広報塾

業界のイメージを一新!SNSを駆使した、タクシー会社広報の風雲児ー三和交通・和田さん

みなさんは、まーちゃん、ちーちゃん、KOOちゃんをご存じだろうか。

知る人ぞ知る三和交通株式会社の広報を担当している3人で、企業YouTuberの草分け的存在である。

同社はプレスリリースも出しているのだが、取材のほとんどはSNSへの投稿がきっかけになっているという。我々、PRマガジン編集部もこれには驚きを隠せなかった。

高齢化が進むタクシー会社に若い人材を入れるべく、ひたすら動画を投稿し続けている三和交通株式会社。

今回は企業YouTuberの草分け的存在、三和交通株式会社のまーちゃんこと和田茉璃奈さんに、広報・PRパーソンならではのリアルな企業広報のお話を伺った。
(インタビュー:編集部 若林)

パートから正社員、そして広報へ

三和交通のまーちゃんこと和田さん(右)、左は小澤さん(ちーちゃん)

三和交通のまーちゃんこと和田さん(右)、左は小澤さん(ちーちゃん)

若林:今日、和田さん(まーちゃん)から、二人で取材に来てくださると聞いていたので、ちーちゃん(小澤さん)とKOOちゃん(YouTubeでの呼び名)、どちらかな?と楽しみにしていたんですが、ちーちゃんが一緒に来てくださったのですね!ありがとうございます。

最近、自社の社員をユーチューバーにして認知を上げていったり、ブランディングに活かしている企業が増えている印象があるんですよね。それで、御社のバラエティに富んだYouTube動画を観て、ぜひお話をお聞きしたいと思ったんです。まず、和田さんの経歴をお聞かせいただけますか?

和田さん(まーちゃん):実は、私の父がもともと弊社の整備工場で働いていまして、タクシーと関わる機会が小さい頃からあったんです。高校卒業時に、様々な会社を見させていただいたんですが、三和交通は接客に力を入れていて、ドライバーさん個人個人の対応が、今までのタクシー業界のイメージと違っていたので自分も入社したいと思うようになりました。

それで高校卒業後、まずはパートとして配車のコールセンターに入り、1年後に正社員登用されました。

若林:他のタクシー会社に比べて、御社の乗客は予約が半数以上なんですよね。オペレーター業務がすごく大変というお話を記事で拝見したのですが、実際はいかがでしたか?

和田さん(まーちゃん):そうですね、常にお客様をお待たせする状態になってしまうくらい、お電話をいただいていました。配車センター業務をやりながら、少しずつ採用と広報をお手伝いし、3年前に「専属でやって欲しい」という指示がありました。

若林:PRマガジンの取材依頼で横浜の本社にお電話したら、東京の方の番号を教えてもらったのですが、横浜にいらっしゃる広報の方と和田さんたちとは、広報としての活動は別なのでしょうか?

和田さん(まーちゃん):仕事内容は変わらないですが、弊社は拠点が8営業所ありまして、急遽、広報の仕事が入った時にスムーズに動けるように、小澤(ちーちゃん)は横浜エリアを、私は多摩・埼玉エリアにすぐ行けるようなイメージで分かれています。

若林:そうなんですね、YouTubeとかブログとか、SNS専属のチームなのかなと思っていたのですが、そういうわけではないんですね。

和田さん(まーちゃん):そうですね、メディア対応は場所に応じて各自が対応しています。YouTubeは私が全部やらせていただいてますが、その他のSNSは小澤と、男性の小関(KOOちゃん)が手分けしているという感じです。

広報とブランディングの目的はすべて「ドライバーの採用」

和田さん「企画の検討は半年先くらいまでを見越していて同時並行で撮影しながら、また新たな企画を立案していく感じです」とても仲の良いお二人でした。

和田さん「企画の検討は半年先くらいまでを見越していて同時並行で撮影しながら、また新たな企画を立案していく感じです」とても仲の良いお二人でした。

若林:今回は、YouTubeのお話をメインにいろいろお聞きしたいなと思っているのですが、その前に、最近反響があったPR事例とかも伺いたくって。この1年だけでも、相談タクシーとか心霊タクシーツアーとか…色々な企画で、新聞やテレビに出ていますよね。川越の芋討伐ツアーでは、結構本気でコスプレなさっていますし。毎回企画のたびに大変じゃないですか?

