【テレビPR】元テレビマンが教える!取材を受ける前に気を付けること

こんにちは。今年も早いもので、もう半分が過ぎようとしています。
新型コロナウイルスの感染者数も少しずつ減少しており、テレビ番組もだんだんコロナ中心の内容から通常の放送内容に戻ってきていますね。PRの面でも、番組担当者へのアプローチがしやすくなったり、取材を獲得できる機会が多くなったという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

テレビ番組からの取材依頼はとても嬉しいもので、特にこれまであまりテレビ取材を受けたことがない方にとっては、「ありがとうございます!何でも協力します!」という感じかもしれませんが、特にテレビ取材を受ける際には、事前に確認すべきことや準備しておくべきことがたくさんあります。これを怠ってしまうと後で後悔することになるかもしれません。

そこで今回は、元TVディレクターの私が、テレビ取材を受ける前に気を付けることについて解説いたします。

1.取材を受ける前に注意すべきポイント

①取材のテーマ・狙いは?どのような取り上げられ方をするのか?

まず何よりも気を付けなければならないのが、どういったテーマの取材なのか、そしてどのような形で取り上げられるのかを事前にしっかり聞いた上で、取材を受けるか検討する、ということです。

念願のテレビ取材に舞い上がってしまい、これを確認せずに安易に取材を受けてしまうと、後で放送を見た時に「こんな取り上げられ方だと思わなかった…」と後悔することになりかねません。
「番組の方にそんなことを聞いたら失礼なのでは?」と思うかもしれませんが、念願のテレビ取材だからこそ、その狙いや意図をしっかり把握し、自分たちにとってプラスになるかどうかを考えた上で取材を受けるようにしましょう。

②何を撮影したいのか?インタビュー内容は?

取材当日、順調に撮影を進めていくためには、番組側が何を撮影したいのかをあらかじめ把握しておくことも重要です。事前に撮影したいものがわかっていれば当日現場で急に言われて慌てることもなく、落ち着いて対応することができます。
(それでも現場でイレギュラーな要求が来るのがテレビ取材の常でもあるのですが…)

またインタビュー取材の要望がある場合には、何を聞きたいのか質問項目を取材の数日前にもらうようにしてください。ただでさえインタビュー取材に慣れていないと緊張してしまい、思いもよらぬ回答をしてしまったり、何を答えたか覚えていない、という状況になるケースも少なくありません。事前に質問事項をもらっておけば時間をかけて最適な回答を考える余裕ができます。

③取材にかかる時間は長めに考えておく

取材にどれくらいの時間がかかるのかをあらかじめ確認しておくことも重要です。
例えば飲食店の取材の場合、ランチ営業とディナー営業の間のクローズした時間内で対応できるのか、それともディナー営業を休みにして対応しなければならないのかなど、取材にかかる時間によって大きく変わってきます。

またテレビ取材の場合、何度も撮り直しをしたり、予定外のものを急遽撮影することになったりなどで、スケジュールが大きく遅れることも少なくありません。事前に聞いていた取材時間よりも長めに考えておいた方が、スケジュールが押したときに慌てないで済むと思います。

④実際に放送される時間は想像以上に短い

これまでにテレビ取材を受けた経験があまりない方が、実際に放送されたVTRを見てよく言うのが「え、あんなに取材してこれだけ?」という言葉です。

これは広報業務に携わっている多くの方が感じたことがあるのではないでしょうか?テレビ番組の撮影ではごく普通のことなのですが、本当に必要なものだけを撮影するのではなく、何かあった時に対応できるよう、使うかわからないけど幅広くいろいろ撮影しておく、という傾向がテレビ取材にはあります。これはニュースネタよりも企画ネタの場合に多いのですが、企画ネタはディレクターが撮影した映像を使って編集を行い、その後プロデューサーのチェックを受けるのですが、ここでプロデューサーからいろいろと修正指示があります。

「こういう映像撮影してないの?」とか「インタビューの中でこういう話してないの?」とプロデューサーからツッコまれることも多く、撮影漏れがあると最悪の場合、再取材の必要が出てくることもあります。そのためディレクターはプロデューサーにツッコまれて再取材にならないよう、使うかどうかわからない映像も念のために撮影しておくのです。半日がかりで撮影して実際に放送されたのは4,5分程度というのも決して珍しくありません。

ですので、取材時間が長かったからといって長い時間取り上げてもらえるわけではないということを認識しておくと、放送を見てがっかりせずに済むかと思います。

⑤放送前の原稿やVTRの確認はできない

最後にご紹介するのは、放送前に原稿や編集したVTRを確認させてもらうことはできないということです。これは本当に知っておいていただきたいのですが、特に編集したVTRの事前確認は放送ルールで固く禁止されています。稀に番組スタッフから原稿の一部だけを開示されて「この表現で問題ないでしょうか?」と確認を求められることはありますが、こちらから依頼しても原稿やVTRの事前確認はできないと思っていただいた方がよいと思います。

ですので薬機法が絡んだ医療に関する扱い方が難しい取材などの際は、あらかじめこちらで表現方法の注意点などを書面にまとめておき、番組の方に共有してしっかり説明しておくことが重要です。

2.まとめ

今回は取材を受ける前に気を付けるべきことについてご紹介いたしました。あまり取材を受けたことがないと、いざ取材依頼があった際にあたふたしてしまうと思いますが、これらの点をしっかり踏まえた上で検討・準備をしておくと余裕をもって取材に臨めるかと思います。

特に取材を受けるか決める前に確認しておくべきこと(取材の狙い・意図、取り上げられ方、取材内容、取材日時、取材にかかる時間)は企画書(取材依頼書)のような形で番組の方から書面でもらっておくと良いと思います。

今回の内容が少しでも参考になりましたら幸いです。

プロが教えるテレビPR完全マニュアル

2016年12月22日

プロが教えるテレビPR完全マニュアル その2

2018年2月9日

プロが教えるテレビPR完全マニュアル その3

2018年4月10日
株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】ナイトウォーカー
【これまで担当した業界】 食品・医療・美容・自治体関連・出版社
【趣味】 夜の散歩、温泉めぐり
<個人的おすすめ温泉BEST3>
1、宝川温泉(群馬) 川沿いの絶景露天、紅葉や雪の時期が最高です
2、ほったらかし温泉(山梨) 眼下に甲府盆地が広がり富士山も見えます
3、西の河原温泉(群馬) 山に囲まれた日本有数の巨大露天風呂です
【プチ自慢】
テレビディレクター時代に、レオナルド・ディカプリオやミラ・ジョヴォヴィッチなどハリウッドスターのインタビュー取材をしたこと