【2020年版】海外PRから学べる5つのPR手法

PR・広報担当者として世の中のトレンドをしっかりと認識して、時流に合わせた施策を考えていくことはとても重要です。

そもそもPR(パブリック・リレーションズ)とはもともとアメリカから入ってきた概念ですが、今は日本に合ったスタイルに変わっています。最近、デジタル化が進む中、アメリカでのPRも大きく変わっており、新しいトレンドや手法が続々と増えています。海外進出を検討している日本企業にとっても国ごとにPRの特徴を調査する必要があります。

今回は海外でよく使われているPR手法を5つ紹介します。

①コンテンツのストーリーテリング

ストーリーテリング(storytelling)
「エデルマン・トラストバロメーター」調査によると、一般層のメディアに対する信頼度は世界的にも下がっています。そのような状況下、いま特に注目されているのはコンテンツ・マーケティング(content marketing)です。

消費者にとって興味深く、企業の売り上げにも貢献します。「価値のあるコンテンツ」とはどう作るのか?海外ではストーリーテリング(storytelling)でメディアが求めているユニークなコンテンツ作りに挑みます。

一つの商品やサービス、人物にはかならず裏側のストーリーが存在します。いつ、どこで、どんな人と出会い、どのような苦労やプロセスを経て、その商品やサービスが出来上がったのかというストーリーを伝えることにより、多くの生活者に興味を持ってもらえます。

②インフルエンサーとのリレーション作り

インフルエンサー
メディアリレーションは広報として最も重要視するべきことです。新聞、雑誌、テレビなど従来のメディアとの関係はすでに構築してきたと思います。デジタル化が進む中、ほとんどの企業がインフルエンサーを活用したSNSやYoutubeマーケティングに取り組んでいます。

SNSの影響力が拡大していく中、情報発信をするインフルエンサーとの関係構築は新聞記者とリレーションを作っていくことと同じぐらい重要になります。企業のブランドメッセージと同じ思いを持つインフルエンサーを探してつながることにより、ブランドのプロモーションと併せてよりブランドイメージに合ったターゲット層に情報提供をすることが可能になります。

方法としては、Instagram、Facebook、Twitter、Youtubeのほか、LinkedInを通してダイレクトメッセージやコメントでエンゲージメントを増やしていきます。従来のメディアに絞らず、海外では日本より影響力の高いインフルエンサーを積極的に活用することにより、企業の広報活動の成果につなげています。

③動画制作をする

動画制作
近年のトレンドでもある動画プロモーション(特にマイクロビデオ; 短い動画)は今年も引き続きアメリカ、日本でもトレンドとなります。人間の脳は映像を処理するのに0.013秒かかると言われています。これは瞬きのスピードより速いです。

ビジュアルコンテンツはブランドと日常的な社会を強くつなげる力があります。動画が短いほど魅力的で注目されやすくなるので、文字のみでできているプレスリリースを読むより、動画を視聴する時間が増える可能性が高くなります。

例えば、弊社が担当した輸入自動車会社は、車で帰省する人が増えるお盆時期を目指して、シートベルトの重要性を啓蒙するため、体験会の実施と共に急ブレーキの衝撃がより伝わるよう体験場面を動画で撮影し、テレビ番組のアプローチの際に活用しました。自動車のように、実際体験しないと乗り心地などが分かりにくいものは特に、動画を使ったプロモーションを実施することでより情報が相手に伝わりやすくなります。

ホームページなどに動画を埋め込むと、動画のないウェブサイトより印象的になりますので、様々な手法で動画プロモーションにチャレンジしてみてください。

④アナリティクスの活用

アナリティクスの活用
PRとマーケティングの境界線はあいまいになってきていますが、PRでもデータを使ったPDCAはとても大切です。時流に合った施策を提案するためには様々な情報を集め、読み、理解する必要があります。そんな膨大な情報やデータ分析の手助けをしてくれるのが「アナリティクス」ツールです。

例えば、Google AnalyticsはGoogleが無料で提供するウェブページのアクセス解析サービスで、対象サイトを登録し、訪問者数・閲覧ページ数・滞在時間・訪問回数・訪問頻度などの情報が入手可能です。TwitterやYoutubeも独自のアナリティクスシステムを提供しています。

また、昨年インスタグラムで、他人の「いいね数」という指標が非表示になったことにより、アナリティクスから得られる顧客情報を活用した戦略が今後も重要視されるでしょう。

⑤オンライン・ニュースルーム(プレスサイト)を活用する

オンライン・ニュースルーム(プレスサイト)
オンライン・ニュースルームはメディアが求める情報をすべてまとめたウェブサイトのことです。「プレスサイト」、「プレスルーム」、「メディアセンター」など様々な呼び方があり、海外では主流となっています。このニュースルームは基本的にビジュアルを重視したレイアウトで構成されており、プレスリリースのほか、SNSの情報や高画質の写真素材のダウンロードやコンテンツの検索もできるように構築されています。

多くの日本企業は企業のウェブサイトにプレスリリースのタブのみを設けています。このようなサイトを新たに作ることによって、検索の分析やどのメディアが情報を集めに来ているかなどの分析も可能になります。オンライン・ニュースルームは企業のブランディングとも直結し、サイトの使いやすさや情報の信頼度によってはメディア露出にもつながります。

まとめ

いかがでしょうか?
アメリカ・ヨーロッパ・アジアなど海外のPR手法はそれぞれ異なりますので、海外から学べることはまだまだありますが、これらを日本でも活用できるよう戦略的に取り組んでいきましょう

【ニックネーム】 リロ
【これまで担当した業界】 輸入自動車・観光・化粧品・IT、など
【趣味】 旅行・空中ヨガ
【プチ自慢】 年に1回はかならず海外旅行に行っている