和田さん(まーちゃん):そうですね、月1くらいで新しい企画をリリースできるようにしていますので、大変といえば大変ですね。現状では来年の4月まで決まっています。だいたい企画の検討は半年先くらいまでを見越していて、同時並行で撮影しながら、また新たな企画を立案していく感じです。

若林:月1で新しい企画をローンチするって、現場からすると混乱を招きそうなんですけど、できているところがすごいですね。広報から企画案を出して、上の方に通すんですか?

和田さん(まーちゃん):企画も弊社の場合はどちらかというと、代表の吉川から案が出て、私たちが色々もんでいって、形にすることの方が多いです。それもあって否定的な意見はほとんどないですね。社長が筆頭でやっているので。

若林:YouTubeのチャンネル登録者数が昨日(2019年12月3日)の時点で5660人くらいになっているんですけれども、とても力を入れていますよね。これは、ドライバーさんの採用が目的ですか?それとも、ほかの採用も目的になっていますか?

和田さん(まーちゃん):YouTubeに限らず、弊社が行う広報の目的は、すべてドライバーの採用につなげていくのが基本です。タクシー業界は、ドライバーの平均年齢が50代中盤〜後半なのですが、弊社の場合は10歳くらい若いのですが、それでも45歳から48歳くらいです。ですが、10年後、20年後を考えていくと、どうしても、一番人数が多い世代が一気に抜けてしまうので、そうすると、人材不足が今以上に加速してしまいます。

今現在は、そんなに危機的状態ではないのですが、今後のことを考えて、若い世代にできるだけ告知していきたいというのがあって、YouTubeやSNSで若い人向けの広報・ブランディングをやっている感じです。

若林:実際に、若い人からの応募は増えましたか?

和田さん(まーちゃん):以前と今とでは、かなり違います。説明会や面接に来てくれている方が「YouTube見てきました」と言ってくれるのは、前に比べると増えてきているなと思います。若い人は、スマホを持っている方だと、気になることがあれば、インターネットで検索すると思うんですね。弊社は、こういった広報を始める前は、お堅いイメージの採用ページしかありませんでした。

実際、タクシー業界は堅いものだと思うので、そこに、YouTubeやTwitterなど、様々な企画をすることによって、検索すると色々なものがヒットしてくれるようになりました。その分、20〜30代という若い世代に間口が広がっているのかなという風には話してます。

若林:ちなみに、YouTubeのKPI目標について、たとえば20代の応募数目標や、チャンネル登録数を増やすとか、そういうのは決めていらっしゃるんでしょうか?

和田さん(まーちゃん):かっちりしたものは決まっていないのですが、目標としては、まずは1万人の壁を越えられるようにしていこうと話しています。コンテンツのネタに関しては、案が出たら、とりあえずやってみよう!という感じで、7割は採用してると思います。アイデア出しは都度していますが、たまにドライバーや職員からの要望をいただくので、それをうまく活用しながらやってます。

ドライバーさんからの要望は、意外と全然タクシーと関係なく、どこどこの大食いがあるから行ってよとか、どこどこのお店がおもしろいから行ってとか、そういう系が多いですね。最近は、「とりあえず、あれおもしろいからやって!」みたいな感じが増えました。

顔出しにめちゃくちゃ抵抗アリでも、やるしかない!と思ったきっかけ

和田さん「顔出しに抵抗は、めちゃめちゃありました(笑)」社長から「やってみない?」と言われたのが始めたきっかけ。

和田さん「顔出しに抵抗は、めちゃめちゃありました(笑)」社長から「やってみない?」と言われたのが始めたきっかけ。

若林:これだけコンテンツがたまってきて、チャンネル登録者数が増えてくると、認められてきたなという感覚が社内の中でもあるのでしょうか。

和田さん(まーちゃん):そうですね、今年は結構、色々なメディアに出させていただく機会が増えてきたので、以前よりは、理解が得られてるのかなと。前は、営業所でカメラを回して盛り上がっていると「何やってるの?」くらいの目で見られていたんですけれど、最近は、何なら自分も一緒に出たいと言ってくれる方も増えてきました。

若林: YouTubeにご自身の顔や名前を出すことに抵抗はありませんでしたか

和田さん(まーちゃん)抵抗は、めちゃめちゃありました(笑)。できれば、顔出ししたくないなと最初は思ってました。でも、やるしかないみたいな。私が2013年に入社した時は20代が全然いなくて、SNSもTwitterくらいしかやっておらず、ほかの企業や業種から比べると、柔軟な広報活動ができていませんでした。それを社長から「やってみない?」と言われたのがきっかけですね。一回トライしてみて、もしだめなら他のものを考えよういう社風があるので、とりあえず出てみて、それが今こういう形になっています。

若林:YouTubeは、いつから本格的に始められたんでしたっけ?

