広報発の新施策、提案の翌日にプレスリリースを配信!認知獲得にとどまらず、ユーザー増加にも直接貢献—「クックパッド」広報・武田春香さん

今回は、「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げ、料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」や生鮮食品EC「クックパッドマート」などを展開する、クックパッド株式会社の武田春香さんに、広報・PRパーソンならではのリアルな企業広報のお話を伺った。
(インタビュー:編集長)

大学時代から「食」に携わる仕事に従事

武田さんは主に、生鮮食品EC「クックパッドマート」と食育絵本のサブスク「おりょうりえほん」の対外広報の役割を担っている。

武田さんは主に、生鮮食品EC「クックパッドマート」と食育絵本のサブスク「おりょうりえほん」の対外広報の役割を担う。

編集長:今回、取材させていただこうと思ったきっかけは、武田さんのTwitterでクックパッドマートの「送料無料で自宅配送」という企画を、提案から数日で実現したという話を見たことがきっかけなんです。

武田さん:なぜ私にお声がけいただいたのか伺いたいと思っていたのですが、それがきっかけだったのですね。すごくうれしいです!

編集長:さっそくですが、クックパッドの現在の広報体制を教えてください。

武田さん:広報部は、新規事業を兼任している役員を含め、ここ1年は3〜6名体制です。その中で、私は生鮮食品EC「クックパッドマート」と食育絵本のサブスクリプションサービス「おりょうりえほん」の対外広報の役割を担っています。そのほかに、コーポレートまわりの企画や取材案件なども、スポット的に動いております。

編集長:クックパッドに入社される前のご経歴も、食を中心としたキャリアなんですよね。

武田さん:そうなんです。学生時代からフードコーディネーターの活動をほそぼそとしていました。その頃から食に携わる仕事がしたいと思い、新卒で食品メーカーでの販売促進や商品企画をした後、フリーランスで数年間フードコーディネーターをしてました。フードコーディネーターのお仕事は多岐に渡りますが、私は、料理撮影のスタイリングやレシピ開発をメインに行っていました。ただ、徐々に飲食店や料理教室などからプロモーションの依頼や、メディアと関わる仕事が増えてきて、私自身としても興味を持つようになりました。その後、アパレルの会社に入社し、飲食ブランドのプレスとして、はじめて広報PR関連の肩書を持って仕事をするようになりました。

編集長:フリーランスのフードコーディネーター時代にプロモーションの依頼が増えるって、すごいですね。クックパッドには2021年4月に入社されていますが、なぜクックパッドを選ばれたのですか。

武田さん:前職は、BtoB SaaS企業の広報PRをしていたので、テック企業の広報経験や、食に関する知見、興味関心の部分が、クックパッドであれば、すべて活かせそうと思ったこと。もうひとつが、今の自分のライフステージに合った働き方ができそうという印象を受けたこと。この2つが動機としては大きかったです。

「私も使いたい!」と思ってもらうためには、「それがある生活」をイメージしてもらえる情報発信が重要

クックパッドのオリジナル「食の良循環マップ」

クックパッドのオリジナル「食の良循環マップ」

編集長:現在、広報ではどのようなミッションを掲げているのでしょうか。

武田さん:ミッションとは少しニュアンスが異なりますが、3つの注力事項を掲げています。一つ目は、クックパッドマートをはじめとした、食のつくり手に対する新しいサービス開発をしているという認識を世の中に広めることです。二つ目は、クックパッドから発信する情報の数と質の最大化。三つ目が採用広報です。

編集長:一つ目のお話をもう少し詳しく伺えますか?

武田さん:まず前提からお話しますと、クックパッドは「毎日の料理を楽しみにする」というミッションを掲げています。レシピサービスやクックパッドマートをはじめ、すべての事業において、そのために何をすべきかを考えて事業を展開しています。その一環としてで、現在、つくり手の数を増やすというチャレンジをしています。

弊社が指すつくり手は、農家さんや漁師さんといった一次産業に従事する方はもちろん、ご家庭で料理をする方、食に関する情報をSNSなどで発信する方など、食の楽しみを広げる方すべてです。こういった方々を増やしていくことで、毎日の料理が楽しみになる世界を目指しています。

クックパッドマートでいうと、出店してくださる生産者や専門店などへの認知拡大はもちろんですが、一般の方々に対しても、クックパッドマートで買い物の課題を解決し、“どんな人でも食の楽しみを広げられる、つくり手になれる”ということを伝える広報活動を強化しています。

