「カンヌライオンズ」に学ぶ世界のPRトレンドとは?

コミデザのマスコットキャラクター『こみほっぺ』です。先日、Twitterでも紹介した「カンヌライオンズ」についてさらに詳しく紹介するよ♪

■こみほっぺのTwitter:https://twitter.com/pr_cd

Twitterではこんな感じでつぶやいてます

皆さんは、そもそも「カンヌライオンズ」って聞いたことあったかな?

世界にある数々の広告・コミュニケーション関連のアワードやフェスティバルの中でも、エントリー数・来場者数ともに最大規模を誇るイベントが「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル(Cannes Lions International Festival of Creativity)」なんだ。

https://www.canneslions.com/

どんな業界でもそうだけど「ケーススタディ」は、とっても重要!
特に世界中から有力作品が集まる「カンヌライオンズ」のグランプリやゴールド受賞作は必見☆

ということで、今回は、こみほっぺも「すごい!」と思った受賞作の一部を紹介するよ!

カンヌライオンズ【2019年PR部門グランプリ】


【2019年PR部門グランプリ】
ドイツのオーガニック生理用品のオンラインショップTHE FEMALE COMPANYが税率の格差を一刀両断した

「The Tampon Book: a book against tax discrimination」

ドイツは標準税率が19%なんだけど、一般的な食料品や生活必需品は軽減税率が適用されて7%なんだ。でも、女性にとって必需品である生理用品は19%のまま…。この消費税の格差を訴えるためにThe Female Companyは「The Tampon Book」という本を発売したんだ。

この「The Tampon Book」は生理用品の豆知識が書かれているだけでなく、付録としてタンポンを15個つけているのがポイント!タンポンとして販売すると19%の税率がかけられるところを、本として発売することで7%でタンポンを販売できたんだ!!

「ほらどうだ!同じ商品なのに税率が違うよ!タンポンが女性の必需品なのに税率が19%っておかしくない!?」って、本を起爆剤に世の中に問題提起したんだ。

さらに、オンラインムービーをYoutubeやFacebook等で配信して、「タンポン税を免除するために請願書に署名をする」という重要なメッセージを拡散したり、本を政治家とフェミニストインフルエンサー、ジャーナリストに送付したんだって。

結果、本は初日で1,000部完売、第二版の6,000部は一週間で完売。オンラインムービーは1050万回以上視聴されて、主要メディアもこの話題を取り上げるようになったんだって。インフルエンサーやメディアの影響力もあって、タンポン税廃止を議会に要請するために必要な15万の署名を集めることができたんだ。

例えば、The Female Companyがタンポンの販売数を伸ばすという目的で、CMや広告にたくさんの費用を投下してもこんなに話題にならなかったんじゃないかな?
“企業としての使命感”を持って、女性にとって生活必需品なのに高い税率をかけられたままなんて…、その問題を解決しなくては!というところから始まっているからこそ、多くの人からの共感を集められたんだと思うよ。

メディアやインフルエンサーだってそうだよね。一企業の営利目的のためより、世の中を良くするために協力したいって思うよね。

2019年のカンヌライオンズPR部門は、

・ドナー登録率が低いという現状を打破するための「SECOND CHANCES」
・国連の取り組み関心を持ってもらうための「THE PEOPLE’S SEAT」

など、“社会問題(課題)を解決する”PRが入賞していたことからもわかるように
ビジネス(利益)だけを追求したPRより、世の中をより良くするPRが表彰されているよ。

中でもこの「The Tampon Book」は

1.本の出版により「税率の格差(矛盾)」を誰が見てもわかるようにした
2.SNSやインフルエンサーを動かした
3.結果、15万の署名を集めることができた

と、方法も秀逸で国を動かすような結果にもたどり着いたところがすごいよね!!
グランプリ受賞も納得!!

きっとどんな会社も世の中や人々がより快適に楽しくなることを考えて商品やサービスを生み出しているはずだから、PRを担当する私たちもそれを伝えていけるようなPRプランを生み出していきましょー!

カンヌライオンズ【2019年PR部門ゴールド】

【2019年PR部門ゴールド】
国民のため、ペルーのスーパーマーケットPLAZA VEAが国境を越えて
経済的な課題を解決した

「PERUSSIAN PRICES」

2018年、ペルーは36年ぶりにワールドカップ出場権を手にしたんだ。ペルーは弱い国ではないけど、南米予選はブラジルやアルゼンチンといった強豪ぞろいで「世界一厳しい予選」っていわれてるんだって。(←こみほっぺはサッカー詳しくないから伝聞調…)

そんな激戦区で勝ち上がって、ワールドカップ出場が決まると、大統領命令で翌日が祝日になったらしいよ!日本ではなかなか考えられないよね~!

2018年のワールドカップはロシアで開催されたんだけど、旅費も高いし、ロシアはペルーよりも物価が3倍で、ペルーのサポーターたちはロシアでワールドカップを応援するためにローンや持ち物を売却したり、仕事を辞めたりするほどだったんだって。

そこで立ち上がったのが、ペルーのスーパーマーケット「PLAZA VEA」。
サポーターの負担を少しでも軽減するために『PERUSSIAN PRICES(ペルー人の価格)』というキャンペーンを行ったんだ。

そのキャンペーンというのが、ロシアの3つのスーパーマーケットと独自契約を結んで、ペルー人はパスポートをみせるだけで低価格で商品を手にすることができるというもの。ペルー人にとっての念願のワールドカップという機会に、国境を超えた取り組みで経済的な援助をしたことで話題になったんだ。

ペルーの人にとっては、まさに救世主だよね!

もしかしたら、今までは「近くにあるスーパー」という意識だった人も、今回の取り組みを通して、自分たちの「経済状況」や「サッカーが好き!」という気持ちを理解してくれる「仲間(同志)」として、「PLAZA VEA」を意識してくれるようになったかもしれないよね。

これこそ、ブランディング!長く愛される企業を目指すのであれば、こういった取り組みをしていかなくちゃね!

おわりに…

今回、審査員長が

「PR is not a channel. It is a craft,and a craft that matters more today to businesses and brands and society(PRは(単純な)手段ではありません。PRは技術であり、現代のビジネス、ブランド、社会により必要な技術です。)」

と言ってたんだって。
日本では、まだまだその重要性があまり認知されていなくて、肩身の狭い思いをしている広報が多いというのが残念…。

会社に広報の重要性を認識してもらう努力も必要だし、1人のPRパーソンとしては、今回お伝えした「カンヌライオンズ」の事例や公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会が主催する「PRアワードグランプリ」の受賞作をインプットして、会社の期待値を越えられるPR戦略を立案できるようになろう

もちろん、こみほっぺの会社もそういったPRを展開していきたいと熱い想いをもった会社を全力でサポートさせてもらうよ!!