和田さん(まーちゃん)専用動画を企画編集するようになったのは2年くらい前です。それ以前は、ドワンゴさんのニコニコ生放送で2013年くらいから生放送をスタートし、録画したものをアップロードということを行っていたんですけれど、2年くらい前からYouTube中心に動画を作ってみようかということで。

若林:今から2年前くらいって、企業もまだ積極的にYouTube使おうという感じではなかったですよね。他の会社がやっていないない中で、企業としてどんなYouTubeにしようかって、迷われませんでした?

和田さん(まーちゃん):迷いましたよね。最初はほんとにもう、PVが一桁二桁の世界でしたから。企業のチャンネルですし、最初はタクシーの大真面目な動画を撮影していてたんですけれど、自分で見返してみて、ちょっとおもしろくないなと感じて。どうせ他社がやってないなら、好きなことをやってみようと思って今があります。

若林:私もいくつか動画を拝見しましたが、先ほど仰ってたように、若い方が「三和交通は他のタクシー会社とちょっと違うのかな、新しいことに挑戦しようっていう会社なのかな」という印象を受けるという意味では、採用やPRに関して、じわじわ効果が出るコンテンツなのかなと思います。でも、よく社員さんを巻き込めたなと思うんですよね。SPとかの企画はノリノリでやってくれるんですか?

和田さん(まーちゃん):立候補制とか指名制だったりするんですけれど、意外とみなさん、まんざらでもなく、メディアの対応とかでも、結構ノリノリでやってくれる方が多くて、そういう社風だと思います。

動画編集はすべて独学で

和田さん「動画編集はすべて独学です。ネットの受け売りで、1本作業するたびに全部調べてやってます。」

和田さん「動画編集はすべて独学です。ネットの受け売りで、1本作業するたびに全部調べてやってます。」

若林:編集作業も大変ではないかと思うのですが、和田さんおひとりでされているんですか?

和田さん(まーちゃん):今はそうですね。だいたい1本の動画で、最低で2~4時間かかるので、広報のお仕事や取材対応、会社の仕事がない合間にやっているという感じで、あまり今、更新頻度が高くないのですが。空き時間に編集作業を行っています。

若林:もともと、編集のスキルはあったんですか?

和田さん(まーちゃん):いや、まったくないんです、独学です。全部もう、ネットの受け売りですね、1本作業するたびに全部調べてやってます。

私個人の考えですが、ネットで”三和交通”を検索してもらった時に、サイトだけでは知り得ない社風や、雰囲気を知ってもらうための補助的な存在であればいいなと思っています。「三和交通ちょっといいな」と思って検索していただいた方の、説明会などへの後押しになればいいかなと。

ですので、できるだけ、弊社のリアルな雰囲気を届けるために、リテイクとか台本もない、一発撮りのリアルな動画を心がけています。録画を開始したらカメラを止めることはないので、本当に、ありのままの会社の雰囲気がお伝えできているのではないかと。

若林:ちなみに、お出かけしたり、コスプレしたり…お金もかかると思うんですが、広報が使える予算は決まっているんでしょうか。

和田さん(まーちゃん):明確には決まっていないのですが、社内稟議が必要な金額じゃなければ、といった感じでしょうか。ので、予算はあまり気にしてないですね。もちろん、できるだけ低めになるようにはしているのですが。
内容も炎上一歩手前くらいだったらなんでもありというか、企業としてNGということはほとんどないので、アップする前に、その都度、社長の確認をとるというようなこともないです。

取材依頼の大半はTwitter投稿がきっかけ!?

和田さん「リリースを出して取材をいただく機会ももちろんあるんですけれど、一般の方がSNSにあげてくれて、それをメディアが拾ってくれるというのが大体の流れです。」

和田さん「リリースを出して取材をいただく機会ももちろんあるんですけれど、一般の方がSNSにあげてくれて、それをメディアが拾ってくれるというのが大体の流れです。」

若林YouTube以外で、最近一番、反響があったPR事例はどのようなものでしょう。

和田さん(まーちゃん):直近だと、Twitterで話題になった”指なめ禁止例”でしょうか。あれは実は、社長の吉川から「今から”ある通達”を出すからTwitterに上げてね、よろしく」と言われて上げたものなんです。特に、指なめに関して、何かクレームやトラブルがあったというわけではなく、社長が何かをきっかけに、指なめするかしないかの葛藤をした末に「だめだろう」と思ったらしく、通達を出す流れになったそうです。
Tweetしたときは、その後、色々なメディアから取材をいただくことになるとは思っていなかったんです。SNSの影響力を再認識しました。

若林:あれ!?あの“指なめ禁止例”って、リリースではなく、最初にTwitterだったんですか!

