企業PRと個人PRのうち、個人PRにおいては、「取材(あるいは出演)」と「寄稿」がメディア露出の多くを占めます。
「寄稿」とは、メディアへ文章を送り、載せてもらう手法です。メディア側の負担が少ないため、取材よりもあっさり採用されることが少なくありません。今回はそんな寄稿の企画の作り方をご紹介します。
この記事の目次
①寄稿において企画にはどんな意味がある?
まず大前提として、取材・寄稿を問わずメディアへ提案をする必要があります。
しかし、ただ闇雲に「掲載してください!」とお願いをしても、内容か分からなければ相手にしてもらえません。
そこで、メディアの担当者が「この人はこんな取材・寄稿に対応できるのか」という簡単なガイドが必要になります。それが企画というわけです。
弊社では1回の提案につき、以下のような企画を数点用意しています。
寄稿企画 例
<タイトル>
たった5分で「テレワークうつ」を予防するストレッチとは
<構成案>
・原因は心理的なものだけではない
・なぜストレッチで「テレワークうつ」が改善するのか
・5分ストレッチ3つのポイント
たった数行の文章ですが、完成原稿がどんな内容になるのか想像できると思います。
作り慣れれば、タイトルと構成案を同時に考えて、相互に内容調整ができるようになります。しかし慣れる前は、どんな内容になるのか可視化する方が楽です。具体的には、著者の専門、文章力などを考慮しながら、箇条書きでどんなことを書くのか挙げていきます。
こうすれば、それらを要約・整理するだけで構成案になりますし、ある程度全体の内容や着地点も見えてくるため、タイトルも考えやすくなります。
②よいタイトルに必要なのは「分かりやすさ」と「意外性」
企画のタイトルを考える場合、まずは以下を意識しましょう。
1.時事性のあるキーワードを入れる
2.読みやすくし、一目で内容が分かるようにする
3.意外性を加える
前述の例で考えてみましょう。
1は「テレワークうつ」が該当します。
こうした時事性のあるキーワードを取り入れることで、メディアが興味を示す可能性はアップします。また「今、読まなければならない」という必要性を演出することが可能です。
こうしたキーワードは、なるべく頭に置きましょう。最初にパワーのある言葉や聞きなれない言葉を置くと、印象に残りやすくなります。
2は直感的に理解できるようにするということです。
読みやすくするポイントは、文字数を増やし過ぎない(大体20字前後)、漢字を使い過ぎない、簡潔かつ自然に話せる語感にする。以上の3点さえ守れば、大抵の文章は読みやすくなります。
では、このポイントを守らないとどうなるか、NGな例を見てみましょう。
NGな例
<タイトル>
僅か5分実践すれば「テレワーク鬱」を予防できる伸縮運動を御存知ですか?
きちんと読めば、NGな例は良い例とほぼ同じ内容であることが分かります。
違いはたった2つです。長さが約1.5倍となり、一部が漢字に変わっただけ。たったそれだけで、これだけ読みにくいタイトルへと変貌するのです。
文章を長くしがちな人や、つい漢字を多用してしまう人は注意しましょう。
③構成案には流れがあるものと独立したものがある
タイトルが寄稿の内容を説明するものならば、構成案は細部を具体的に示すものと言えます。
①でも説明したように、あらかじめ内容案を箇条書きで列挙しておけば、構成案を考えるのは楽です。慣れてくれば、内容と同時に構成案がまとめられることでしょう。
前述の構成案を例に、それぞれどのような機能を備えているのかを見てみましょう。
・原因は心理的なものだけではない
→解決すべき問題の提示と、それが生まれた背景といった前提
・なぜストレッチで「テレワークうつ」が改善するのか
→解決策が効く根拠の提示
・5分ストレッチ3つのポイント
→具体的な解決策の紹介
このように、問題の定義から解決策の提示を行うだけで、きちんとした構成が出来上がります。論理立てて順番を整理することで、説得力が生まれるのです。
ただし、項目が少なすぎるとこうした論理の流れが形成することが難しくなり、逆に多すぎると手間が増えるという問題が発生します。あくまで私の経験則ですが、項目の数は3~5個くらいだと作業が捗ります。
もちろん、このような流れにならないケースもあります。以下のようなシンプルな紹介記事の場合、その傾向は強くなりがちです。
シンプルな紹介時期の例(題材:カレー)
・この夏に食べたい 旬の食材満載のカレー10選!
・気品あふれるコクとスパイスの二重奏 欧風カレー
・新概念「ネオスパイスカレー」を知っているか?
→カレーの種類と特徴を列挙しているだけ=構成案同士の因果関係は薄い
以上、今回は寄稿企画の作り方をお届けしました。
練習すれば、どなたでも真似できるテクニックばかりですので、媒体に寄稿したいという個人の方、企業様にはぜひ参考にしていただければと思います。
【これまで担当した業界】税理士、弁理士、経営コンサルタント、産業医、ソムリエ、子育てアドバイザーなど
【趣味】水泳、殺陣(ヒーローショーの経験あり)、模型制作(主にロボット系と自動車)、映画鑑賞(ジャンル問いませんが、爆破があると嬉しい)
【プチ自慢】メディア提案用の企画をいろいろな切り口で素早く作ることが得意です