編集長:私が最初にクックパッドマートに注目したのが2020年初めでした。コロナ禍で買い物自体も気軽にできなくなっていたタイミングですね。すごく面白いサービスだなと。ただ、その頃はまだあまりうちの近くに受け取れる場所がなくて。今は、自宅への無料配送や駅で受け取れる実証実験もされていて、より利便性を追求されているイメージがあります。広報としては、どのように関わっているのでしょうか。

武田さん:クックパッドマートは、ユーザーさんがアプリで注文した食品をマートステーションという生鮮宅配ボックスにお届けするという生鮮食品ECで、その受け取り拠点が現在は約700カ所あります。より便利にお使いいただけるよう、営業部隊が、日々、さまざまな事業者さんにマートステーション設置に向けた営業活動をしています。特に、人々の生活動線上として、注力しているのがマンションの共有部です。ユーザーさんから受け取り場所の設置リクエストをアプリ上でお送りいただくこともできます。過去には、「マンション導入2万戸突破!」や、大きなマンションデベロッパーさんとクックパッドが連携しましたとか、マートステーションの設置が決まりましたというプレスリリースを出すことで、営業の動きを後押ししてきました。

新鮮な食材を自宅近くのコンビニ・駅・ドラッグストアなどに送料無料で届ける「クックパッドマート」

新鮮な食材を自宅近くのコンビニ・駅・ドラッグストアなどに送料無料で届ける「クックパッドマート」

編集長:後押しというのは、具体的にどうなることを期待してですか?

武田さん:一般の方々に向けたインパクトとtoBのインパクト両方です。
まず一般の方に対してですが、コロナ禍でネットスーパーを使われる方は増えたと思いますが、生鮮食品はスーパーマーケットで、という方がまだ多いと思います。そこを少しずつでもクックパッドマートにリプレースしてもらえるようにするには、まずは「自分の生活にクックパッドマートがあったら」と想像してもらうことが大事と考えています。

マンションでの導入に関する情報を発信することは “マートステーションがマンションにある生活”を想像してもらうことにつながると思っています。そして「うちにも欲しい!」と思ってもらうきっかけにもなると。マンションだけではなく、鉄道各社さんと連携して、駅でのマートステーションの設置や、有人改札での受け取りサービスのトライアルに関して情報発信するのも、こういった意図があります。
toBのインパクトとしては、導入企業の業界に対するインパクトがあります。プレスリリースを出すことで、業界紙(誌)や場合によって地方紙にも掲載いただき、それをきっかけに「うちも話を聞きたい」というお問い合わせが増えるという好循環が生まれています。

マートステーションを多く設置いただいている事業者さんの例を挙げると、鉄道系や不動産系が多いです。そうした事業者さんがよくご覧になる交通や不動産関連の業界紙(誌)やビジネス媒体の関連特集、地域密着型の媒体などにクックパッドマートの情報が出ると、やはり営業もしやすくなります。特に、不動産であれば、マートステーションを設置することで、自社のマンションの付加価値が上がるということで、導入を積極的にご検討いただけるマンション事業者さんが増えたという話も聞いています。

編集長:広報の後押しによって、ビジネス的なお話とかもポンポン上がってきて、営業のきっかけも増えたということですね。

武田さん:特に鉄道関係ではそういった流れで話が進むことが増えていると聞いています。クックパッドマートの注文商品を改札で駅員さんから受け取れるというJRさんとのトライアルサービスが、キー局の情報番組さんでも複数取り上げられたことで、ほかの鉄道事業者さんからも「あれ観たよ、いいね」という感じで営業メンバーと話が盛り上がったり、JRさんも、最初のトライアルは4駅で、比較的住宅地に近いような小さな駅からのスタートだったのが、広報の後押しのも効果もあったのか、2022年3月からは、横浜駅や川崎駅などターミナルの大きな駅でもトライアルを行うことになりました。情報発信することで、メディア露出の獲得や、実際にユーザーさんが増えたという効果があり、事業拡大にも貢献できたのではないかと思っています。

編集長:最初、駅員さんが手渡しするのを見て、クックパッドの営業さんって、何ってすごいんだろう!と思いました。

武田さん:すごいですよね! 私も、手前味噌ながら、営業メンバーのパワフルさには本当に感心しています。

編集長:普通に考えて、駅員さんは仕事が増えてイヤじゃないのかなと思ったら、メディア取材の際のコメントとかで「お客様と接点ができて楽しい」と話されてて、驚きました。

武田さん:そうなんですよ。私も取材対応で現場に行かせていただいた時に、カメラが回っていないところで、「実際、ご迷惑じゃないですか?」と駅員さんにこそっとお伺いしたんです。そうしたら、お困りごと解消だけではなく、買い物した商品の受け取りというポジティブな理由でお客様が来られるのは、駅員の方としてもすごく面白いと感じられるそうで、また駅自体に付加価値を与えられているんだという意識が、モチベーションアップにも繋がっているという声をいただきました。