和田さん(まーちゃん):そうです。指なめ通達のつぶやきをして、思いのほか、いいね!とかリツイートが伸び、そのツイートをみて、メディアの取材が次々と決まりました。リリースを出して取材をいただく機会ももちろんあるんですけれど、一般の方がSNSにあげてくれて、それをメディアが拾ってくれるというのが大体の流れですね。SP風の企画とかも、一般の方のTwitterがきっかけです。

話題のロボットのタクシーも一般の方のツイートきっかけで多数のメディアから取材が

和田さん「ロボットを実際に製作し、営業所前に展示して、一週間後くらいに一般の方が実際の写真と一緒にツイートしてくれたのが爆発的に伸びて、色々なメディアが取材に来てくれまして。あれがないと、ただすべっておわりという流れでした。」

和田さん「ロボットを実際に製作し、営業所前に展示して、一週間後くらいに一般の方が実際の写真と一緒にツイートしてくれたのが爆発的に伸びて、色々なメディアが取材に来てくれまして。あれがないと、ただすべっておわりという流れでした。」

若林:御社の場合、基本的にはリリースを出すのとTwitterにアップするのは、同じタイミングなんですか。

和田さん(まーちゃん):ほぼほぼ一緒なのですが、やっぱりリリースが一番最初ですね。リリースも出しますが、Twitterが一般の人に拡散されてメディアがそれを見て、という流れが一番多いですね。

若林Twitterで拡散されてメディアから結構反応があったケースは、他にも何かありますか?

和田さん(まーちゃん):エイプリルフールの企画なのですが、ロボットのタクシーという企画を3年前にリリースしました。リリース自体はまったく拾われなくて、そのロボットを実際に製作し、営業所前に展示して、一週間後くらいに一般の方が実際の写真と一緒にツイートしてくれたのが爆発的に伸びて、色々なメディアが取材に来てくれまして。あれがないと、ほんとうにもう、ただすべっておわりという流れでした。

エイプリルフールの企画「ロボットのタクシー」

エイプリルフールの企画「ロボットのタクシー」

https://www.sanwakoutsu.co.jp/special/aprilfool2017.html

若林:あのロボットすごかったです、CGかと思いましたが、いや、でも背景からして、なんかタクシー会社っぽいというか、あえて殺風景というか、逆に目立ちますよね。

和田さん(まーちゃん):企画に使う写真のほとんどは、社長が撮っているのですが、ロボットの背景については、何であそこで?と思いました(笑)。

若林:それにしても、よく作ってくれる業者を見つけられましたね。

和田さん(まーちゃん):あれは自社の整備工場なんです。無駄なお金をかけない主義があるので、外注はほぼほぼ無いです。オフィシャルのサイトくらいですね。

若林:すごくないですか、整備の方たち。まさか、ロボットつくれと言われるとは思っていなかったですよね。なんでもできちゃうんですね、社内で。

和田さん(まーちゃん):そうなんですよね。

ネタに力を入れているから、フォロワー数も伸びていく

和田さん「Twitterはどちらかというと知名度を上げるのと、半々の目的です。」広報のゴールは全部、採用目的だが、Twitterはどちらかというと知名度を上げるのと半々の目的。

和田さん「Twitterはどちらかというと知名度を上げるのと、半々の目的です。」広報のゴールは全部、採用目的だが、Twitterはどちらかというと知名度を上げるのと半々の目的。

若林:Twitterのフォロワー数は何名くらいでしたでしょうか

和田さん(まーちゃん):現在(2019年12月4日)、4610くらいですね。広報のゴールは全部、採用目的なのですが、Twitterはどちらかというと知名度を上げるのと、半々の目的ですね。

初期に担当してくれた事務の方が、毎日常に更新して、なにがしか新しい投稿があがるよう工夫していただいて、そこでフォロワーやフォローバックが、徐々に増えていきました。あとは、弊社の企画とかを随時アップしていってという感じですかね。今後はもう少し時間をかけて頻繁にツイートしていかねばと話してはいるのですが。

若林:企業の広報にとってプレスリリースは、取材を獲得するのに一番大事なツールだと思うのですが、御社の場合は、そこよりもTwitterだというのは、ネタの強さが勝っているんですね。

和田さん(まーちゃん):そうですね、業界ならではというか、人に拾ってもらいづらいというのが結構あって、その中でメディアや一般の方の目にとまる企画をいろいろ考えているので。一番はリリースを出して、ポンポン取材いただくのが理想であるんですけれども。

常にチャレンジ精神!だから失敗もあるけどすべてが勉強!

