こんにちは。
最近、めっきり寒くなってきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
寒いのは、気候ばかりでなく、金融危機を発端とした世界的な株安、
不況で企業、人々の懐も寒くなりつつあるのかも知れません。
いきなり、不景気な話で恐縮ですが・・・・
言うまでもなく、今回の世界的な不況は、
米国サブプライム問題に端を発しました。
リーマン・ブラザーズ破綻の引き金になり、
欧州をはじめ世界的な株安に波及しました。
さらにGM等米国自動車メーカーの経営危機にまで及び、
また、超優良企業トヨタ自動車の決算にまで影響を及ぼし
負のスパイラルは連鎖的に続いています。
人によっては、「100年に一度の不況」とか
「1928年の世界大恐慌の再来」と言われています。
リーマン・ブラザーズ破綻というショッキングなニュースは、
瞬時に世界中をかけめぐりました。
かつて、日本でも似たようなことがありました。
誰もが覚えていると思いますが、
11年前の1997年11月、山一證券が自主廃業しました。
あの時の「社員は悪くありませんから!!(涙)、
どうか社員をよろしくお願いします!!」という、
野澤正平社長(当時)の映像は、
日本中の誰の目にも焼きついたと思います。
あの会見は、社会的に大きなインパクトを与えました。
それまでの「終身雇用」がもはや通用しないと、
日本中の人々に思わせたからです。
今では転職が当たり前の社会になっていますが、
この事件が一つの転機だったように思います。
しかし、あの記者会見が及ぼした影響は、
それだけだったのでしょうか?
山一ショック以前の、世間が抱く証券会社社員に対するイメージは、
「調子のいいことばかり言う」とか「高給取り」というようなもので、
ひがみもあったのでしょうが、
あまりよいイメージで語られなかったように思います。
ところが、野澤社長のあの涙ながらの記者会見によって、
世間は山一社員に対して同情を感じたのではないでしょうか?
あの事件の後、「元山一社員」のほとんどが、
他の会社にスムーズに受け入れてもらえた、と聞きます。
もし、野澤社長があの記者会見に「俺は悪くない」というような
不遜な態度で臨んだら、どうなっていたでしょうか?
「元山一社員」のイメージも相当違っていたのではと思います。
野澤正平社長は、当然、泣こうと思って泣いた訳ではないでしょう。
従業員を守ろうとする真摯な姿勢が、
自然に記者会見に現れたのだと思います。
あの記者会見は、「元山一証券社員」のイメージをアップさせ、
次の職場へと送り出す上で多大な効果があったのではないでしょうか。
野澤正平社長(当時)の行動に、
PRの視点として賞賛したいと思います。
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