編集長:駅員さんが手渡しするのが面白いとメディアから取材が入ったということですが、武田さんとして、プレスリリースやメディアアプローチで工夫したなどありますか。

武田さん:普段から心がけているのは、各メディアさんに対して、相手が欲していそうなものを差し出すということです。先ほど注力事項のひとつとしてもお話した、情報を受け取る人数を最大化するというところにもつながるのですが、たとえば、弊社から送るニュースレターを開封してくださったメディアさんには、それをきっかけに「見ていただいてありがとうございます。面白かったネタや、ご注目いただけたものは何かありましたか?」と個別にコンタクトをとっています。ちょっと目を通しただけということであれば、「そこには載せていないこんな情報もあるので、合いそうな企画あったらぜひ」と種まきだけします。

編集長:今のお話はメールのやりとりですか?お電話もしたりしてるのですか?

武田さん:電話はあまり多くないです。基本的には、メールやSNSがメインです。電話では、進行している案件で、ニュアンスを伝えたり、確認したりする場合が多いです。あとは、先方からメールを下さった際、直後にお電話すると、メールに書いていただいている質問の背景や、企画のリサーチ段階であれば進行のスケジュール感など教えていただけることもあるので、そういったケースでは電話も活用しています。ただ、日頃からガツガツというよりは、メディアさんのタイミングに合わせたコミュニケーションを心がけています。

広報発の新サービス~提案の翌日にプレスリリースを配信!?

クックパッドマート、サービスの仕組み。

クックパッドマート、サービスの仕組み。

編集長:今回、取材を依頼するきっかけにもなったクックパッドマートの自宅配送無料の企画から情報発信までを詳しく教えてください。

武田さん:自宅配送無料の件に関して、2022年2月8日(火)にプレスリリースを出しました。実は、月曜日の午後に事業部と広報の定期的なミーティングがあり、そこで提案したのがファーストアクションです。当時、多くの保育施設や学校が休園・休校していて、食品の買い物に困っている人が多いのではないか、自宅配送無料のニーズは高いのではないかと考えたこと、また私自身も自宅待機中にクックパッドマートの自宅配送を活用していたことから、提案しました。

編集長:ん?月曜日って、プレスリリースを出す前日の月曜日ってことですか!?

武田さん:そうです。(笑)
提案した際、「やる方向で検討します」と事業部のマーケティングを統括する者が持ち帰り、私としては、早くて翌週くらいだろうと勝手に思っていました。火曜日の朝に「やることになりそう」という共有があった段階でも、まさかその日にプレスリリースを出すことになるとは思っていなかったのですが、お昼頃に「自宅配送無料のリリース、今日出すことになったよ!」と言われまして。骨組みもまだ決まっておらず、グラフィックもこれからの状況で「本当に間に合うのかな!?」というのが昼過ぎの状況でした。(笑)
なんとか、その日の夕方〜夜にはすべて整え、プレスリリースを出すことができました。ですので、提案してからプレスリリースを出すまで、24時間は経っていたけど48時間は経ってないという感じでした。

編集長:心臓に悪いスケジュールですね。(笑)オーダーとか配送のスキームも組み立て直さなきゃいけないですしね。

武田さん:まさにそれで、そもそもクックパッドマート自体が自宅配送を前提として展開しておらず、基本的には、1品から送料無料でマートステーションに配送し、ユーザーがマートステーションに食材を取りに行くというサービスなので、自宅配送は有料で提供していました。そのため、そこに関わる物流業者さんとのお話や自宅を受け取り場所に設定するUIをわかりやすくユーザーに案内するということも含め、この短い期間で調整する必要がありました。自宅に配送してほしいユーザーが迷うことなくサービスを受けられるように、この企画を組み立てるメンバーやデザイナーも、驚くほどのスピードでページを組み立てました。

編集長:武田さんとしては、自分の経験からも絶対いいと思って提案したけど、まさかこのスピードで進んで、社内を巻き込むことになるなんて…という感じだったのですね。

武田さん:はい。震える案件でした。(笑)

編集長:反響としてはどうでしたか。

武田さん:メディア露出としては、Webメディアさんに複数出していただけ、その影響もあったのかSNSでの反響がすごく良かったです。また、実際に自宅配送無料のサービスを使われるユーザーさんの数が非常に伸びたので、事業への貢献という意味では意義があったのではないかと思ってます。

編集長:しかも、サービスを延長されたんですよね。

武田さん:そうなんです、2月中にすごくたくさんのご利用があったので、期間も延長してご提供するという形になっています。(取材時点)

編集長:今回のように、サービスに付加価値をつけるような提案をして、そこから広報活動に結びつけていくというのは結構あるのですか?