和田さん「社長の吉川がすべて考えてまして。」芋の討伐ツアーはコスプレは関係なく観光メインでPRしてしまい、もう少しゲーム感やファンタジー系のイメージが強いツアーを作りたかった。

和田さん「社長の吉川がすべて考えてまして。」芋の討伐ツアーはコスプレは関係なく観光メインでPRしてしまい、もう少しゲーム感やファンタジー系のイメージが強いツアーを作りたかった。

若林:ちなみに、さっきお話した芋の討伐ツアーを例にすると、あれって、コスプレがアイキャッチとしてはすごくあると思ったのですが、企画内容をよくよく見るとなんでコスプレなんだろう?と思ったり。どういう発想からなんですか??

和田さん(まーちゃん):あれはですね、弊社社長の吉川がすべて考えてまして。内容的には、埼玉の営業所が三芳町というところの観光ツアーにはなるんですけれど、何ですかね・・・コスプレ、ちょっと、あれに関しては、ちょっとわたしたちもよくわからないですね。

仰っていただいたように、アイキャッチにはなったかもしれませんが、実際はまったくコスプレは関係なく、観光メインでPRしてしまったので、どっちつかずで、まあ、いい勉強になったとは思うんですけれど。コスプレしてた方が目を引くでしょという。深い意味はないですね。

ただ、当初の発想のイメージが、討伐ゲームのファンタジーな世界だったようで、本当はもう少しゲーム感やファンタジー系のイメージが強いツアーを作りたかったんですけれど、中途半端な形に終わっちゃいましたね。

広報・PR活動は収益とは切り離し、ブランディングを重視

和田さん「弊社でやっている企画で、黒字になってるものはほとんどないんです。」広報・PR活動はメディア露出やブランディングを重視している。

和田さん「弊社でやっている企画で、黒字になってるものはほとんどないんです。」広報・PR活動はメディア露出やブランディングを重視している。

若林各営業所の売上にも貢献できるような企画を色々と考えていらっしゃるのかなというイメージがあったのですけれど、それはいかがですか。

和田さん(まーちゃん):売上的なものは、まったく考えていなくて、実は、弊社でやっている企画で、黒字になってるものはほとんどないんです。

タクシーの料金って、もともと高いと思うんですね。東京都内以外だとワンメーター740円だったりしますし、長時間のツアーだと1万円とか一台あたりかかってしまうのに、利用者はバスなどと違い、4名までしか乗れないですよね。

でも、会社の利益が出るくらいの値段設定にしてしまうと、お客様に来ていただけなくなってしまいます。だから、こういったツアーはやればやるほど赤字になってしまうので、弊社が今やっている企画でも、期間限定だったり回数限定だったりするのは、そういった費用対効果が理由です。

それでも、メディア露出やブランディングで成功していればいいということで、基本は認知度アップして採用につなげるという考え方でやらせていただいているので、たぶん他の広報や企業さんとは、考え方がちがうと思います。

もちろんリピーター獲得や新規顧客獲得という面もあるにはあるんですけれども、弊社の広報活動や企画の大前提として、どちらかというと、採用に重点を置いています。とはいえ、色々な企画を知ってもらって利用した時に、「次は三和さん使おう」と思っていただけるという機会も増えているので、いい機会になったなとは思います。

若林:こどもタクシーとか妊婦さん向けとか、そういうのは各社やり始めてるなとは思っているんですけれども、ここまでユニークな企画をやっているところはないですよね。

和田さん(まーちゃん):タクシー会社の売上は、ドライバーさん個人個人の売り上げがお給料につながってくるので、多分、余計なことをやっていられないという感じがあるんだと思います。ですが、最近、大手のタクシー会社さんには、色々な観光ツアーを企画しはじめているところもあるので、業界全体で、いい意味で堅いイメージをなくすきっかけになってきてるかなとは思っています。

SNSに注力してから新卒採用の応募者は7倍に増加

和田さん「新卒の入社人数は、大体7倍くらいになっています」以前は2、3人から1桁位しか居なかった。

和田さん「新卒の入社人数は、大体7倍くらいになっています」以前は2、3人から1桁位しか居なかった。

若林新卒の応募数は結構変わってきていますか。

和田さん(まーちゃん):以前は、新卒の入社人数は、2、3人から一桁くらいしかいなかったんですけれど、今現在は20名前後で、大体7倍くらいになっていますね。応募者の母数も圧倒的に増えました。

若林:よく巷では、ミスマッチで入社2、3年目の社員が辞めてしまうという課題があると思うんですけれども、早期の離職についてはいかがでしょうか?

