PR目線で見る、SNS投稿の有効な活用法

最近では当たり前のコミュニケーション手段になっていますが、SNSの利用や普及が進み一般化したことで、企業や自治体の広報活動・PR活動は大きく変わりました。広報活動にSNSを活用する企業や自治体が増えている中、今までとは異なる視点に立った“新たな戦略”が必要になってきています。

SNSをPRで有効活用するには、どのような方法が効果的なのでしょうか。

非常に分かりやすい事象として、SNSでの投稿内容が「バズる」ことで話題性が向上すると、それに起因して当該企業や自治体、サービスに注目が集まる傾向があります。意図的に投稿内容をバズらせる事はなかなか難しいとは思いますが、話題になった投稿内容があれば、それをPRに有効活用しない手はありません。

今回は、SNS投稿などの情報をうまく生かす方法をお伝えします。

①拡散されやすいSNS投稿とは?

TwitterやInstagramをはじめ、SNSがますます勢いを加速させている昨今、どの広報担当者も(あるいは広報担当者でなくても、、、)SNSによる高い情報拡散力を活かして、企業や商品、所属団体の効果的な訴求が図れないかと考えたことはあると思います。

では、どのような内容が拡散されやすいのか?
それには、いくつかの共通する要素があります。

A:「共感を生むストーリー性」

共感してもらう方法は商品・サービスによってさまざまですが、以下のポイントを意識した内容に生活者の気持ちが動く可能性があります。“悩みや不満を代弁する内容”、“思わず人に広めたくなる有益な情報”、“開発のきっかけをユーザー目線で訴える”、等々です。

「こういうのを待っていた!」「そこは気が付かなかった!」と思わせる、良い意味でサププライズ感のある投稿内容は、多くの方に共感を抱かせ、好まれる傾向にあります。
 

B:「機能性の訴求より、社会的意義の高い情報」

今まで、広報担当者が主体として発信する情報は、新規性(ニュース性)の他にサービスの優位性など、機能面での訴求が多い傾向にありました。しかし今、消費者のココロを動かすのはスペックの違いというより、「社会課題の解決に役立っているか!?」という内容に移行している感があります。変化の要因は“消費者の社会課題に対する意識の高まり”が、影響していると考えます。
 
例えば、“フード(食品)ロス”や“プラゴミの削減問題”などのように、日常の生活レベルで社会課題と真摯に向き合い、その上で工夫されたサービス、商品補足情報などは好意的に受け入れられる傾向にあります。

C:「ヒトの顔が見える投稿」

SNSの一般化により、ユーザーと直接コミュニケーションを取ることが可能になりました。企業によっては、代表や経営者がご自身でSNSを発信することもありますし、社員や従業員が“その道の専門家”として情報を発信するパターンも見られます。

公式アカウントでユーザーからの投稿などに対してコメントを発信するケースもあると思いますが、そこに「ヒトの顔 (個)」が見えるSNS投稿があれば、より親近感が湧きやすくなりますし、距離の縮まるコミュニケーションも確立されていくと思います。コアなファンの獲得や話題の活性化という面でも、有益なコミュニケーション手段になると思われます。

②SNSで話題性が高まったら、タイミングを逃さずにPRすべし

“SNSで話題になっている”という事実は、ニュース価値が発生しているという状況になります。この現状をPRに活用しない手はありません。ニュースは即時性が求められるので、タイミングを逃さず、速やかに情報をアウトプットしましょう。

例えば、広報活動の一環として、プレスリリースやニュースレターの作成・配信を行うことは有効な手段です。社内情報を整理し、「バズっている」ことをメディアへ対外的に発信するのです。SNSで話題になっているという旬な情報を公式にリリースすることで、今までSNS内で完結していた身近な話題がSNS以外にも広がり、うまくいけば、世の中ごとに昇華する可能性が高まります。

プレスリリースで発信した情報が何かしらWeb、TV、新聞、専門紙などのメディアで取り上げられると、他のメディアでも取り上げられる可能性が高まり、それを見た消費者がさらにSNSで拡散するという、露出・情報拡散のループが生まれます。情報提供できるタイミングを把握したら、タイミングを逃さず動きましょう。追加情報を確認するなど、リリース内容は工夫して配信することをお勧めします。

③SNS投稿から話題が拡散した参考事例

企業:“これってトランポリンなの?” 「シェイプキューブ」

https://www.instagram.com/gymterior.home/

予約開始に合わせたタイミングでInstagramにて情報発信を行っています。「こう見えて実はトランポリン」などの内容を投稿したほか、Instagramに投稿した動画も話題となりました。

その後、プレスリリースで 「リビングに置きたい!家庭用フィットネスグッズ予約殺到」と、情報発信。SNS上で話題になり、反響が大きくなっている状況をリリースに活用しています。クイズ番組でも取り上げられるなど、意外性のある商品として大きな話題を呼びました。

自治体:“農水省の職員がユーチューバー” 「BUZZ MAFF(バズマフ)」

https://www.maff.go.jp/j/pr/buzzmaff/index.html

農林水産省の公式YouTubeチャンネルです。同省の職員の方が出演、撮影、編集をこなし、農林水産物のPRや仕事の裏側を紹介しています。

主に有志の若手職員がそれぞれのスキルや個性を活かして、農林水産物の良さや農山漁村の魅力を発信する内容で、「出張の車で畑を見ると盛り上がる」など、農林水産省あるあるを紹介した動画は、150万回以上も再生されています。

株式会社コミュニケーションデザイン PRコンサルタント

【ニックネーム】カープマニア
【これまで担当した業界】IT、自動車、食品メーカー、飲料メーカー、自治体、医療、家電メーカー、レジャー施設、金融、教育、他多数
【趣味】高校野球、広島カープ、川崎フロンターレ、ハワイ
【プチ自慢】両利き。お箸も野球もサッカーも、手足を左右同レベルで扱えます