武田さん:クックパッドマートに関しては、多いです。

編集長:この自宅への送料無料やニュースレターの取り組みはミッションでおっしゃっていた、自社発信の数と質を最大化につながるところですね。

例年のイベントも、情報発信のタイミングと内容を変えることで露出量が10倍以上に

どんな料理ワードが注目されるのか?クックパッド「食トレンド大賞2021・食トレンド予測2022」

どんな料理ワードが注目されるのか?クックパッド「食トレンド大賞2021・食トレンド予測2022」

編集長:入社してすぐに「食トレンド大賞2021」プロジェクトのコアメンバーになられたそうですね。私も「PRマガジン」のリサーチをしていた際に、拝見していました。ここでは、前例のないチャレンジングな企画に取り組まれたと別のインタビューでお答えになっていましたが、具体的にどういうことに取り組まれたのですか。

武田さん:食トレンド大賞自体は、2021年で5回目の発表だったので、企画自体は真新しいものではありませんでした。そのため、広報としてメディア露出に繋がるまでの仕込み部分で、前例のない動きをしました。

編集長:たとえばどんなことですか?

武田さん: 12月2日の一般情報公開の2週間前に、まずはこれまで食トレンド大賞を取り上げてくださっていたメディアの方々と、食トレンド大賞に繋がりそうなネタを取り上げてくださっていたメディアの方々、だいたい250名くらいの方々に「弊社は今年も、食トレンド大賞を12月2日に発表しますので、ぜひよろしくお願いします」という案内状をお送りしました。11月の中旬くらいから、メディアの方々はすごく忙しい時期に入るので、その中で埋もれないようにするためには、まず、存在を認識していただく必要があると考えたからです。そのうえで、「ちょっと取り上げてみてもいいかな」と、思っていただいた時に、手軽に情報が取り出せる形のものを提供することが大事だなと。

そしで、案内状を配布した翌週には、メディア関係者向けにLPをステルス公開しました。忙しい取材の合間にも見ていただけるよう、スマートフォンでの見やすさにもこだわり、一般公開日まで、メディア関係者限定公開であることも、一目で伝わる仕様にしました。さらにLPには載せていない「なぜこの料理を食トレンド大賞に選出したのか」という数値的なエビデンスを示したり、専門店や参入する企業が増加しているといった世の中の動きを詳しくまとめた資料も併せてお送りしました。

編集長:メディア向けにいろいろ盛り込んだ詳細情報というのは、食トレンド大賞を決める上で、すでに社内に集まっていた情報を上手に加工したのか、それとも広報独自でかきあつめて資料を作成されたのですか。

武田さん:どちらもです。現在、月間5600万人の方がクックパッドのレシピサービスを使ってくださっているので、レシピの検索動向から、世の中の注目度合を示すことができます。このデータから読み取れる傾向が食トレンド大賞の選出根拠にもなっています。この数字や、弊社が運営しているニュースメディアのPV傾向などはすでに社内にある情報です。一方で、ニュースや報道をしてもらう上で重要となるであろう世の中の動向については広報視点で収集しました。

編集長:なるほど。結果、例年よりテレビなどでも注目されたということですね。

武田さん:前年度と比較すると、12月末時点での全体のメディア露出数は10倍以上でした。キー局でも複数取り上げていただけましたし、地方の情報番組でも、かなり取り上げてくださいました。テレビだけに限って言うと3月末時点で、30番組以上に取り上げていただいています。

全ての取り組みは「毎日の料理が少しでも楽しくなる」ために

クックパッドのJapan CEO直下プロジェクトリーダーを募集する「Disruptor採用」

クックパッドのJapan CEO直下プロジェクトリーダーを募集する「Disruptor採用」

編集長:採用広報もミッションだとお話されてましたが、どういったことをされているのでしょうか。

武田さん:採用広報に関しては、私自身の関与度は高くないのですが、弊社は創業から今年で25年目になり、会社として完成されている、サービスが成熟しているというイメージを持つ方も多いようで、実はそうじゃないんですよ!というのを発信すべく動いています。

