わかりやすいプレスリリースに変わる!「5W1H」ではない「5W5H」で情報整理を

プレスリリースを作成する際、みなさまは何から手を付けるでしょうか。
タイトル作成?リサーチ?それともとりあえず本文を書いてみる?

やり方は人それぞれですが、私は、集めた(もしくは集まった)情報を精査するところから始めます。「誰が・何を・いつ・どこで・なぜ・どのように行うのか」が分かっていないと、プレスリリースの方向性を確立させることは難しいものです。逆に言うと、それらの情報がしっかりしていれば、わかりやすいプレスリリースを作成することが可能となります。

今回は情報をまとめる際に参考になる「5W5H」の考え方を紹介します。これが分かると情報の具体性がぐんと上がりますよ!

「5W1H」でニュースとなる情報を固める!

「5W1H」を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?情報を相手にわかりやすく伝えるためのフレームワークとして、ビジネスだけでなく様々なシーンで使われますよね。

5W1H

WHO 誰が
WHAT 何を
WHEN いつ
WHERE どこで
WHY なぜ
HOW どんな、どのように

上記6つの要素は、プレスリリースに書いて当たり前だと思われるかもしれませんが、意外と書き忘れる場合が少なくありません。特に広報初心者は場所と日時を忘れがち。そのため、執筆前に企業・店舗の所在地やイベントの開催地、発売日や開催期間、曜日などをしっかり整理し、タイトルやリード文に欠かさず書くようにしましょう。

(例)
株式会社コミュニケーションデザイン(所在地:東京都港区、代表取締役社長:玉木 剛)は、経営者や企業広報マンがPRの基礎と最新トレンドを学べる『広報塾』を、2020年4月23日(木)より当社セミナールーム(港区六本木)で開催します。

※参考: https://www.cd-j.net/khj/lp/

上記リード文を「5W1H」にまとめると下記のとおりです。

WHO コミュニケーションデザインが
WHAT 広報塾を
WHEN 4月23日より
WHERE セミナールームで
WHY
HOW PRの基礎と最新トレンドを学べる

箇条書きにしただけでも、主題がしっかりお分かりいただけると思います。こちらのリード文には「WHY」の要素が含まれておりませんが、リード文に次いで「開催の背景」や「目的」を記載すると良いでしょう。「5W1H」を考えるだけで、次に記載すべき段落も見えてきます。

WHY 開催の背景、目的

「5W5H」で表現の見える化を実現!

あなたは「御社の商材について教えてください」と聞かれて何と答えますか?
形・サイズ・機能・仕様・金額など、事細かに説明するはずです。プレスリリースも同じで、商材の特長を細かく、それもわかりやすく書かなければなりません。

プレスリリースの枚数はA4サイズで1~3枚程度。そのわずかな範囲で特長を伝えるのは簡単ではありません。そこで「5H」を使って、表現の見える化を図りましょう。5つの要素は下記のとおりです。

5H

HOW (TO) (様子、方法) どんな、どのように
HOW MUCH (金額) いくら(価格・売上目標・利益予想)
HOW MANY (数) いくつ(生産・販売目標など)
HOW LONG (時間) いつから、いつまでに(期間)
HOW in FUTURE (将来) 今後の経営方針、展開方法

商品の金額や数、イベントの期間などを文中に加えると、そのイメージがより鮮明になります。また、今後の展望を加えることによってその未来まで見通すことが可能となります。

ただ、「安い」「多い」「長い」といった抽象的な表現では読者に伝わりません。また、誇大表現を使うことは良くありません。何故なら誤報につながる可能性があるからです。誰でもイメージできるように数字や擬声語などを使いながら、事実ベースで具体的に表現しましょう。

(例)
大人気 ⇒ 1時間待ちの行列  / 累計販売10万個
最高においしい ⇒ 巨匠が認めた味  / 外はカリッ!中はフワッ!
激安 ⇒ 1杯100円  / 50%オフ

では、『広報塾』を「5H」に当てはめてみましょう。

HOW (TO) ・PRの基礎と最新トレンドを学べる
・座学や実践形式で
HOW MUCH ・30万円
HOW MANY ・講座回数:全5回
・定員:10名
HOW LONG ・日程:4月23日~6月19日
・時間:11:00~16:15
HOW in FUTURE ・講座終了直後に懇親会を開催

いかがでしょう。「5H」をまとめることで、どんな講座なのかがようやく見えてきましたね。金額や日時などを開催概要にまとめたり、強調したい部分はタイトルやリード文にも入れたりすることもできます。

また、今後の予定や展望など、「HOW IN FUTURE」の要素を加えることで、情報のその先を見通すことができます。そうすると、過去(背景や目的)~現在(商材の特長)~未来(今後の展望)の一連の流れが、一つのプレスリリース内で見えてきます。中長期的な企業の動きがわかると、記者との接点もニュースの一点だけではなく、継続的なものとなりえるでしょう。

プレスリリースを“PRのツール”として活用しよう

ここまで情報のまとめ方をお話ししました。当たり前ですが、情報がきちんとまとまっていないと、わかりやすくお伝えすることは困難です。記者にプレスリリースをじっくり読む時間はありません。ぱっと見でイメージが伝わるプレスリリースが重要なのです。

プレスリリースを単なる“情報発信の手段”として使うのではなく、商材の特長、企業の想いを伝える“PRのツール”として活用するためにも、事前の情報精査をしっかり行いましょう。「5W5H」の要素がタイトルやリード文など1枚目に入れておくと、読者に優しく、より伝わりやすいプレスリリースになりますよ。

さらに広報効果を高める方法については、過去の記事をぜひご参照ください。

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【ニックネーム】Yuntuber
【これまで担当した業界】専門学校、健康アプリ
【趣味】草野球(2番セカンド)
【特技】プレスリリースの校正 (プレスリリース配信サービス出身)