年間予算が固まる前が勝負!広報・PRの内製化と外注、最適な選択とは?

「来年こそ、攻めの広報をやりたい」、、、。そう考える経営者・広報担当者にとって、9月末から10月は極めて重要な時期です。
来期の予算編成が本格化するこのタイミングで、広報体制をどう設計するかが、1年後の成果を大きく左右します。

特に悩ましいのが、「PRを内製化すべきか、外注すべきか」という選択です。内製はスピード感とコスト効率に強みがある一方、専門性やリソース不足のリスクも。外注はプロの知見を活用できますが、コストやコミュニケーションの課題もつきまといます。

本記事では、それぞれの特徴や判断軸を整理し、自社に最適な広報体制を検討するヒントをお届けします。

PRを内製化するメリットと落とし穴

まず、「内製化」のメリットとして挙げられるのは、社内情報へのアクセスのしやすさです。
事業内容や経営者の想い、社内の雰囲気などをリアルに理解しているからこそ、メッセージに厚みを持たせやすく、発信スピードも早い。社内に広報経験者がいる場合や、組織の規模が小さく柔軟性が高い場合には、コストを抑えつつ納得感のあるPR活動を進めることが可能です。

しかし一方で、内製には大きな落とし穴もあります。広報に専念できる時間が取れなかったり、メディアとの接点がなかったりすると、情報発信が止まってしまうケースも少なくありません。
そもそも「何をどう発信すればいいのか分からない」と感じている場合、手探りのまま活動が迷走してしまうリスクもあります。また、どうしても自社目線になりやすく、メディアや生活者の視点からズレた宣伝色の強い情報発信になってしまう懸念もあります。

私の把握しているケースでは、自社の広報を兼任で担当しているものの、社内の情報収集がままならず、また、社内の協力体制が整っていないため、能動的な活動が行えていない、という悩みも寄せられています。また、以前PR会社に依頼していたものの、現在は自社で広報活動を行っているというケースも見受けられます。自社の体制でうまくいっている場合は良いのですが、人的リソースの問題などで対外的なメディアリレーションが不足したり、情報発信の頻度が低下するといったケースもあるようです。

PR会社に外注するメリットと注意点

一方、PR会社を活用する最大のメリットは、専門知識とメディアネットワークの活用ができる点です。企業の立場ではなく、第三者的な視点から情報を再構成し、メディアが取り上げたくなる形に仕立てていく。この“翻訳力”は、まさに広報のプロフェッショナルならではのスキルです。
また、記者へのコンタクトやプレスリリースの構成、メディア向け資料の準備など、専門性が求められる業務を任せることで、社内リソースを他業務に集中できるのも大きな利点です。

とはいえ、外注にはそれなりのコストがかかります。活動内容にもよりますが、月額30万円から100万円程度が相場となるため、予算に限りがある企業にとってはハードルに感じることもあるでしょう。
また、これもよく聞くケースなのですが、PR会社とのコミュニケーションが不十分だと、期待した成果が得られず、「お願いした意味がなかった」という事態にもなりかねません。

その場合は、何が原因でうまくいかなかったのか、その分析をきちっと行うことが大切です。
やはり、お互いの役割分担を明確にし、双方同意したスケジュールに沿ってタスク管理を行っていくことが重要になると思います。

内製×外注を組み合わせる“ハイブリッド型”の選択肢

こうした中で、近年注目されているのが「ハイブリッド型」の体制です。
たとえば、戦略設計はPR会社に依頼し、素材収集やプレスリリースなどの一次原稿作成は社内で担当する。あるいは、プレスリリースの草案は自社で作り、メディアコンタクトだけを外注する。
こうした役割分担により、コストを抑えながらも専門性を取り入れた効率的な活動が可能になります。

判断のヒントになる「3つの視点」

では、どうすれば自社にとって最適な広報体制が見えてくるのでしょうか? まずは以下の3つの視点で現状を棚卸ししてみてください。

① 社内に広報の専任者、または旗振り役がいるか?

② メディアとの関係構築を継続的に行う余力があるか?

③ 広報を通じて「何を実現したいのか」が明確か?

これらの問いに対して「NO」が多い場合、外部パートナーの力を借りることで時間と効果の両面で大きなメリットを得られることもあるかと思います。

外注予算の“相場感”を知っておく

さらに、PR体制を検討するうえでは「予算感」を知っておくことも重要です。PR支援にはスポット型のサービスも存在します。
リリース作成のみであれば数万円から対応可能なサービスもある一方、定期的なコミュニケーションをベースに、戦略的にPR活動を行っていく方法もあります。
限られた予算に応じて、必要なところだけ外注する設計であれば、より現実的な選択肢にもなり得ます。

広報体制は来期の成果を左右する

来年度の広報成果は、体制と予算の設計が極めて重要と言っても過言ではありません。これまで「なんとなく」で進めていた広報を、本質的な経営戦略の一部として捉え直すタイミングが今です。自社にとって最適なバランスは何かを見極め、確実に一歩を踏み出す準備を進めていきましょう。

広報って、なんて大変な仕事なの(涙)…「社長!広報は片手間ではできません!!」

2022年3月1日

成果を出してくれるPR会社の選び方

2019年11月29日

今のPR会社のままで大丈夫?見直しを考えるべきタイミングと判断軸

2025年7月15日
株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、
            医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
【プチ自慢】両利き。お箸も野球もサッカーも、手足を左右同レベルで扱えます

お知らせ
【課題別】PRノウハウやテクニックを無料公開
多くご相談いただく内容とその解決方法をホワイトペーパーにまとめました。
PR切り口の考え方|メディアリレーション方法|広報KPIの考え方【無料ホワイトペーパー】

当社では新たなメンバーを募集しています!
PRコンサルタントとして活躍したい方はぜひご応募ください。
採用情報|PRの力で「社会問題」を解決する