編集長:ありがとうございます。最後に、クックパッドの広報として、今後取り組まれたいことをお聞かせください。

武田さん:「毎日の料理を楽しみにする」って、言葉はすごくシンプルですが、なかなか難しいことですよね。だからこそチャレンジのしがいがあるミッションだと個人的にも思っています。毎日は料理しないという方もいらっしゃると思いますし、必ずしも手が込んだ料理をすることが正義だとも思っていません。手を抜くこともすごく大事です。
一方で、食や料理に対して能動的に関わろうとすることで、健康に繋がったり、前向きな気持ちになれることもあると思います。私自身、そういう料理が持つ力を信じていますので、それをより多くの人に感じてもらうことで、ひとりひとりが今よりもちょっと心豊かに生きていけるような社会にしていけたらなと思っています。

編集長:すごい余談ですけど、仕事でも料理に携わって、もともとフードコーディネーターもされていたということで、武田さんは毎日料理を頑張ってるんですか?(笑)

武田さん:いや、結構、手抜いてます。安心してください(笑)。

編集長:私は自分の母親がすごく料理が上手で、3食自宅で料理するのも苦じゃないそうなんですけど、私は、朝晩作るだけでも結構苦なんですよ(笑)。
だけど、栄養を考えると作ったほうがいいよなと思うので、子どもに「何がいい?」って聞くんですけど、毎回、オムライス!っていう答えしか返ってこなくて。困ったときにクックパッドさんとか、色々レシピを見ながら作ったりするんですけど、できれば義務じゃなくて楽しくやりたいし、どうせなら美味しいものを食べたいんですけど、なかなか思い通りにはいかなくて。
ほんと毎日の料理がもっと楽しくなる方法があったらいいなって、心から思ってます(笑)。

武田さん:そうですよね、料理が楽しくなるアプローチっていろいろあっていいと思うんですよ。料理を楽しまなきゃっていうのも変な話ですし、楽しみ方も千差万別なので。レシピサービスの「クックパッド」も、いろんな料理を楽しんでいる方たちのアイデア帳だと思ってご活用いただけるといいのかなと思います。生鮮食品ECのクックパッドマートも、手をかけなくても十分おいしい食材が市場や農家、専門店から直送で届きます。いろんな角度で食を楽しむことができれば、おそらく料理はもっと手軽に楽しんでいただけると思います。

毎日やらなきゃいけないとか、栄養のことばっかり考えると楽しくなくなっちゃうと思うので、緩急つけながら、いろんな楽しみ方をクックパッドのサービスを通じて多くの人に提供していけたらと思っています!

PRマガジン編集部の「編集後記」

編集後記:編集長

―企業がどのフェーズでも「仕掛け」ていくことは重要

採用広報で武田さんが話されていたように、私もクックパッドがこれほどチャレンジ精神をもった企業だと知らなかった。

JRの改札で食材を受け取れるというのもチャレンジングで驚きだったが、武田さんが生活者目線で感じた「あったらいいな」を提案した翌日には実現するという、スピード感には驚きを隠せない。組織が大きくなれば、機敏さはなくなってしまうこともあるが、クックパッドはまるで立ち上がったばかりのベンチャー企業のようだ。

そういった社内風土があるからこそ、広報も待ちの姿勢ではなく、積極的に話題を発信していくため「仕掛ける姿勢」でいるのだろう。

―マンネリ化する恒例イベントも、広報の取り組み方次第

「毎年の恒例行事」については、頭を悩ませる広報も多いのではないだろうか。なぜなら、メディアに興味をもってもらうためには、例年と違う「新しさ」が必要だからだ。食トレンド大賞でいえば、トレンドの発信であるため、毎年内容は違うとも言えるが、そこに甘んじていたら、年々注目度は下がってしまうだろう。

ただ、イベントや恒例行事自体は、変わらず続けることも大事だ。だからこそ、「同じことに対し、どう違いを演出していくか」が、広報の力の見せどころとも言える。今年の食トレンド大賞へのプレッシャーを与えてしまうかもしれないが(笑)

広報として、今年はどんな新しい取り組みをされるのか、楽しみだ。

今回のPRパーソン紹介

武田 春香(たけた・はるか)

大学時代から食に関する研究を行い、卒業後は食品メーカーの販促等に従事。その後フリーランスのフードコーディネーターを経て、アパレル企業が展開する飲食ブランドにて、初めて広報に携わる。2021年4月、食や料理、ITに携わってきたキャリアを活かせるクックパッドに広報として入社。現在は生鮮食品EC「クックパッドマート」と食育絵本「おりょうりえほん」の広報を担当。

クックパッド株式会社(https://info.cookpad.com/

1997年10月設立。「毎日の料理を楽しみにする」をミッションに掲げ、料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」や生鮮食品EC「クックパッドマート」などを展開する。