和田さん(まーちゃん):具体的なパーセンテージは出してはいないですが、以前に比べると定着率は伸びていると思います。

総合職入社の場合はキャリアアップを目指せるので、そういった方は2~3年くらいは必ずドライバーを経験して、あとはその人次第ですね。その時の各営業所の配属によっては、早くキャリアアップできたり、ドライバーを続けたい人だとそのまま続けたり。他のタクシー会社さんですと、管理職採用というのはほとんどやっていないので、それも弊社の強みでもあります。

若林:そうなんですね。さきほど、業界全体でいうと平均50代だけど、御社の場合は40代が平均とお聞きしましたが、20代の方はどれくらいいるんですか。

和田さん(まーちゃん):ちょっと今すぐ正確なデータは出てこないんですけれど、職員だと、2、3割くらいは20~30代くらいで、ドライバーは、おそらく10パーセント切っちゃっているかもしれないですね。でも若い人は着実に増えていますね。

プライベートもYouTubeサーフィン

和田さん「休日はほぼ家から一歩も出ずに、それこそずっとYouTubeを見てたりとか・・・。YouTubeは、ゲーム実況とかが好きです。」

和田さん「休日はほぼ家から一歩も出ずに、それこそずっとYouTubeを見てたりとか・・・。YouTubeは、ゲーム実況とかが好きです。」

若林:ありがとうございます。もしよかったら、プライベートなお話も少しお聞きしていいですか。お休みの日はどう過ごされていますか。

和田さん(まーちゃん):広報の仕事だと結構アクティブに動いているんですけど、休日はほぼ家から一歩も出ずに、それこそずっとYouTubeを見てたりとか・・・。最近では、編集のやり方や、テレビでも、テロップの入れ方を見るようになってから、ますます家から出ないように・・・。あんまり面白いことをやっていないんですけれど(汗)。

YouTubeは、ゲーム実況とかが好きで、YouTuberさんだと2BRO(つーぶろ)さんという大手の実況者さんや、みずたまりボンドさんとか、パラスティカさんという女の子組ふたりの同年代くらいのYouTuberとか、そういった方の編集をちょっと参考にさせていただいたりしています。

若林:なるほど、ちなみに小澤さんは、休日はどのように。

小澤さん(ちーちゃん):それがほんとに、奇跡的に性格が結構似てて、私もずっと家にいるんです、インドア派タイプで。YouTube見たりとか、ゲームしたりとか。

小澤さん「奇跡的に(まーちゃんと)性格が結構似てて、私もずっと家にいるんです。YouTube見たりとか、ゲームしたりとか。」お二人は本当に仲が良さそう。

小澤さん「奇跡的に(まーちゃんと)性格が結構似てて、私もずっと家にいるんです。YouTube見たりとか、ゲームしたりとか。」お二人は本当に仲が良さそう。

若林:入社は同じくらいなんですか?

小澤さん(ちーちゃん):私は3年前に、大卒の新卒で入っています。面接の段階で、広報もやってくださいっていうのは言われていましたが、最初は配車センターに配属されました。同期は11人で、女性はドライバーがひとりいます。

若林:どうやって三和交通さんに行きついたんですか。

小澤さん(ちーちゃん):自分に何が向いているかを色々調べている時に、大学の授業で、性格診断テストみたいなのがあったんですけど、それでオペレーターがピンポイントで出てきたんです。そういうのもありかなって、採用のマイナビとかリクナビとかで調べていたら、コールセンターとかいろいろ出てきまして、ちょっと説明会行ってみようっていうのがきっかけですね。

若林:すごいですね。コールセンターって、きつい仕事の代名詞のようなイメージがありますが、調べたんですね。

小澤さん(ちーちゃん):そうですね、ちょっと気になるなって思って、そこからですね。説明会で、タクシー会社だけど企画がメインと説明してたのでて、変わってるなーと思ったり、面接の時も、吉川社長がちょっと変わっていたりとかして、おもしろい会社だなーと思いました。

