こんにちは!Yuntuberです。
私、5月で入社1年を迎えたばかりなのですが、その直前に調査リリースの作成を経験しました。前職はプレスリリース配信サービスに従事していたので、調査リリースを校正した経験は幾度とあるものの、実際に一から作るとなると大変なものです。
今回は調査リリース作成の過程と、配信後にいただいたメディアの反応から気づいた、調査リリースの奥深さをお伝えします。
データを分析し、短くまとめる難しさ
クライアントに時流に絡めた調査リリースを提案して1か月余り。面白いデータが取れたというご連絡をいただき、私はワクワクしていました。しかし、資料を見て唖然。膨大なデータと考察は優に10枚を超えていました。
『これをプレスリリースにまとめるのか…。』
ここがPRパーソンの腕の見せ所と意気込んだものの、かなり苦戦。イケてるタイトルにしたいし、調査のサマリー(要約)も加えたいし。ただ、原稿が長すぎるとそもそも読んでもらえない。良い文章はそぎ落とされて洗練されるとはよく言ったものの、データを分析し、上手にまとめる作業は簡単ではありませんでした。
原稿作成にあたって、私がこだわったのは下記3点。
・原稿の枚数をできるだけ減らす
・設定したテーマに合う調査データを抜粋する
・企業、サービスの紹介は最低限に留める
クライアントが必死に作った文章を割愛するのは断腸の思いでした。しかし、これもクライアントのためと腹をくくり、原稿のスリム化を敢行。一つのテーマを決め、そのストーリーに沿った情報を抜粋し、見出しとグラフをつなぎ合わせていきました。時には大幅に段落をカット。フォントサイズや行間調整といった小技も駆使しながら、何とか原稿を5枚にまとめることに成功しました。
FAX配信を考えた白黒でもわかるグラフづくりを!
ようやく原稿が完成し、さあ配信だ!と意気込んだ矢先に先輩から一言。
『FAXだとグラフの色がわからないので、データが読めないかも。。』
そうです。FAXでの配信を頭に入れていなかったのです。未だにリリースをFAXで受け取るメディアは少なくありません。そのため、白黒になったときにどう見えるのかが非常に重要となります。
例えばこのグラフ。カラフルな線グラフにより、C社の伸びとE社の落ち込みがわかります。
しかし、グレースケールだとどうでしょう。どの線がどの会社を示しているのかが全く分かりません。
私はこの「白黒だとわからない問題」に対して、各項目に数字を振ることで対応しました。4月時点では③のC社が1番であることがわかります。このようなちょっとした工夫がプレスリリースでは大事なのです。
※例①②③のグラフはイメージ
配信から1か月以上経っても露出が継続!地方局からのお問い合わせも
ようやく完成したプレスリリース。幸い、配信後にたくさんのメディアが取り上げてくれました。
驚きだったのは時間が経っても露出があったこと。配信後すぐはWEBメディアでの露出が中心だったのですが、全国紙に取り上げられてからは露出が拡大。“記事が記事を呼ぶ”現象が起きました。実際、リリース配信から1か月以上が経ってもメディア露出は継続。テレビ・新聞・WEBメディアを含めて60件以上の露出を獲得することができました。
もう一つ驚いたのは、地方のテレビ局からお問い合わせがあったこと。ある番組では8分以上の特集を組んでくれました。
通常、首都圏の企業が地方のメディアで取り上げられることはほとんどありません。ただ、社会にとって有益なデータはどこも同じ。時流に沿った内容や普遍的なテーマであるならば、地方局も取り上げてくれます。今ならば「Withコロナ」「オンライン●●」などの調査データでしょうか。
ただ、この調査リリース。注意すべき点もあります。商品アピールが見え隠れしていたり、バイアスがかかっていたりする調査結果はメディアに好まれません。記事にしづらいばかりか、読み手の認識違いにより誤報につながる可能性もあるからです。中立的な立場で発信した客観的なデータだからこそ、メディアは信用して使うことができるのです。
調査リリースは奥深い。
最後に、広報会議の「プレスリリース道場」で有名な井上岳久氏の言葉を紹介します。
『調査リリースは簡単なようで難しい、非常に奥深いPR手法でもあります』
(広報会議 2016年7月号 )
今回紹介した私の体験談は、調査リリースのほんの一部。まだまだ勉強することはたくさんありそうです。
ちなみにPRマガジンには過去にも調査リリースに関する記事がたくさんございますので、ぜひ読んでみてください。
【これまで担当した業界】専門学校、健康アプリ
【趣味】草野球(2番セカンド)
【特技】プレスリリースの校正 (プレスリリース配信サービス出身)
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