オバマ候補のキャンペーン戦略

こんにちは。
アメリカ大統領選で勝利したバラク・オバマ氏。
現地時間11月4日深夜にシカゴで20万人を前に行われたスピーチを
テレビなどでご覧になった方も多いかと思います。
実は、大統領選が始まった1年前は、
民主党の大統領候補としてはヒラリー・クリントン候補が
本命と目されていました。
1年前は本命ではなかったオバマ氏は、
なぜ次期大統領に選ばれることができたのでしょうか。
そこには、大統領選挙の歴史を塗り替える選挙戦略がありました。


本命ではなかった候補者が次期大統領に選ばれた経緯について、
オバマ氏は演説で、労働者や若者に支えられたと述べました。
「私は大統領に近い候補者ではなかった。
私たちは大した資金も支持もない中で選挙戦をスタートした。
私たちの選挙戦は、ワシントンの本部で生み出されたものではない。
・・・
それは少ない貯金の中からなけなしの5ドル、10ドル、20ドルを
寄付した労働者達に支えられた。
若者たちがその動きを強力にした。
無関心な世代だと思われてきた彼らだったが、
自宅や家族と離れて、少ない賃金と睡眠時間で働いてくれた。」
過去の大統領選では、各種利益団体や草の根団体を組織化して、
票と献金を集めることが重要なポイントでした。
ところが、オバマ陣営は利益団体ではなく一般の個人、
特に若者を直接動かしたのです。
過去の大統領選では、どの候補者も
一般の人々を直接動かす手段を持ち合わせていませんでした。
オバマ陣営はどのように彼らを動かしたのでしょうか。
その注目すべき一手が“Web2.0”です。
オバマ陣営はMyspaceやFacebookなどのSNS、Flicker、YouTubeなど
Web2.0のメディアを他のどの候補よりも活用したと各紙で
報道されています。
これが若者の動員に効果を上げたと指摘されています。
Myspaceのオバマ氏のページ
http://www.myspace.com/barackobama
Facebookのオバマ氏のページ
http://www.facebook.com/barackobama
Youtubeのオバマ氏のページ
http://jp.youtube.com/barackobama
オバマ候補のWebサイト
http://www.barackobama.com/index.php
オバマ候補独自のSNS Mybarackobama.com
http://my.barackobama.com
その背景として、オバマ陣営は2007年に
Facebook共同創設者Chris Hughes(当時24歳)を引き入れました。
Web2.0対策は意識的に強化をしていたことが伺えます。
オバマ陣営はインターネットでリーチした人々を、
インターネット献金に誘導します。
この献金の流れは選挙戦終盤まで途切れない大きなものとなり、
9月までに累計6億ドル(約610億円)という、
大統領選史上最多の選挙資金を集めることに成功しました。
その献金の9割が平均100ドル以下の小口献金で、
300万人以上が献金したと言われています。
いかにオバマ陣営が裾野の広い献金を集めたかが分かります。
ちなみに、マケイン陣営の期間中の資金は、
交付金に伴う法定金額の8400万ドル(約85億円)にとどまりました。
資金力でオバマ氏に圧倒された形となります。
このような豊富な資金があったからこそ、
オバマ陣営は強力なキャンペーンを大統領選を通して
継続することができました。
大統領選終盤の10月29日には、主要局の放映枠を30分買い上げる
というだめ押しの選挙放送までも行うことができました。
その予算は約400万ドル(約3億9000万円)だったと言われています。
今回の大統領選では、Web2.0の有効性が顕著に表れたといえるのでは
ないでしょうか。
これは、米国の選挙に限った話ではないでしょう。
日本の選挙では、現在は公職選挙法の規制があるため、
選挙のインターネットキャンペーンは本格化していません。
ですが、近い将来には米国に似た現象が起こることでしょう。
人々に直接リーチして、影響を与えるWeb2.0のメディアは、
日本企業にも大きな“Change”を引き起こすかもしれません。

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