーチします。

「FAQへの回答」に対する回答例

広報活動やPR活動では、企業や製品に関するよくある質問に対する回答が求められます。
ChatGPTを使用して、FAQに含まれる質問に対する適切な回答を提供することができます。正確かつ分かりやすい回答を提供し、ユーザーの疑問や関心事に対処します。

「ブログや記事の執筆」に対する回答例

ブログや記事は、企業や製品の情報を詳しく説明し、関心を引くための重要なツールです。
ChatGPTを使用して、ブログや記事の執筆を補完することができます。興味深く魅力的なコンテンツを提供し、読者の関心を引くことができます。

「イベントのプロモーション」に対する回答例

イベントのプロモーションは、広報活動やPR活動の重要な一環です。
ChatGPTを使用して、イベントの詳細や特徴を効果的に伝えるためのメッセージや広告を作成することができます。参加者の関心を引き付け、イベントの成功に貢献します。


上記のような回答が瞬時に得られました。
ではこれらが実際、どのように現場で活用できるのか、個人的に考察したいと思います。

『ChatGPT』はどのように現場で活用できるのか

プレスリリースの作成

プレスリリースのテンプレートが無い場合や、何をどう書いたら良いのか分からない場合は、かなり参考になると思います。
タイトルやリード文、本文や概要の記載に至るまで、プレスリリースの一般的な形式に則ったスタイルでテキスト形成されるので、形状としてはリリースと呼べる内容になります。
しかし、一般的な内容の記載が主となるため、ニュース価値を世の中に訴求する本来のプレスリリースとしては完成度が低いとも考えられます。

やはり「社会性」「特異性」「ニュース価値」など、今までにない新規性を感じさせる内容がプレスリリースには重要になるので、AIだけに依存しない、広報担当者による社会トレンドを読み取った編集力や企画力がプレスリリース作成においては、これまで同様に必要になると考えます。

ソーシャルメディアの投稿

こちらもプレスリリース同様に、世の中に刺さる着眼点が求められるので、「どのような視点で投稿するか」という企画力が大事になります。
一方で、キャンペーン情報の投稿内容や簡易なコンテンツ制作を補完する上では、ChatGPTは十分に活用できると考えます。SNS投稿に適した文字数での質問や内容、アイデアなどを相談することで、多岐にわたるSNS関連の業務効率化を図れるのではないかと思います。

FAQへの回答

企業が持ち合わせる情報は多岐に渡ると思いますが、ChatGPTは長文を要約することが得意で、高い要約精度を誇るのが特徴です。
質問される想定内容の詳細や、サービス概要を端的に説明するケースにおいては有効な活用が考えられると思います。Web上に広がっている情報を拾ってまとめるAIツールになるので一般的な回答は導かれますが、自社情報については慎重な確認作業が必要になります。

ブログや記事の執筆

例えば、オウンドメディアでのコンテンツ制作の補完ツールとして活用できる方法は多分にあると思います。
海外での活用事例として多いのは調査や分析の場面ですが、自社コンテンツを制作する過程では、様々な情報収集が必要になると思います。ChatGPT自体が大量のデータを蓄積しているため、このツールを通して情報収集に役立てるというイメージは容易に想像できます。
自社の事業以外の知識も瞬時に得られるため、効率良い情報収集が可能となります。(ただし、情報の正誤までは確約できないため注意が必要です)

イベントのプロモーション

こちらも、プレスリリースの作成と同様、社会トレンドの感度が高く求められるため、現時点ではAIツールの活用ですべて上手くいくとは思えません。
一方、どのようなプロモーションが考えられるか、メディアや関係者への案内はどのように行えばよいか、といった基本的な概要や手法に関する情報入手には適しています。
全てに共通しますが、質問力を高め、要件に応じてカスタマイズしながら活用するのが大変有効かと思います。

これらの他にも、多くの活用例が示されました。下記に記しますので参考にしてください。

・メディアトレーニング支援
・ニュースヘッドラインやトレンドの予測
・ブランドメッセージの開発
・マーケットインサイトの提供 
・インフルエンサーとのコラボレーション  etc…

自治体でも検討が進む『ChatGPT』

企業だけでなく、自治体でも活用が進んでいます。
先月、横須賀市が全国の自治体で初めてChatGPTの全庁的な活用実証を始めると発表しました。個人情報や機密情報の取り扱いはなく、職員が利用することで業務効率化のケースを創出するのが目的とのことです。

これについて横須賀市の市長は、「テクノロジーを活用して業務を効率化し、職員は福祉分野など、人だからこそできる仕事に注力できるようにしたい」と話しました。
具体的には、市民への広報文作成や議事録の要約、誤字脱字のチェック、新規事業アイデアの創出といった活用を想定しているとのことでした。

プレスリリース:2023年4月18日
「自治体初!横須賀市役所でChatGPTの全庁的な活用実証を開始」

こちらが、その内容を発表したプレスリリースですが、リリースの最後の一文に、
「なお、本リリースはChatGPTで下案を作成し、職員が校正を行いました。」
と記載されています。早速活用していますね。。。
AIツールの活用による業務効率化の検討は、今後の広報業務にも求められそうです。

最後に

“ChatGPTを活用する際、以下に留意して活用することをおすすめします”との記載(回答)がありましたので、その一部を記します。(※ChatGPTの回答内容から一部抜粋)

ChatGPT人間の監督とフィードバック:

ChatGPTはあくまでツールであり、人間の監督とフィードバックが重要です。
生成されたコンテンツを適切に修正し、ブランドのメッセージや価値観に合致するように調整する必要があります。

株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、
            医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
【プチ自慢】両利き。お箸も野球もサッカーも、手足を左右同レベルで扱えます

チャットGPT画面のスマートフォン