私はある日、仕事の休憩がてらコンビニに立ち寄り、お買い物をしました。そこで、レジ打ちをしていた店員のおばあちゃんに、会計後にふわっと微笑みながらこう言われたのです。
「はい、いってらっしゃい〜」
その瞬間、胸の奥に小さな灯りがともるような温かさを感じました。と同時に、どこかあの言葉は、PRの本質そのものではないか、とも感じました。
PRの仕事では、文面ひとつ、言葉ひとつが相手の印象を左右します。ただ、忙しさに追われていると、気づかぬうちに「誰にでも同じ文章」を送りがちです。そこで今回は、私が感じた「PRの本質」についてお話させてください。
「いってらっしゃい」が心に刺さった理由
なぜ、あれほどシンプルな一言が強く残ったのでしょうか。レジのおばあちゃんの言葉は、一般的な「ありがとうございました」でも「またお越しください」でもなかったのです。
私が思うに、単なる接客用語ではなく、「あなたはいまから仕事に戻るんだよね」という“私”に向けられた言葉だったからではないでしょうか。多くの接客が“誰にでも同じ言葉”である中で、おばあちゃん店員は目の前の相手の状況を読み取り、「個別の言葉」を選んでくださったのではないでしょうか!本当のことは知る由もありませんが、、、
しかしこの事実は、情報を届ける側として忘れてはいけない”心持ち”なのではないかと思います。
PRの現場では、メディア記者も、読者も、企業担当者も、それぞれ立場も課題も違います。テンプレート文章は効率的ですが、心までは動かせるとは限りません。“いってらっしゃい”は、その本質を鋭く突きつける出来事でした。
大事な点は、次の通りです。
(例:「出張でお忙しいところ失礼いたします」など)
②汎用表現より“専用の一言”が強く響く
(例:「いつも~の件でお世話になっております」など)
③人の心は「自分に向けられた言葉」に動く
(例:「○○さん担当の分野にマッチすると思い、連絡差し上げました」など)
情報共有も「相手ごと」に変えるだけで価値が跳ね上がる
メディア向けの情報共有は、PRの実務の中でも最も定型化されやすい業務です。しかし、本来は編集部・記者・媒体ターゲットによって“伝えるのに適切な温度”も“媒体側に求められる視点”も異なります。そこに合わせて文章を変えるだけで、採用率は大きく変わります。
多くのPR担当者がやりがちな「全媒体同じ文章一斉送信」は、情報の価値を自ら下げてしまいかねない行為です。 媒体特性に合わせてほんの少しでもいいので、文面を変えるだけで、“心に届く確率”が劇的に変わります。
たとえば、同じ「睡眠の質を上げる枕」を紹介するにしても…
(例:「この枕を使うと睡眠の質は格段に上がり、日常がより豊かになります」など)
②テック媒体には技術的の独自性や開発背景を。
(例:「この枕は開発者の~という苦悩から生まれ、~といった開発の苦労から生まれたものです」など)
これは、コンビニのおばあちゃんが“私”を見て言葉を選んだのと同じことです。相手を知り、文脈に合わせる…。たったそれだけで、文章は“通りいっぺんの情報”から“届けたい相手に刺さるメッセージ”へと変わります。
PRが最後に届けるのは「情報」ではなく「温度」
そもそも、PRとは情報を届ける仕事を含みますが、その奥にあるのは“人間の温度”です。一度心を動かす体験があると、情報の受け取り方は大きく変わります。だからこそ、文章に宿る“温かさ”や“誠意”こそ、PRの成果を左右します。
“温度のある情報発信”というのは、単に丁寧に書くことではありません。
相手の立場・忙しさ・興味・専門性を想像し、たった一行にも目を配り、「この一行は本当に相手のためか?」と問い続けることで生まれるものです。
私にとってあの日の「いってらっしゃい」が温かかったのは、目の前の相手に向き合った“誠実な一言”だったからです。私たちが記者に送るメールも、読者に届ける記事も、すべて同じです。文章の奥に感じられる温度こそ、もっとも強く相手の心を動かします。
重要な点をまとめます。
コンビニでは、「感謝・励まし」という情報と、「選ばれた言葉」という温度の掛け算で、私は心を動かされました。
②相手のための一行、ひとことが関係性をつくるということ。
「いってらっしゃい」をくれたコンビニにまた行きたくなっている自分がいます。
③温度のある情報は記憶に残るということ。
こうして文章を書いているのも、その時の温度感がつい先ほどのことのように思い出せるからです。
④文脈理解が結果を左右するということ。
店員のおばあちゃんが、私が仕事中であるということを理解してくれたので、こういった温かい言葉をくれたのでしょう。
FAQ
A:全文章を変える必要はありません。冒頭3行だけ相手に向けるだけで効果があります。
Q2:媒体ごとに何を変えるべき?
A:視点(経済性・独自性・生活者価値など)と“強調ポイント”を変えるのが最優先です。
Q3:テンプレートは悪い?
A:土台としては有効。ただし“相手の文脈を乗せる仕上げ”が不可欠です。
わたしにとって、「あの言葉」がPRで大事なことを思い出させてくれたように、皆さんの中にも、ターニングポイントとなりうるような”温かい”日常の一言が眠っているはずです。ぜひ日々飛び交う言葉にアンテナを張ってみてください。その”温かさ”をひしひしと感じたとき、今回テーマとした「言葉を選ぶ重要性」をグッと感じるのではないでしょうか。
相手に向き合った言葉には、パワーがあります。そのパワーこそが、成果を決めるのではないでしょうか。
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