若林:最初の入り口がすごいですね。適性の職業がオペレーターって、そんな細かく職種が出てくるんですね。他のタクシー会社は受けていないんですか。

小澤さん(ちーちゃん):タクシー会社はうちだけです。タクシー会社で働こうとは思ってなかったですね。

若林:これからドライバーになるということはあるんですか。

小澤さん(ちーちゃん):ないですね。ないと思っています(笑)。

小澤さん「企画をやりたいという女性は増えてきていて、弊社の強みをちゃんと見てくれているんだなって思います。」

小澤さん「企画をやりたいという女性は増えてきていて、弊社の強みをちゃんと見てくれているんだなって思います。」

若林:もうおひとりの小関さん(KOOちゃん)はいかがでしょう。

和田さん(まーちゃん):小関も大卒入社で5年目です。

若林:3人とも、世代的にそんなに変わらないからこそ、やりやすいんでしょうか。

和田さん(まーちゃん):そうですね、小澤とは同い歳で、小関は2個上で。私が入った当初は、同世代がまったくいなかったので、やりやすいですかね。

若林:広報をやりたいという若い方は結構増えていますか?

小澤さん(ちーちゃん):企画をやりたいという女性は増えてきていて、そういう、弊社の強みをちゃんと見てくれているんだなって思います。

和田さん(まーちゃん):以前は、全然興味ないですと言われたのですが、ここ数年ですね。実際に、企画案を持ってきてくれる方もいます。

若林:御社のYouTubeは、「いい社風なんだなー」というのがわかるので、そういうのが動画から伝わるのっていいなと思います。ちなみに唐突ですが、お昼はいつもどうされていますか?

和田さん(まーちゃん):新宿にいる時は色々なお店で食べたりとか、他の営業所の時はその近くのお店ですとか。あと、ドライバーさんからも、”ドライバーだからこそ知っている穴場のお店”とか、結構教えてもらえます。

若林:広報とドライバーさんの距離が結構近いんですね。

和田さん(まーちゃん)広報だからこそ、他の営業所にも出入りできるので、ここまで、営業所に出入りする担当ってほとんどないと思います。企画の準備とか、取材をいただいた時の対応とか、あとはYouTube撮影という感じで、色々な営業所に行っています。私が知らないドライバーさんでも、話しかけてくれる機会も多いですね。

YouTubeきっかけで「タモリ倶楽部」から取材が入り、そこから取材の連鎖が始まる

和田さん「タモリ倶楽部さんとかも、YouTubeがきっかけで初めて出させていただいて、そのあとに広報会議さんに取材いただき、それでまた「広報会議さん見てみました」と取材いただく機会が増えました。」

和田さん「タモリ倶楽部さんとかも、YouTubeがきっかけで初めて出させていただいて、そのあとに広報会議さんに取材いただき、それでまた「広報会議さん見てみました」と取材いただく機会が増えました。」

若林:取材を受ける機会もきっと増えましたよね。「広報会議」さんにも出てましたものね。

和田さん(まーちゃん):そうですね、「タモリ倶楽部」さんとかも、YouTubeがきっかけで初めて出させていただいて、そのあとに「広報会議」さんに取材いただき、それでまた「広報会議さん見てみました」と取材いただく機会が増えました。

若林:それでチャンネル登録が飛躍的に伸びたということなんですね。「タモリ倶楽部」はどうして取材が来たんですか?

和田さん(まーちゃん)YouTubeを検索してた時に、たまたま弊社の動画が出てきたらしくて、再生回数が二桁なのに、すごい数の動画がアップされているから、「なんだ、この会社は!?」ということでお問い合わせをいただいて、そこから取材に繋がりました。

若林:「タモリ倶楽部」って深夜の時間帯にやってますけど、結構コアなファンが多いから、出ると結構反響があるみたいですよね。今後、広報として、何かこんなことをやっていきたいという想いってありますか。

和田さん(まーちゃん):YouTubeに関しては、まだ登録者数が6000人弱しかいないので、今後は、三和交通の顔になれるくらいに、色々なYouTuberっぽい動画ですとか、あとは、あえて今まで、真面目な企業の動画を出してなかったんですけれど、今後は、逆に三和交通らしい真面目な動画を徐々に増やしていき、就活している方に向けて、今以上にいいアプローチができたらと思っています。

PRマガジン編集部の「編集後記」

編集後記:編集部 若林

企業YouTuberの草分け的存在

編集部若林の頭この数年で、企業にもSNSが定着し始めた。今のところFacebookやTwitter、Instagramが多い。そして、最近「社員をYouTuberに」する会社もチラホラ出てきた。
名前と顔を出し、企業の看板を背負い、自らYouTuberになることは抵抗ないのか? どんな効果がでているのか?実際聞いてみたいと思っていた。

