企業やブランドを身近に感じてもらい認知度もアップ、アンバサダーマーケティングとは

新型コロナウイルスの影響で、昨年は思うように広報活動をできなかったという企業の広報担当者の方も多いのではないでしょうか。そんな中、最近注目を集めているのが「アンバサダー」を使ったPRです。アンバサダーは、インフルエンサーとは異なり、【世間への影響力】と【企業や商品への強い愛情】を両方兼ね備えていることが特長です。

今回はそんな「アンバサダー」を使ったPRを行うメリットや、成功事例を併せてご紹介します。

1、アンバサダーとインフルエンサーの違い

アンバサダー
アンバサダーとは、直訳すると「大使」という意味です。
SNSを使ったマーケティングにおいて、アンバサダーは「自社商品に対して強い興味関心や愛情を持っていて、口コミなどの情報配信を自発的に行ってくれるユーザー」のことを指す場合が多くなっています(ただし、特定の著名人への広告契約は除く)。

対してインフルエンサーは、「SNSのフォロワー数が多く、周囲への影響力が高い人物」のことを指します。インフルエンサーからアンバサダーを選ぶ場合、SNSのフォロワー数や影響力の高さに加え、企業やブランド、商品における親和性があるかを見極めて選ぶことで、長期的に良好な関係を築くことができます。

2、アンバサダーマーケティングを実施するメリット

アンバサダーマーケティング

①アンバサダーとして手厚く企業をサポートしてくれる

アンバサダーは、企業や商品の魅力を広めるために選ばれているため、責任を持って自発的に発信をしてくれるケースが多いです。

「一回宣伝してもらい、報酬を渡して終わり」となりがちなインフルエンサーマーケティングとは違い、継続的に企業とコミュニケーションを取りながら、企業や商材の一番のファンとして活動してくれる存在となりえます。

②リアルな感想を発信

アンバサダーはその商材に対するユーザー目線での魅力を知っているため、商材の特長を理解した上での情報発信ができます。また自身がファンという立ち位置でもあるため、商材を紹介するだけでなく、よりリアルな使用感や魅力、日常での活用シーンなどあらゆる視点での投稿が可能です。よって一般ユーザーに対しても効果的に情報を届けることができます。

3、アンバサダーマーケティングの成功事例3つ

アンバサダーマーケティングの成功事例

①ネスレ

アンバサダーマーケティングの事例の中でも特に有名な事例が「ネスカフェアンバサダー」です。この事例におけるアンバサダー対象は企業であり、条件をクリアしアンバサダーに選ばれると、エスプレッソマシンがプレゼントされ、社員が利用できるようになります。マシンの初期費用や修理費などもネスレが負担し、コーヒー代のみで、職場でコーヒーを楽しめるという内容です。

アンバサダーに選ばれると、職場でコーヒーを楽しむ様子の写真を投稿することを依頼されます。この依頼に応えたアンバサダーからの発信により、ネスカフェの認知度は年々向上し、今では10万人を超えるファンの獲得に成功しました。

②Xperia

SonyのスマートフォンブランドであるXperiaは2013年12月から「アンバサダープログラム」を開始しています。
アンバサダーには、自分らしいスタイルで活躍するトップアスリートやクリエイターなどが実際に選ばれています。アンバサダーに認定されると、Xperiaの研究・開発スタッフの声とともに最新モデルをいち早く試すことができる、ミーティングへの参加権が特典として与えられます。

またアンバサダーは、Xperia商品を使ってのYoutube生配信やインスタライブも積極的に行っています。配信の告知でもXperia商品で撮影した画像を使うので、アンバサダーのフォロワーにも高画質なカメラ機能など商品の魅力が伝わり、新たなXperiaファンの獲得にも繋がっています。

③ワークマン

作業服・作業用品で有名なワークマンでは、2019年10月からアンバサダーマーケティングを本格化させています。アンバサダーの活用法として他社と圧倒的に異なるのが、製品開発会議にアンバサダーが参加している点です。
熱心なファンで、かつブログやSNS、YouTubeなどを使いワークマン製品に関して発信している方を「製品開発アンバサダー」として認定し、着用した感想やフィードバックを開発会議で出してもらい、その声は実際の商品にも反映されています。

ワークマンの製品が大好きなアンバサダーの声を「丸呑み」したことで、以前は3000着しか売れなかった商品が、10万着売れるなど劇的に売り上げを伸ばしたそうです。

4、まとめ

まとめ
アンバサダーは、世間への影響力の大きさだけで選ぶのではなく、企業の社員と同じくらい企業や商品への愛情を持った方を選ぶことで、長期的な企業ブランディングとしても役立てることができます。企業やブランドの認知度向上に向けたPR施策の一つとして、アンバサダーの活用を検討してみてください。

株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】 ゆらゆらバング
【これまで担当した業界】 証券・スポーツ・メーカー・ウエディング
【趣味】 建築めぐり、美術館めぐり、登山、水泳
【プチ自慢】虫歯が一本もないこと