【新版】テレビ番組の「広告換算額」の計算方法

PR効果を測定する上で重要な指標となる「広告換算額」。

「自社で広告換算額を計算して出したいけど、やり方がよくわからない!」そんなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は「広告換算額って何?」「広告換算額の計算ってどうやるの?」「広告価値換算ツールってどう作るの?」という人でもわかるように、テレビ番組の広告換算額を計算する上での重要なポイントについて徹底解説します!

はじめに。「広告換算額」とは?

まず基本的な情報として「広告換算額とは何なのか?」について説明します。テレビ・新聞・雑誌・WEBなどメディア媒体に取り上げられた際に、どれだけPR効果があったか知りたいところですが、実はこれを具体的な数値として捉えることはできません。

そこで代わりに用いるのが、この「広告換算額」になります。「広告」とはテレビの場合「CM」のことを指し、その番組でCMを出稿した場合いくらかかるのかを示したものが「広告換算額」になります。

例えば、フジテレビ「めざましテレビ」で60秒取り上げられた際の広告換算額は、「めざましテレビ」で60秒CMを出稿した際に必要な金額と同じ意味になります。

「広告換算額」を計算するために必要な情報・ツール

広告換算額を計算するには、「放送秒数」「スポット・レート」「ネット局数」の3つの項目について調べる必要があるのですが、この作業が意外と大変で時間が掛かってしまいます。

また「スポット・レート」はインターネットで検索しても情報は出て来ません。ではどのように調べたらいいのか?それぞれわかりやすく解説いたします。

①「放送秒数」

この項目については説明不要だと思いますが、テレビ番組にどれくらい取り上げられたのか、その秒数のことを指しており、「露出尺」や「放送尺」という呼び方をすることもあります。

もちろん秒数が長ければ長いほどテレビ番組の広告換算額は高くなります。

②「スポット・レート」

こちらは15秒のCMを1本出稿する際にかかる料金のことを指します。金額は放送時間帯や平日・土曜・休日など曜日によって異なり、より多くの人が視聴している19時~23時あたりが最も高く、視聴者が少ない深夜から朝は最も安く設定されています。

またスポット・レートは、全局共通ではなく放送局ごとに独自に設定されているため注意が必要です。

広告換算額の計算に役立つ便利ツール「月刊メディア・データ」

基本的にスポット・レートは放送局のHPを見ても載っていないため、自力で探すには限界があります。そこで便利なのが、メディア・リサーチ・センター株式会社が発行している「月刊メディア・データ 一般新聞&電波版」です。

これにはテレビ・ラジオ・新聞(全国紙・地方紙・スポーツ紙)の広告レートが記載されており、キー局だけでなく地方局のスポット・レートも簡単に調べることができます。

広告換算の計算に使う時間区分 広告換算の計算に使う料金表

上の時間区分表は、スポット・レートを高い方からA・特B・B・Cの4段階に分け、時間帯ごとに当てはめたものです。19時~23時までがAランクでレートが高く、深夜から朝にかけてはCランクでレートが低く設定されているのがわかるかと思います。

また下の料金表は、ランクごとのCM1回(15秒)あたりの出稿料になります。

例えば平日17時の番組で50秒取り上げられた場合、レートはBの30万円に該当。これは15秒あたりの金額なので15で割った2万円が1秒あたりの広告換算額になり、50秒放送されているので、2万円×50秒で100万円が広告換算額ということになります。

いかがでしょうか?「思ったより簡単だな」と思ったのではないでしょうか?
ですが、これはあくまで1局の広告換算を計算しただけに過ぎません。

詳しくは次の項目で説明いたします。

1局あたりの広告換算額

③「ネット局数」

テレビ局には「系列」というものがあり、東京のテレビ局を中心に各地方の系列局と協力して番組を制作・放送しています。

例えば日本テレビ系(NNN)は全国に30局、テレビ朝日系(ANN)は26局、TBS系(JNN)は28局、テレビ東京系(TXN)は6局、フジテレビ系(FNS)は28局の系列局があります。

番組制作は各テレビ局で行っていますが、多くの時間帯はキー局(日本テレビやフジテレビなど東京のテレビ局)が制作した番組を地方局でも同時に放送しています。
この同時に放送しているテレビ局のことを「ネット局」と呼んでおり、「ネット局数」とは「同じ番組を同時に放送しているテレビ局の数」ということになります。

ネット局数は一つの番組内でも時間帯によって変化するので注意が必要です。地方局が制作している番組は1局だけで放送されている場合が多いですが、キー局制作の番組のほとんどが複数の局で放送されています。

この説明を聞いてピンときた方も多いと思いますが、複数の局で放送されているということは、複数の局の広告換算額を調べなければいけないということです。

例えば日本テレビ系の全国ネットの番組の広告換算額を計算するには、30局分の広告換算額を調べ、その合計金額を出さなければなりません。

これは時間がかかる地道な作業ですが、残念ながら一瞬で計算できるような画期的なシステムは存在しません。

複数の局で放送されている場合の広告換算額

広告換算の計算に役立つ便利ツール「全国番組対照表」

ネット局はテレビ局のHPに番組表が掲載されているので、その番組が放送されているかどうかを自力で調べることは可能ですが、系列局全てのHPを確認するのはとても大変です。

そこで便利なのがテレビ局の営業部などが販売している「全国番組対照表」です。

弊社では株式会社TBSサービスのものを利用していますが、こちらはどんな企業の方でも購入可能です。

この「全国番組対照表」は、日本テレビ系・テレビ朝日系・TBS系・テレビ東京系・フジテレビ系の全ての系列局(計118局)がどの時間帯にどの番組を放送しているかが表にまとめられており、簡単にネット局数を調べることができます。

広告換算に役立つツール、全国番組対照表

まとめ

いかがでしたでしょうか?
広告換算額の計算は手間と時間がかかりますが、以上のような手順を踏めば自社で広告換算額を計算することも可能です。

今回紹介した2つの広告換算ツールは一般の方でも購入可能ですのでぜひ活用してみてください。

ちなみに弊社では、主要番組の15秒あたりの広告換算額を事前に調べてデータベースとして保存することでその都度一から調べなくてもいいようにしています。

また放送局ごとのスポット・レートをexcelの計算式に入れて独自の「広告換算ツール」「広告換算シート」を作っておくと計算する手間が省けて便利です。

もしこれまで広告換算額をPR効果の測定基準として活用していない方はこれを機に独自の「広告換算ツール」「広告換算シート」を活用してみてはいかがでしょうか?

広告換算額の計算方法のポイント
■広告換算の計算には「放送秒数」「スポット・レート」「ネット局数」の3つの情報が必要である。

■スポット・レートは放送局ごとに設定されており、曜日や時間帯によって異なる。

■ネット局数は一つの番組内でも時間帯によって変化する。

また、テレビPR完全マニュアルについては、以下の記事にてお楽しみください。

プロが教えるテレビPR完全マニュアル

2016年12月22日

プロが教えるテレビPR完全マニュアル その2

2018年2月9日

プロが教えるテレビPR完全マニュアル その3

2018年4月10日