2023年のキーワードは「オーセンティシティ」(オーセンティック)

2022年も年末となりました。今年は、「DX」、「SGDs」、「サスティナブル」、「コロナ禍」、「テレワーク」、「健康経営」、「ウェルビーイング」、「リスキリング」などがキーワードとしてよく取り上げられたかと思います。

来年は、どんなテーマが話題になりそうでしょうか。

「PRアワードグランプリ 2022」本田哲也氏コメント

「PRアワードグランプリ 2022」(2022.12.8)が発表されましたが、弊社の社外取締役でもある本田哲也氏は、審査員長の講評コメントとして以下のようなコメントを出しています。

審査員長として、今年は、(規定の審査クライテリアに加えて)以下の3つの視座を示させていただきました。

1、「パーパス(社会的存在意義)」はあるか?:社会に向き合った、社会的な意義のある活動になっているか。

2、「自分(たち)らしさ」が感じられるか?:当該企業/ブランドがその活動をするオーセンティシティ(正当性・真正性)があるか。

3、「巻き込む力」は発揮されたか?:多様なステークホルダーを巻き込み、共創が起こるような設計がなされ、活動の持続性につながっているか。

リリース「PRアワードグランプリ2022」が決定

上記、1の「パーパス(社会的存在意義)」は、本田氏がまさにここ数年で広められたキーワードで、現時点でこの視点なしの広報・広告企画はありえないという状況になっているかと思います。

本稿で2023年大きなキーワードになると予想したいのは上記、2の「オーセンティシティ(正当性・真正性)」です。

最近、このキーワードを急に目にすることが多くなってきました。

「オーセンティシティ」(オーセンティック)が、キーワードに

たとえば、BRUTUS(ブルータス) 2022年12/1号、河尻亨一氏「Campaign」記事で、

・『「社会的課題を達成するための表現は「オーセンティック」であることが求められる。「真正性」と訳される言葉だが、要するに企業の本音・本気・本質を宿す施策であることが重要だが、要するに企業の本音・本気・本質を宿す施策であることが重要」

・「フェイクニュースが跋扈する時代に説得力を持つ表現には真実味や本物感が必要」

・「2020年代に関して、日本の課題は、「ソーシャルグッド(パーパス)」、世間(時代)に求められる表現は「オーセンティック」(後略)あたりがキーワードになるのではないだろうか?

と書かれています。河尻氏記事は、広告キャンペーンについて記載されたものですが、広報PRも基本はこの路線になるのではないでしょうか。

「広告から“公告へ”」

書籍 杉山恒太郎著「広告の仕事~広告と社会、希望について」(光文社新書 2022,11.6刊)の帯では「広告から“公告へ”」というコピーが掲出されています。

広報PR関係者から、歓迎したい視点のコピーではないでしょうか。電通常務を経てライトパブリシティ代表という広告クリエイティブのトップを歴任したクリエイティブディレクター杉山氏が、広告の歴史を振り返り、このような宣言をされていることはマーケティング業界の現在において決定的な宣言、提言であるといえるでしょう。

これからの時代を創っていくであろうZ世代の若者たちが本物志向、コト志向であることはしばし喧伝されてきました。

ホンダが新型「シビック」を発表 本物志向の「Z世代」に照準 (日経ビジネス2021.6)
https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/depth/01120/

上記では、『1990年代半ば以降に生まれた「Z世代」は、品質の高さや社会的価値を評価する「本物志向」』があるという前提で自動車が開発されていることが書かれています。

この記事に限らず、ますます若者世代が「本物志向」、「ソーシャルグッド」が重要なことは、もはや明白な事実かと筆者も日々感じています。

まとめ

2023年のキーワードとして注目したいのは、「本物志向」、「ソーシャルグッド」、「共想」、「パーパス」、「フェイクニュース」をへて、「オーセンティシティ」(オーセンティック) (正当性・真正性)の流れが本格化していくと思います。

広報PRパーソンも、上記を踏まえた一年になるのではないでしょうか。ご参考ください。