メディアリレーションとは、直訳すれば「メディアとの関係」。テレビ局、新聞社、雑誌社、ウェブメディアなどのディレクターや記者などの担当者とつながりを持ち、信頼関係を築くことです。
私が広報になって最も大切だと思うことはメディアとの関係性です。
メディアの影響力は大きく、露出をさせるためには欠かせない存在です。広報担当として、記者会見や発表会などを開催することがありますが、こうしたイベントに多くのマスコミを誘致するのに「メディアリレーション」がとても重要になります。
記者から「この会社、広報は信頼できる」と感じてもらえることが、長い目で見て広報活動の成果に大きな差が現れます。
カップルや夫婦に置き換えてもそうですが、お互いの関係性が良好なほど、付き合いが上手くいき、長続きしているケースが多いですが、メディアとの関係についても同じことが言えます。
今日はこれから広報を始める方に知ってもらいたい、メディアと良好な信頼関係を築くためのポイントをこの記事でご紹介いたします。
この記事の目次
メディアにとってメリットある社会性・話題性の情報提供を!
まず一番に自社の利益しか考えない広報は確実に行き詰まります。
商品やサービスを取材してもらうためにはストレートな宣伝ではなく、社会的な価値が伝わるよう情報やメディアが興味のある話題を提供することが重要なポイントになります。
アプローチに際してメディアはストレートな宣伝は好まず、「社会性・話題性のある情報であれば取り上げます!」という返答が多いです。
そこで、サービス内容をストレートに露出することが難しく、苦戦をしていた美容サービスPR事例をご紹介します。
「広がる新60歳市場とは?」という企画
時流に合わせてリリースを作成し、「消費するシニアが増加中!広がる新60歳市場とは?」という企画を提案いたしました。
実際にシニア世代で流行っているコトやモノのなかに、自社の美容サービスを盛り込んだ内容です。その企画がシニア世代の情報を探していたメディアの目に止まり、そこから大きな露出に繋がることができた事例です。
ストレートなサービスのご紹介だけでなく、「今、世の中は○○が流行っている」など社会的ブームを醸成し、発信することも広報にとって重要な役目となります。
プレスリリースは継続的に!その後の積極的なアプローチとこまめな情報提供でメディアの心を掴む
超有名企業でもない限り、自ら情報を発信していかなればマスコミから目を向けてもらう機会は少ないです。インパクトのあるプレスリリースを作成し、その後、粘り強くアプローチを継続して行うことが露出への第一歩です。
大量のリリースの中でもいずれ記者の目に止まります。 そのため、諦めずにアプローチをすることは言うまでもなく、大切な作業です。
電話アプローチの場合は、メディアに合わせて紹介する内容を事前に精査し、的確且つ端的に説明することがポイントになります。
私の場合、FAXで一斉配信するリリースに加えて個別メールで、更に配信から1か月は週1回のアプローチを行い、ちょっとしつこいかも?と思われるぐらいアプローチを繰り返します。
この地道な作業を行った結果、メディアに関心をもってもらい、印象に残る広報案件として露出に繋がったケースも少なくありません。
その際、ただ自社商品・サービスの説明だけでなく、メディア側がいま必要としている情報も聞き出すことも今後の露出に有効的なキーポイントになります。
これまでアプローチを行う中での失敗談としては、撮影や校了時期のような、メディアが忙しい時期にアプローチを行い、次回以降は取り次いでもらえなくなったケースもあります。 事前にメディアのスケジュールを確認することは電話アプローチをする上での最低限のルールです。
メディアと最高のパートナー関係を結ぶ
メディアと信頼関係を築くと言っても、単に「仲良くなる」だけを目指すわけではございません。私は女性メディアに友人が多い方ですが、いくら仲が良くても、提供情報にニュース価値がなければ、なかなか取り上げてもらえません。初めの数回はコネやよしみで掲載に繋がったとしてもそう長くは続きません。
そもそものニュースバリューが、自社の媒体の基準に達していないものは、どうしても取りあげようがないからです。だから、社会性、ニュース価値がある情報を提供提供することが大切なのです。もし、それが分からなければ、率直にメディアの人に「いま、どのような情報をお探しでしょうか。(情報提供したネタが)記事化なるためには?」と尋ねてみてもいいかもしれません。
価値のあるネタを持っている、その上で、気持ちよく付き合える人柄の人物であれば、メディアと最高のパートナーになれることでしょう。
まとめ
メディアリレーションはメディア側の理念を理解しないで成立はしません。
メディアは世の中をよくするために、読者・視聴者に有益な情報を届けたいと考えています。だから私たち広報もメディアの立場になってニュース価値の在り方について考えていく必要があります。
また、その時々で必要な情報を提供することが重要なミッションです。
広報とメディアはどちらが上でどちらが下ということないです。
お互いがそれぞれの役割があって、対等な立場で、お互いを理解しあい、これからもよい関係を築くことができれば、メディアから信頼される広報になれることでしょう。