色々と企業YouTuberを探していたところ目に飛び込んできたのが、三和交通の「まーちゃん(と、ちーちゃんとKOOちゃん)」だ。

2017年に社長から「YouTubeやってみたら?」と言われ始めたという。この当時は、まだ企業YouTuberはほとんどいなかったのではないだろうか。そういう意味では、吉川社長の先見の明がすごいと言わざるを得ない。

高齢化が進むタクシー会社に若い人材を入れるべく、ひたすら動画を投稿し続けた同社。クオリティよりも投稿回数がすごい。見ていると、社風が非常によくわかる。新卒採用でSNSネイティブの学生たちにとっては、リアルな会社情報の収集源となっているはずだ。実際、新卒採用もこの数年は20名前後採用できるようになっているという。

取材はほぼSNS経由で獲得

さらに、今年秋には「謎のタクシー広報動画」とし、『タモリ倶楽部(テレビ朝日)』からの取材まで獲得している。驚くことに、同社はプレスリリースも出しているが、取材はほとんどがSNSへの投稿がきっかけとなっているという。Twitterに投稿した内容が拡散されたり、一般の方が投稿してくれた内容を見たメディアから取材が入るのだ。

今回、三和交通のまーちゃん、ちーちゃん、KOOちゃんから、これからの広報の在り方を改めて教えられた。
「企画力の強さ」と「果敢にSNSにチャレンジする」
この2つは、どの会社にも今後必要とされるだろう。

今回のPRパーソン紹介

■株式会社三和交通統括本部 広報
和田茉璃奈(わだ・まりな)

2013年 株式会社三和交通統括本部にパート社員として入社
 同年 配車オペレーションセンターへ配属
2014年 同社正社員となり広報へ配属

■三和交通株式会社(https://www.sanwakoutsu.co.jp/

1965年に設立。神奈川・東京・埼玉でのタクシ―・ハイヤー事業をメインとする会社。サービスのクオリティを追求することで、乗車する半数以上が予約客という同社。吉川永一氏が2007年に社長に就任してからは、業界初のサービスやユニークな企画を発表し、 メディアでも多数取り上げられるように。
結果、認知度も向上し、新卒採用でも毎年20名近く入社し、ドライバーの平均年齢が50代のタクシー業界で同社は40代と人材確保にも成功し始めている。

広報・PRパーソンが仕事や息抜きで使うお気に入りのカフェや場所をご紹介

「広報パーソンのお気に入り」久しぶりの第二回、新宿区、新宿御苑の目の前、BOWLScafe (ボウルズカフェ)

BOWLScafe (ボウルズカフェ)

BOWLScafe (ボウルズカフェ)

「広報パーソンのお気に入り」は広報・PRパーソンが仕事やプライベート、ちょっとした打合せや息抜きで使うお気に入りのカフェや場所をご紹介するコーナー。

今回の取材場所にも利用した、三和交通まーちゃん、ちーちゃんのお気に入りのカフェは「BOWLScafe (ボウルズカフェ)」。
東京都は新宿、新宿御苑の目の前のカフェに行ってきた。

まーちゃん、ちーちゃんのお気に入りのカフェ、新宿「BOWLScafe」
三和交通まーちゃん、ちーちゃんのお気に入りのカフェ「BOWLScafe」は、新宿御苑の目の前にある、小さな可愛らしいカフェである。

われわれ取材陣は甘酸っぱさが心地良い「レモネードアイスティー」をいただいた。新宿御苑が目の前にあるため、緑がいっぱいで落ち着いた雰囲気の中でビタミンCたっぷりのレモネードをいただいたおかげが、風邪に対する抵抗力も強くなった(ような気がする)

PRマガジンの読者である広報女子も男子も、ぜひ利用してみてほしい。

店内にはおしゃれなオリジナル雑貨も並べてあり、ちょっとしたギフトにも最適。

店内にはおしゃれなオリジナル雑貨も並べてあり、ちょっとしたギフトにも最適。

ショコラサンドケーキ

ショコラサンドケーキ

自家製スコーン

自家製スコーン

■お店の情報「BOWLScafe (ボウルズカフェ)」(bowlscafe.com)
東京都新宿区新宿2-5-16 霞ビル 1F
TEL:03-3341-4331

■営業時間 11:30~20:00(LO 19時)
※月によりイレギュラーあり。詳しくはお店まで。
■ランチタイム 11:30~14:30 (平日のみ)