広報塾

読書の秋、宣伝・広報に関するお薦め本

みなさん、こんにちは。
先週の豪雨による洪水は思わぬ大きな被害をもたらしましたが、被害に遭われた皆様のご無事と、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

さて、日頃、仕事がら、広報活動や企業ブランディングのことを考えることが多いのですが、今回は3年前の書籍ですが、大変興味深い本を読みましたのでご紹介させてください。

それは、「ソニーのふり見て、我がふり直せ。」
著:山口誠志、語り:河野透 (ソル・メディア、2012年刊)
という本です。


語りの河野透氏は、ソニーの宣伝・広報のトップだった方です。amazonから引用させて頂くと、「1945年生まれ。多摩美術大学卒。1968年にソニー入社。1996年、ソニーマーケティング執行役員常務就任。2002年、ソニーPCL取締役副社長。2006年にソニー退社。

現在、NPO法人森林セラピーソサエティ事務局長。多摩美術大学非常勤講師。」「トリニトロンのタコの赤ちゃん、ウォークマンを聞くサル。今も記憶に残るソニーのCMの数々…。しかし、ソニーブランドを真にグローバル化したものは何だったのか?舞台裏に隠された巧妙な戦略。初めて語られる」となります。

この本の興味深い点を挙げさせて頂くと

①ソニーに、精密なブランド・マニュアルは存在していなかった。
②ソニーのお手本はビクター、その次はヤマハだった。
③ソニーの創業期は、企業トップが自ら行った情報発信がブランディングの道具だった。
④ソニーが一番になった時にバカみたいだけれど、一番になった時の振る舞い方は
誰も教えてくれなかった。当時の経営陣は誰も持っていなかった。
⑤ソニーでも、ファッションやクルマのブランドの維持、発展、カバーする範囲には
到達できなかった。

など、中にいた人しか知りえない興味深い事実、告白が数多く書かれています。

ソニーに関して、外部からの評論本はたくさんありますが、マーケティング、ブランディング、CM、広報などの話で、これだけリアルに書かれた本はないと思います。現代ブランド論がご専門の片平秀貴氏(元東京大学大学院経済学研究科教授。
現在丸の内ブランドフォーラム代表)も、この本を絶賛されています。

あまりにも内容がリアルなだけに河野氏は、あえて自著というスタイルをとらず、語りといううスタンスをとり、本の装丁もあえて地味に仕立てられたのではと想像してしまいます。

どうしても創業期や「IT’S a SONY」、「デジタル・ドリーム・キッズ」など、あの輝かしい時代のソニーの内容が中心の話ではありますが、その時代のソニーを知らない人にも是非読んで頂きたいマーケティングのマイルストーン的な書籍です。

日本企業が世界にチャレンジしつづける以上どうしても必要となる企業ブランディングについての示唆が満載です。

絶版になる前にぜひご一読をお薦めします。